米国人が、『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』を読んでみた。

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/20

日本は色々な意味で独特でユニークな国です。日本の特徴を面白く鑑賞するには、やぱり「外」の観点を持つ外国人が書いた本が一番いいかもしれません。『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(KADOKAWA メディアファクトリー)の作家は、日本で暮らす北欧系のスウェーデン人。(しかも、可愛い!) しかも、自分でマンガを描いているのです。子どもの頃、『セーラームーン』と『犬夜叉』を知って、マンガ家になることを決意し、専門学校に通うために、来日したそう。面白そう! そう思って思わず2冊買った私ですが、実は私も在日外国人(アメリカ人)です。

おそらく日本人の読者の皆様にとって、この本は日本を違う視点から見る楽しみがあるはずです。異国出身の私もそうなのです。オーサさんは日本に3年間住んでいるようですが、彼女に対して私は8年先輩なので、そういう意味でも視点が違います。比較的に新米のオーサさんのマンガを読むと、困っていた頃が懐かしく思えます。
「あー、おにぎりが開きづらいと思ったら、裏に開け方が丁寧に書いてあると気付かなかった!」は、私も経験しました。しかし、オーサさんのように半年で気づかず、私の場合は2年後ぐらいでした。(遅い!)滞在期間も国籍も違い、相違点があるにしても、同じような体験が多くて面白いのです。

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また、私も『らんま1/2』を見て日本のアニメが好きになりました。私も「日本に行けば、アニメの登場人物と付き合えるかも」と非現実的な夢で日本にやってきたものの現実との違いにびっくりしました。このネタを読むと、昔の日本オタクの自分を思い出してとても楽しい! やぱり、マンガは、日本と他国の大きな架け橋となる力がありますね。そして、この本のスタイルーー主人公の名前が「オーサ」ではなく、「麻子」だったら、これは日本人著者による本だと思ってしまうほど、他の日本のコミックエッセイと変わらないのです。

何より、この本を読んで嬉しく思うのは「あー、これは伝えたかった!」という部分。日本人女性はブラのストラップがはみ出ると露出と思うのに、実際に履いているスカートはあんなに短い! 駅などで見かけるゴミ箱のゴミの分別は厳しいけれど、分別しても結局同じゴミ袋に入っているのが丸見え! 無意味なゴミ入れに見えて仕方がないのです。カラオケに行けば、洋楽を歌わされる(オーサさんの場合はABBA、私はビートルズ。彼らはイギリス出身なのに!)私たちは日本が大好きなので、それほど困りませんが、なぜそんなに気になるかと聞かれると、時々説明しづらいのです。正直言うと、失礼と思われて、抵抗感を持たれてしまいそうだし、説明しようとすると長くなってくどいと思われそう…。

だからこそ、このようにマンガで可愛く、読みやすく伝えるのは大成功だと思います。各ページに、4コママンガと追加絵、オーサさんのコメントが掲載されていて、外国人の視点から見た日本のあれこれに、驚くような発見があるはずです。豆知識も豊富で読み応えある本書。次回作も楽しみにしています!

文=Benjamin Boas

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(オーサ・イェークストロム/KADOKAWA メディアファクトリー)

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