【ダ・ヴィンチ2015年6月号】TEAM NACS総力特集 

特集番外編1

更新日:2015/5/13

【ダ・ヴィンチ2015年6月号】TEAM NACS総力特集 

TEAM NACS総力特集

編集M井

『ダ・ヴィンチ』TEAM NACS総力特集号、本日発売です!
弊誌、3年ぶりのNACS特集になります。

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 読者の皆様はまず、表紙を見て驚かれたのではないでしょうか。
そうです……雪が降っております。5月発売号の表紙にも関わらず、雪でございます……!
 表紙の撮影は、3月末日に北海道庁で行いました(職員の皆さまには、多大なるご協力を頂きました。ありがとうございました)。
 前日までカラカラに札幌は晴れていたらしいのですが、撮影当日ホテルの窓を開けると一面雪世界――。
 ちなみに、私は大泉洋さん著『大泉エッセイ』の担当編集者でもあります。ですので、特集内「NACSあるある!」(P42参照)にもありますように、大泉さんが巻き起こす「天気大荒れ伝説」を幾度か過去にも、目の当りにしておりました。
 そのためか、特に動じることもなく「ま、いいか。(北海道出身の)NACSということで……」などと思いながら、ご機嫌に道庁へと向かい、ロケハンを行っていると、NACSのメンバーがご到着。
 控室でぼんやりと雪を見つめながら、「5月発売号で雪かぁ」とつぶやく私に、メンバーの皆様は5月仕様の衣装を身にまといながら(おかげで撮影時には大変寒かった)、私に向かって「いいか、もう振り切れ!」と、東京からやって来た編集者を、励ましてくださいました(笑)。
 表紙撮影も無事(?)終わり、編集部へ直行し、編集長に「雪が降ってました」とお気楽に報告。すると、「建物の中で撮るという選択肢はなかったのか!」とお叱りを受けたのでありました……。

 さて、個人的なことで恐縮でございますが、私はTEAM NACSのメンバーの皆様とお仕事させていただき始めてから、気付けば約8年もの歳月が経っておりました。2004年、東京での初公演『LOOSER~』で初めてNACSを知り、舞台上で輝くメンバーもさながら、拍手が鳴りやまないお客様の温かさに一瞬で虜になり、それ以来、ずっと彼らをストーカーのごとく追いかけ続けて参りました。
 そしてその間、彼らにも、彼らのファンの皆様にも、たくさんお世話になり続けてきました。
 ですので、今回の特集を担当するにあたり、8年分のありったけの思いを詰めようと、心に決めておりました。故に、気付けば40ページものページを割いて大型特集と化しておりました……。
 今回の特集企画ですが、半年以上も前に、いつもいつもお世話になっているマネージャーさんから、『悪童』のお話を伺って、即座に決めたものでした。

<第15回TEAM NACSの公演は、演出にマギーさん、脚本に古沢良太さんで、完全外部脚本演出で行う>

 それをマネージャーさんからお聞きしたとき、「まじですか!?」と、私は思わず声に出してしまいました。
 TEAM NACSはこれまで、芝居作りをリーダーの森崎博之さんを中心に、メンバー間で行ってきました。まさにそれこそが「NACSの舞台」という印象が、強くありました。
 そして、何よりTEAM NACSのファンの皆様はとても熱く、温かい応援をされている方が多い。次の公演でもファンの皆様は、NACSが紡ぐあの独特の温かい空気感、それを期待しているところが大きいのではないか、と思っていたからです。
 しかし、反面これまで彼らを追い続けた編集としては、お話を伺いながら様々な思いが交錯しつつも、演出・マギーさん、脚本・古沢良太さん、そのお二方が魅せる新たな「TEAM NACS」、その期待に、とてつもなく胸が躍ってもおりました。

「何かを続ける」ということは難しいものです。「ものづくり」が、絡めば絡むほどに。
 メンバーそれぞれが個々で活躍するTEAM NACSというユニットは、各公演ごとにそれぞれ葛藤がありました。この8年間、芝居作りに奔走する彼らの姿に胸を打たれつつ、避けられない衝突の場面も、私自身何度も見てきました。
 今後もずっと「NACSを続ける」ために、今、ここで新境地へ踏み出す決断は、彼らにとって、もしかしたら必要なことなのかもしれない……。
 であれば、
「なぜ今、外部演出、脚本の『悪童』なのか? それをきちんとファンの皆さまに紙面で伝えたいんです」。
そう、マネージャーさんに相談し、企画書を制作しました。

 インタビュー取材では5人それぞれ、胸中を明かしていただけるよう、長時間の取材時間をいただきました。NACSの舞台は、今では3年に一回のペースで公演が行われていますが、5人それぞれが、その3年という期間に多彩に活躍の場を広げている。
 ならば、彼らには、次回の公演について、NACSについて、それぞれの「考え」や各々の「想い」があるのではないか?
それを、直球で知りたかったからです。
 安田さんは最初「普段から喋らないのに、そんなに長い間話せるかな……(苦笑)」と仰っておりましたが(笑)、気付けばばみっちり3時間、真摯に向き合ってくださいました。
 リーダー・森崎さんのインタビューは個人的にも、とても緊張感がありました。これまで作・演を手掛けてきたリーダーには、たくさん「答えにくい」であろうことを質問しようと決めていたからです。そんな不躾な質問にも、リーダーは一つ一つの言葉をかみしめるように、答えてくださいました。
 大泉さんからは、「M井のやりたいことはわかっているよ」と、深夜にメールを頂戴し、相変わらず気遣いと優しさで、企画に寄り添っていただき、胸が熱くなりました。
 インタビュー取材後にはいつも穏やかな音尾さんのイメージが、ガラリと変わりました。ものすごくカッコいい俳優がそこにいました。
 戸次さんは、まっすぐ、ストレートに目を見て答えてくださいました。またいつものように「寝てない」編集者を励まして下さっては、元気を頂戴しました。

「誰かを応援すること」
 対象者が誰であれ、そういう「ファン」の皆さんのお姿が、私は大好きです。
 特にTEAM NACSのファンの皆様は、先にも述べましたが、温かくて、彼らとともに喜びを分かち合っているような、そんなファンの方が多いように思います。だから、8年間、私は彼らと同時に、彼らのファンの皆様にも魅了され続けてきました。
 でも、誰かのファンでずっと居続けることは、とても難しいことでもあります。
 けれど私自身、彼らを8年もの間、追いかけ続けてきたことには、「理由」があったんだと、今回の特集で改めて、思い知りました。
 インタビュー取材を経て、もっとTEAM NACSが好きになりました。そして彼らの変化であり、チャレンジである、『悪童』の舞台を拝見することで、もっともっと虜になりそうな予感があります。
 それはきっとファンの皆様も、同じなのではないかと、勝手ながら思っております。ずっと彼らの舞台を見守ってきたファンの皆様が、彼らの葛藤を知り、さらにその先にある新たな挑戦を見られるからこそ、これからも、NACSのファンで居続けられる、そんな予感がたっぷりするのです。またそういう思いが、インタビュー紙面から少しでも届けば、幸いでございます。

 特集ではマギーさん&古沢良太さんによる対談、メンバーの個々の「今」を追った「追跡!TEAM NACS2015」、ファンの皆さまの協力から記事を作った「NACSあるある!」、マンガ家の西炯子さん、小山愛子さんにコミカライズ化してもらったこれまでのNACSの公演、さらに作家・小路幸也さんにNACSをイメージしてご執筆いただいた小説「ベースボールプレイヤー」など、企画満載にお届けしております。
 また累計33万部突破!『大泉エッセイ』文庫化のインタビューも掲載!(大泉さんには文庫版でも大量に書き下ろしご執筆いただきました! ほろりと泣けるエッセイ、と大好評をいただいております。好評発売中!)

 今回記事を手伝っていただいたライターさんが「今回の特集で、更にNACSが好きになりました」と、私に話をしてくださいました。
 さまざまな角度からNACSというユニットを切り取った特集記事になったと思います。
 じっくり、彼らの魅力に浸っていただき、ファンの皆様には、よりNACSを好きになって頂けるのではないか、さらに『悪童』をもっと楽しみにして頂けるのではないか。
それが少しでも届く特集になっていれば、幸いでございます。