ジャンプ作品スピンオフとオリジナル小説で注目度急上昇!「JUMP j BOOKS」

更新日:2015/5/7

   

「ジャンプ×小説のBOOKSが織り成す∞のエンタテインメント!」を謳う集英社のJUMP j BOOKSは、これまでに数多くのジャンプ連載作品のノベライズやオリジナル小説を刊行してきたライトノベル系の新書レーベル。近年では、「喰種(グール)」の知られざる過去を描く『東京喰種[昔日]』、本編の後日談『NARUTO-ナルト-』秘伝シリーズ、すでに第5作まで刊行されている『ハイキュー!! ショーセツバン!!』など、マンガ本編で語られなかったエピソードや脇役にスポットを当てたストーリーを展開するスピンオフ作品を次々と刊行している。

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そんな原作マンガファンなら読まずにはいられないスピンオフ作品はもちろんだが、JUMP j BOOKSのオリジナル小説にも要注目だ。「これぞ王道」という少年マンガを数多く生み出してきた実績がある“ジャンプ”の冠がついているだけあって、オリジナルの小説だってクオリティの高さは折り紙つき。今月1日に第2巻が発売された、維羽裕介の『スクールポーカーウォーズ』も読めばハマること間違いなしの面白さを堪能できる“知的エンタメ青春小説”だ。

作品の題材となるのは、世界標準ルールのポーカーゲーム“テキサス・ホールデム”。舞台は、10年前に起きたある事件をきっかけにこのテキサス・ホールデムが大流行中の明浜市立東本郷中学校だ。主人公の浦原甚助は学校の頂点に君臨する明浜撲克倶楽部との勝負を直前に逃げ出したことから学校一の嫌われ者だ。そんな彼を転校生の少女・江頭妙子がチームプレイヤーとしてスカウトする。浦原はどうしても明浜撲克倶楽部を倒したい理由がある彼女と共に戦う仲間を集め、王者打倒に向けて動き出す。


スクールポーカーウォーズ
『スクールポーカーウォーズ』の初期設定画。


スクールポーカーウォーズ
修正設定画。体型や髪型に手が加えられ、新しいキャラクターも。


スクールポーカーウォーズ
完成画。キャラクターの作り込みに徹底してこだわっている。


テキサス・ホールデムというあまり日本には馴染みのないポーカーのことをよく知らなくても、テンポよく読みやすい文章によって作品の世界に引き込まれ、いつしかルールや戦略も理解できるようになっていく。他に例を見ないテキサス・ホールデムという題材に加え、仲間を集めて最強の敵に挑むという王道のストーリー展開、熱い頭脳戦や心理戦が繰り広げられるプレイ場面のスリル、そして、学校一の嫌われ者の主人公、強気な転校生ヒロイン、ポーカー未経験のデータ主義者、素行の悪い不良、違法電脳カジノプレイヤーなど、個性豊かに作り込まれたキャラクターの魅力。『スクールポーカーウォーズ』はそんなエンタテインメントに必要な要素がしっかり揃った小説になっている。

JUMP j BOOKSでは、この“王道の面白さ”が味わえるオリジナル小説をウェブでも数多く連載し、無料で公開。さらにジャンプ小説新人賞、ジャンプホラー小説大賞という2つの新人賞を主催して新人作家の発掘にも力を入れている。ジャンプ連載マンガのスピンオフはもちろん、どんな新たな才能を世に送り出すのか、JUMP j BOOKSの今後に期待が高まる。

文=橋富政彦