【ダ・ヴィンチ2015年6月号】夢の朝井リョウ特集 特集番外編

特集番外編2

2015/5/7

【ダ・ヴィンチ2015年6月号】夢の朝井リョウ特集 特集番外編

編集μ

ダ・ヴィンチ2015年6月号の第二特集は、『武道館』刊行を記念した朝井リョウさんの特集でした! みなさんもうご覧いただけましたか? まだの方はぜひお手にとってみてくださいね! 私にとっては夢の特集でした。

 突然の告白ですが、私は朝井リョウさんが大好きです。好きすぎて自分キモい……と思うくらいです。作品の素晴らしさに年齢は関係ないですが、まだ若いのに、こんなにも人生の細やかなところを容赦なく抉り出してくる作家が居るだろうか、と、作品を読むたびに打ちのめされます。『スペードの3』のプラチナ本原稿でも書きましたが、アサイ、おそろしい子!です。いつかダ・ヴィンチで特集を……と息巻いておりました。

 そんな朝井さんが新刊を準備中らしい、しかもタイトルは『武道館』、本人が以前から好きだと公言している「アイドル」を題材にした、相当気合の入った作品らしい……という情報をキャッチしたのが約半年前(なんのことはない、ご本人のツイッターを見ただけですが)。具体的な刊行予定をお尋ねし、特集企画を編集部で通し(注:好きな相手なら誰でも特集ができる訳ではありません)、ご本人と『武道館』出版元の担当編集さん&宣伝ご担当者さんを交えて打ち合わせして企画を考え、各所にご依頼を差し上げ、取材や撮影の手配をし……と、あっという間に時は流れて完成しました。感無量です。涙が出ます。

 

 朝井さん、関わってくださったみなさんに多大なるご協力をいただいたおかげさまで、手前味噌ですが充実の特集になったと思います。誌面を読んでくださったかたが楽しんでくださり、また、朝井さんの作品を読んでみようかな、すでに読んでいるかたでしたら、新しい作品も手にとってみようかな、と思ってくださったら何よりです。気に入ってくださったら、ぜひ周りのかたにも薦めてください。一人ひとりの草の根の口コミが何よりの力です。

 

 ひとつずつ企画の振り返り(裏話)をさせてください。

 
●特集扉

 かっこよく朝井さんを撮りたい!しかも『武道館』っぽい写真にしたい!と、写真家のGENKIさんにお願いしました。GENKIさんを紹介してくださったのは、特集誌面のデザインを担当してくれたデザイナー・渋井史生さん。渋井さんは、朝井さんが手書きの超ナイスな手紙をご寄稿された『久保ミツロウと能町みね子がオールナイトニッポンやってみた』のブックデザインも手がけていて、朝井さんの面白さ(と字の綺麗さ)にはかねてから注目していらしたそうです。

 さて、撮影当日、雨の予報だったのが、見事に晴れになりました。朝井さんの「もってる」度合いをひしひしと実感。しかし季節は花見シーズン。朝ならあまり人が居ないだろうという予想を大きく裏切って人だらけでしたが、そこはGENKIさんのロケハン力で、『武道館』っぽさは損なわず、人混みは巧みに避けた、バッチリの写真を撮っていただくことができました! この日撮影した写真は、扉のほかインタビューページでも使われています。

●高橋みなみさん(AKB48)との対談

「アイドル」が題材である『武道館』。特集の目玉として、どなたか実際のアイドルのかたと対談をしてほしい、と企画しました。そこで朝井さんからお名前が出たのが、AKB48の高橋みなみさん。いや~これはドリームでしょう……と思いつつご依頼を差し上げたらなんとOK! ご依頼状に添えた朝井さんからのメッセージが効いたのでしょうか。コンサートやソロライブ企画などの直前で本当にお忙しいときだったにもかかわらず、お時間をいただくことができました。

 そして、事前に『武道館』を読んできてほしい、とお願いしたものの、お忙しいしご依頼から対談日まであまり期間もなかったから一部分だけのお目通しになってしまうかな、と、ちょっと思っていました(すみません)。しかし当日!!高橋さんは全体をしっかり読み込み、印象深かったところに線を引き、ページに折り目をつけ……、と、熟読してきてくださったんです!! 対談中も、心に残ったシーンやフレーズなどを色々挙げてくださり、感想と、ご自身のアイドルとしてのこれまでこれからを絡めて、お話しくださいました。素晴らしい時間でした。最後のほうは、掲載用の内容は十分ですよね?と確認したうえで朝井さんが作家としての立場を離れ(笑)、ただのアイドルファンとしてのトークを展開していたのも印象的でした。

 正直あまり活字の本を読むほうではないとおっしゃっていた高橋さんですが、『武道館』はすごく響いて一気に読んだとのこと。作中のとあるフレーズは、高橋さんご自身の血肉になったようです。その様子も記事では触れていますので、ぜひチェックを! 私はネットニュースでリアルタイムで知って感動しておりました。

 写真も、ダ・ヴィンチではなかなか珍しい感じの表情を掲載できた気がします(2見開き目の高橋さん写真)。誌面をぜひご覧ください。それにしても本当に可愛かった……。惜しくも使わなかったのですが、立って並んでいただいた写真の撮影時は、高橋さんは身長が低い(148cm)ので台に乗っていただいて、その様子も可愛かったです~メロメロです。私も小柄でほぼ同じくらいの背丈なのですが、人種が違うと思いました。高橋さんは天使のようでした。外見だけでなく中身もとてもクレバーかつ愛らしく素敵なかたでしたので、ますます応援しようと思います! 総選挙もあるし!

●石田衣良さん、柚木麻子さんとの座談会

 アイドル好き作家を集めた座談会をやりたい!と企画、ポイントはどなたにお願いするか、です。柚木さんと朝井さんは、これまで何度もトークショーなどを行われているゴールデンコンビ。定番のお顔ぶれとはなりますが、ダ・ヴィンチでは実はご一緒いただいたことはなかったので、朝井さんの特集なら絶対に外せない!と考えました。そして、まさか!の石田衣良さん。アイドルに最近はまっていらっしゃる、しかも朝井さん柚木さんが共通して愛する「ハロプロ」に、という噂を聞きつけ、これもドリーム……と思いつつご依頼を差し上げたらなんとOK! 懐の深さに大感謝です。

 座談会は、朝井さんのリクエストにより、カラオケ店「パセラ」銀座店にて行われました。トークは大変たいへん盛り上がり、名言続出でめちゃんこ楽しかったです。ひとしきりお話いただいたあと、パセラの料理をたんまり注文し(石田さんはその初めて知る美味しさに感激)、カラオケ大会になりました。朝井さんは大学のサークルで鍛えたダンスもノリノリで披露。もちろん、アイドルの振りコピということです。完璧でした。柚木さん朝井さんに熱唱いただいた、出版業界を題材にした某曲の替え歌が頭から離れません。

 しかもこの日の朝井さんは、普通に会社に出勤→夜はこの座談会→深夜はラジオ「オールナイトニッポン0」初回(ここにも密着取材)という鬼スケジュールでした。座談会後に2時間弱、パセラの部屋でおひとりで休んでいただいて居たら、非常ベルが鳴り追い出されるという一幕があったそうです(取材陣はファミレスに移動していたので知らなかった)。本当にお疲れさまでした&ありがとうございました。なお、座談会をテープ起こししたら4万5千字になりました。宝物です。

●ロングインタビュー&全作紹介&ラジオ密着

 ロングインタビューが行われたのは『武道館』出版元の文藝春秋会議室にて。この日は取材日(時間を区切って続々と各社が取材にくる日)で、我々が3社目の取材だったご様子。差し入れの某ポップコーンをすごく喜んでくださって、これ!こんなにポップコーンに味が付いているって凄いと思うんです!と熱弁するご様子に、お疲れなんだな……と思いました。(後日、味付きポップコーンに意識が行く理由が分かったのですが、それは秘密です。)

 たいへん謙虚(?)で、自分の市場価値があるのかわからない、こんな小説は誰にでも書ける、などと本気でおっしゃる朝井さん。ポーズじゃないんですよ、本気なんですよ彼は……。あまりにネガティブなことをおっしゃるパートが続いたので、私が「ぜんぜん(記事に)使えない!」と声を荒らげたタイミングがありすみませんでした。反省しております。大変失礼いたしました。

 さて、朝井さんはこの4月末で、会社を辞めて専業作家になりました。やっぱりハードだから両立がむずかしかったのかな……?と思ったそこのあなた、違いますしっかりと理由があるんです(でも、私もそうなのかな?って最初思いました)。その秘密も、インタビューでちょこっと語ってくださいました。作家の覚悟をぜひお読みくださいませ。

 全作紹介では、既刊に一言ずつコメントをいただきました。本特集は「朝井リョウのいま」なので、「いま」の朝井さんから見ての一言ずつ、です。コメント・インタビューを眺めつつ、あらためて読み返していただけたら&未読の作品を手にとっていただけたらうれしいです。

 そしてカラオケ座談から数時間後のラジオ「オールナイトニッポン0」初回密着。加藤千恵さんとのタッグで毎週金曜深夜27時(土曜3時)からオンエアの番組、初回の事前打ち合わせやジングル収録から密着取材させていただきました。番組のラストで、ライターさんと私の名前もスタッフとして読み上げてくださいました! ただ居ただけのお邪魔虫だったのに……感涙。初回のお忙しいところ、温かくご対応くださって、朝井さん加藤さんスタッフのみなさん本当にありがとうございました! すっごく面白い最高のラジオ番組なので、みなさんぜひ聴いてみてください! ステマっぽくなっていますが本当に面白いです。ニッポン放送(ラジオ、ラジコ)、NOTTVで生放送です!

●つんく♂さんへの手紙&お返事コメント

 朝井さんが敬愛するつんく♂さん。『武道館』が生まれたのは、あるライブで披露された楽曲がきっかけだったそうです。その思いの丈を、便箋9枚にわたって綴った朝井さん。実際につんく♂さんに送られた手紙を全文公開です。本当は手書き便箋の画像をそのまま載せようと思ったのですが、あまりに長すぎて文字が豆粒サイズになってしまうので断念しました。テキストを起こして掲載しています。朝井さんの尋常ではない気持ちの深さを感じ取ってください……!

 そしてつんく♂さんからは、お返事コメントが! すでに発売中の『武道館』帯に一部が使われていますが、全文をダ・ヴィンチにて特別公開です! コメントをご寄稿くださったあと、声帯摘出を公表されたつんく♂さん。その姿勢に多くの人が感銘を受けたのではと思います。ぜひ本誌記事もご覧になってみてください。

 

 大変長い「特集番外編」となってしまいました……。最後なので許してください。というのも、自分のことで恐縮ですが、この春の人事異動で、ダ・ヴィンチ編集部から離れることになり、これがラストの担当特集となってしまいました。内示期間もなく、辞令が出たときはバリバリ特集の取材期間で、まじかよ!となりましたが、ひとまず校了まではしっかり進行させていただき、いまは異動先とダ・ヴィンチ編集部を行ったり来たりで仕事をしています。(ぜんぜん引継ぎがまだ出来ていないことも多く、きちんとお伝えできていない皆様には大変申し訳ございません……。)

 ダ・ヴィンチ編集部には新卒入社後研修を経て配属され、そのまま8年間おりました。ほかの部署に移るのは初めてです。大好きな朝井さんの特集を、最後に担当できてよかったです。『武道館』の刊行いつごろですか?と探りを入れたり、特集の企画内容を相談したりしていたときは異動なんて思いもよらなかったので、本当に驚きで感慨深いです。ぎりぎりのタイミングでの担当、神さまっているんだなー、みたいな気持ちです。(完全に余談ですが、『むすめと!ソラリーマン』と『吉野北高校図書委員会』コミック1巻もぎりぎり担当できてよかったです……。これらもよろしくね!)

 しかし私にはさらなる夢があります。それは「朝井リョウ特集」を、第一特集として40ページ規模で展開すること(今回は第二特集、扉を含めて15ページでした)。舞い戻ってきて、もしくは後ろで糸を引いて絶対に実現させますので、楽しみにお待ちください!

 

 編集μこと岩橋真実でした。これまでありがとうございました! またどこかでお会いしましょう。

 

追伸:今号では、『武道館』発売記念朝井リョウ特集との「勝手にコラボ企画」もあります。

 まずは、「乃木坂活字部!」担当は別の者ですが、私も取材に同行させていただき書記もやらせていただきました! 乃木坂46のみなさんの『武道館』の感想の数々、感動しました~。とくに、主人公のアイドルの子が幼馴染の男の子と一緒に下校するシーンがあるのですが、そこについて「アイドルなんだから駄目だよ!」と思ってしまった、そういう思いを抱いてしまった自分が嫌だった、という実感のこもった言葉が印象的でした。乃木坂のどなたの感想かは本誌でチェックを!

 あともうひとつ、個人的にコラボさせたのが、今日マチ子さんの「百人一首ノート」。「アイドル」をテーマにした原稿を掲載しました! これはこっそり、まさに「勝手にコラボ」です!