「祟られてもオッケー、という気持ちで」 ―『怪処』編集長・吉田悠軌さんが薦める、GWに行きたいオカルトスポット7選!

更新日:2015/5/1

 今年もゴールデンウィークが到来。なのに予定がまったく埋まらない、という連休難民のあなたのために、明日から行ける特選オカルトスポットをご紹介します!
 人混みを避け、静かなオカルトスポットをさまよえば、きっと一生忘れられない思い出ができるはず。レクチャーしてくれたのは『ホラースポット探訪ナビ 日本全国のヤバイところに行ってきた!』(学研パブリッシング)の著者で、オカルトスポット探訪マガジン『怪処』の編集長としても活躍中の吉田悠軌さんだ。

あえてお祓いは受けない!オカルト探訪7つのコツ

 これまで国内外、数百カ所もの怪しいスポットを巡ってきたという吉田さん。オカルトスポット巡りの楽しさをこう熱弁する。
「肝試しは世界共通のコミュニケーションツール。不謹慎だという方もいますが、僕はどんどんやるべきだと思います。それに心霊スポットがある場所は、古くから信仰の土地だったり、不思議な伝説が残っていたりすることが多い。歴史の積み重ねを肌で感じられるのも、オカルト探訪の醍醐味ですね」
 オカルトスポットを楽しく巡るには、いくつかのコツがある。初心者はまず以下をしっかり頭に叩きこもう。

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1、一人で行かない。
2、できれば「視える」人と。
3、無理は禁物。
4、地元住民に迷惑をかけない。
5、お守り&お祓いは無用!
6、バイカーと仲間になれ。

「心霊スポットはいざ行ってみると、何にもない場所が多いんです。ただのトンネルだったり、廃屋だったり。そこに一人で立っていると哀しくなること必至(笑)。気の合う友達とわいわい出かけるのがいいですね。霊感のある人をメンバーに加えた方が、盛りあがるのでなお良し」

 目的地は人里離れた場所にあることも多い。トラブルや事故に気をつけ、マイペースで向かうことが大切だ。吉田さんが出かけるのは撮影の都合もあって、大抵まだ明るいうち。それでも十分楽しめるという。ゴミを捨てない、大声で騒がないなどのマナーは、ツーリストとして必ず身につけておきたい。お守りや数珠、塩などの「護身グッズ」は必要なのだろうか?

「僕は持ちませんし、お祓いも一切受けません。好きで出かけておいて、祟らないで欲しいというのは都合が良すぎると思うんです。祟られてもオッケー、という気持ちで構えていれば、案外大丈夫なものですしね」

 行く先を決めるうえで参考になるのは、心霊スポットを紹介したサイトや本。温泉や神社仏閣関係の情報も有益だそう。さらにマニアックな場所を探求したければ、バイク乗りと仲良くなっておこう。
「バイカーは地元の人しか知らないような、マニアックな情報を持っていることが多い。バイカーを仲間に引き入れておくと、よりディープなスポットを開拓することができますよ」

 さあ、これで準備は整った。日本各地の魔界へいざ出発!

吉田さんが薦めるオカルトスポット7選

1、観光ついでに巡れる「将門怨霊ツアー」(東京都)

 時の朝廷に叛逆し、京都で処刑された平将門は関東一円の守り神として崇拝される一方、怨霊として恐れられてきた。東京都内には、祟りの噂がつきまとう「首塚」をはじめ、「神田明神」「鳥越神社」「兜神社」と将門ゆかりのスポットが点在。

「どのスポットも新宿や浅草、皇居などの観光地に近いのでアクセスしやすい。東京旅行のついでに足を伸ばせるコースなので、ビギナーにはぴったりです」

東京都千代田区のオフィス街にひっそりたたずむ「首塚」(写真提供=吉田悠軌・以下同)

2、オカルトのフルコース「六甲山」(兵庫県)

 関西有数のレジャースポットとして知られる兵庫県の六甲山は、世にも珍しいオカルト密集エリアでもある。

「有名な都市伝説『メリーさんの館』の舞台ですし、不気味な妖怪『牛女』の噂もある。最近ではUFO多発地帯としても注目されていて、スカイフィッシュを捕まえたという方までいます。幽霊、妖怪、UFO、UMAがぎゅっと集まった魅惑のスポットです!」

六甲山一帯は関西随一のミステリーゾーンだ

3、両眼のない老人が現われる!?「白岩集落」(埼玉県)

白岩集落は石灰工場(現在も稼働中)のそばにあるゴーストタウン。東京から比較的アクセスしやすい廃村として、心霊&廃墟マニアに人気だという。吉田さん一行はこの村を訪れ、恐ろしい体験をしたことがある。

「一緒に出かけたメンバー全員が、同じ夜に『両眼のないおじいさんに出会う』という悪夢にうなされているんです。僕ともう一人はたまたま徹夜していて無事でしたが……」

 最近では風化が進み、建物も倒壊しつつあるとのこと。今行っておくべきオカルトスポットだ。

白岩集落には朽ちかけた民家が並ぶ

4、迫りくる情緒と恐怖「夜の吉原」(東京都)

 江戸時代の一大歓楽街・吉原遊郭。関東大震災や東京大空襲の際、多くの女性たちが命を落とした場所としても記憶されている。

「霊感のある方に、東京で一番怖い場所を尋ねたら、『深夜の吉原』と即答されました。歴史に思いを馳せながら、少人数で静かに歩くのがおすすめ。怖さと同時に、しっとりした情緒を味わえる場所です」

地元に縁の深い吉原神社も訪れたい

5、盛りだくさん過ぎる!「青森心霊ツアー」(青森県)

 青森県はオカルト好きなら一度は訪れておきたい聖地。霊場「恐山」、奇怪な由来をもつ「キリストの墓」、ネット怪談の舞台となった「杉沢村」、人形婚の風習で知られる「川倉賽の河原」など、ディープな味わいの場所が無数に存在。2泊3日くらいの旅程でじっくり巡りたい。

「特におすすめなのが『川倉賽の河原』。人形がずらっと並んだ水子供養堂は、一度見たら忘れられないほどのインパクト。ずらっと並んだ鳥居や、海岸で朽ちた鳥居がSFっぽい高山稲荷もいいですね」

無数の地蔵が並ぶ「川倉賽の河原」

6、怪談ファン必訪「椿堂」(大分県)

「本堂からキューティクルの抜けきった黒髪が大量にぶら下がっていたり、ギプスや松葉杖が奉納されていたりと、かなりスゴいお寺です。しかもご住職は怪談がお好きらしく、心霊体験に遭った檀家さんにインタビューし、ビデオまで回しているんですよ(笑)。運がよければご住職の生の怪談も聞かせてもらえるかもしれません」

 別府温泉に出かけた際には、ぜひ立ち寄りたいスポットだ。

天井から垂れ下がる髪の毛はインパクト満点

7、妖怪マニアの新聖地「大歩危峡」(徳島県)

 水木しげるのマンガにも登場する妖怪「児啼爺(こなきじじい)」の里として近年、脚光を浴びている徳島県の大歩危峡。ほかにもヒダルガミ、ウブメなどの木像が設置され、「妖怪まつり」が開催されている。

「伝わる妖怪の伝説がやけにリアルで、本当にこんな事件があったんじゃないか、と想像してしまう。妖怪好きなら訪れて損はありません。アクセスはやや悪いですが、川遊びもできるので、家族で行っても楽しめると思います」

水木しげる作品でおなじみ児啼爺の像

 いかがだっただろうか? 吉田氏の『ホラースポット探訪ナビ』には、上記以外にも160カ所以上もの怪しい場所がカラー写真つきで紹介されている。それぞれの興味やテンションを鑑みつつ(同行者の理解も大事!)、オカルトツーリズムを楽しんでみよう。

取材・文=朝宮運河

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