「第22回日本ホラー小説大賞」澤村電磁『ぼぎわん』が大賞受賞!

文芸・カルチャー

2015/4/21

  • 日本ホラー小説大賞

「第22回日本ホラー小説大賞」の選考会が2015年4月20日(月)に行われた。今回選考委員を務めたのは、綾辻行人氏、貴志祐介氏、宮部みゆき氏といった日本の小説界を牽引する名だたる作家たち。

 日本ホラー小説大賞は、恐怖を通して人間の光と闇を描こうとしている才能あふれる書き手のために、1994年に設立され、数々のホラーエンタテインメントを生み出してきた。これまでの大賞受賞作には、今回選考委員を務める貴志祐介氏の『黒い家』(KADOKAWA)や、これまでに生まれたホラー作品の中でもっとも怖いと言われている岩井志麻子氏の『ぼっけえ、きょうてえ』(KADOKAWA)などがあり、第2回大賞受賞作の瀬名秀明氏の『パラサイト・イヴ』(新潮社)は書籍化に加え、映画化、さらにはゲーム化までされた。

総数348作品の中から、第22回の大賞に輝いたのは澤村電磁氏の『ぼぎわん』。優秀賞は名梁和泉氏の『二階の王』が選ばれた。一般から選ばれたモニター審査員に最も多く支持された作品に与えられる読者賞には京谷氏の『記憶屋』が選ばれた。

大賞:『ぼぎわん』 澤村電磁(さわむら でんじ)
田原秀樹は幼いころ、奇妙な体験をしていた。祖父母の家の前に現れた不可解な来客。謎の言葉を織り交ぜて祖父母の名を呼ぶその声に、幼い秀樹は怯える。その時は祖父が来客を怒鳴りつけ追い返したが、のちに秀樹は祖父の生地に伝わる、人を山へさらう妖怪「ぼぎわん」について知る。あの日の来客は「ぼぎわん」ではないか。祖父は妖怪を恐れていたのではないか。やがて成人した秀樹は、香奈と結婚し娘・知紗をもうけ充実した毎日を送る。しかしそんな彼の周囲に、不気味なできごとが次々に起こりはじめ…。
著者略歴
1979年11月14日生まれ。35歳。兵庫県出身。東京都在住。現在、自営業。

優秀賞:『二階の王』 名梁和泉(なばり いずみ)
東京郊外で両親と暮らす朋子には、大きな悩みがあった。三〇才を過ぎた兄が二階の自室に籠もり、家族にも姿を見せない生活が何年も続いているのだ。一方、元警察官の仰木と六人の元ひきこもりたちは、考古学者・砂原が遺した「暗黒神の嫡子たる〈王〉が〈従者〉とともに人間の姿を借りて出現し、人々を邪悪な存在〈悪果〉に変えて破滅をもたらす」という予言を防ぐため、〈王〉の探索を続けていた。この六人は、五感で〈悪果〉を識別する能力を持つ者たちだったのだ…。
著者略歴
1970年7月26日生まれ。44歳。東京都西東京市出身、在住。明治大学法学部法律学科卒業。現在、会社員。

読者賞:『記憶屋』 京谷(きょうや)
遼一は幼いころ、祖母や近所の老人から、「どうしても忘れられない、消したい記憶を消してくれる」記憶屋という怪人の都市伝説を聞かされていた。遼一の幼馴染の少女・真希も、以前記憶屋に記憶を消されたことがあるらしい。大学生になり、記憶屋のことも忘れかけていた遼一だったが、かつて経験した恐怖の記憶を消してもらうために記憶屋を探していた大学の先輩・杏子が、実際に(自分との関係も含め)記憶を失ってしまう。それをきっかけに、遼一は記憶屋について調べ始めるが…。
著者略歴
1980年10月7日生まれ。34歳。イギリス・ロンドン出身。兵庫県神戸市在住。早稲田大学大学院卒業。弁護士業の傍ら、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞し、2013年『霊感検定』(講談社/織守きょうや名義)でデビュー。

過去の大賞受賞作
第2回大賞作:『パラサイト・イヴ』瀬名秀明
第4回大賞作:『黒い家』貴志祐介
第6回大賞作:『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子
第12回大賞作:『夜市』恒川光太郎
第15回大賞作:『庵堂三兄弟の聖職』真藤順丈
第19回大賞作:『先導者』小杉英了
など

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 大賞受賞作『ぼぎわん』、読者賞受賞作『記憶屋』は2015年秋に刊行予定。優秀賞作『二階の王』も書籍化を予定している。

■日本ホラー小説大賞
日本ホラー小説大賞は、同時代を生きるすべての読者のために、そして、恐怖を通して人間の光と闇を描こうとしている才能あふれる書き手のために、1994年に設立され、数々のホラーエンタテインメントを生み出してきた。400字詰め原稿用紙150枚以上650枚以内の作品を対象とし、応募作品の中から最も優れた作品に大賞が与えられるが、大賞作が選ばれない年もある。
⇒日本ホラー小説大賞公式サイト