あなたが「幸せ」を感じられないのには理由がある 予約1500人待ちの人気コーチが伝える幸せの法則

暮らし

公開日:2015/5/23

 「人はいつからだって、幸せになれます」そう断言するのは、鈴木真奈美さん。たとえいま、苦しい最中にいても、何歳になっても、望む人生を生きるのに、遅すぎるということはない。その一歩はまず、目の前の小さな幸せを感じ取ること……。

 数多くの経営者から成功哲学を学び、そこにコーチングスキルや心理学、ヒーリングの手法を融合させ、独自のセッションを行う鈴木さん。現在、彼女のセッションを待っている人数は約1500人! 主宰するセミナーは毎回抽選になるほど、応募が殺到するという人気ぶり。 この度、より多くの人へ彼女のメッセージを伝えるべく、新刊『「私に生まれてきてよかった」と心から思える本』(KADOKAWA)を上梓。

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 人生に寄りそう「お守り本」のような存在で、9割の読者が涙したという。全国から、感動の声が続々と届き、度々の重版も。短く本質を突くメーセージと、そのメッセージを増幅させるような温かみのある写真で構成されている。人生のあらゆるステージの人に読んでほしい。

他人の基準で生きるのではなく、自分の幸せを探そう

 その人の魅力や才能を引き出し、自分らしく生きるお手伝いをしているという、鈴木さん。悩み多き我々が幸せになるには、どうしたらいいのだろうか。

「人は何かを達成しないと幸せになれないということはありません。幸せになるために、必要なものは、実は、既にすべてもっているのです。本当にそのままのあなたでいいのです。あなたが生きていることそれ自体が、だれかに良い影響を与えています」(鈴木さん、以下同)

 昨年大流行した「ありのままで」というフレーズ。まさにこれこそ究極の幸せだという。だが、就活に苦戦したり、仕事の業績があがらなかったり、育児に苦戦したり……。なかなか、幸せを感じ取れない。

「幸せを評価する軸はふたつあると思います。一つは“他人軸”。「他人」が基準。人からどう思われるか、認めてもらえるかばかりを気にし、人の評価や賞賛で自分の価値を決めます。もう一つは“自分軸”。あなたがやりたいこと、心地よいことを基準に行動します。人の幸せはそれぞれ。どんなに社会的に成功してもそれが、あなたにとっての幸せとは限らないのです。周りに振り回されず、自分軸で、あなたらしい幸せの形を見つけていくことです。」

どん底に思えるときですら、だれかに、なにかをしてあげる力が、あなたにはあるのです
(p83より)

永遠に続くラットレースから抜けだせたのは?

 そもそも、鈴木さんがいまの仕事に携わるようになったのは、一流と呼ばれる企業に就職し数年たったころだ。

「私は(いわゆる)良い大学に行き、良い会社に就職すれば幸せになれると思っていたのです。けれど、それはいつまで経っても終わりのない競争を続けているような日々。周りからの評価に一喜一憂してしまったり。どうしたら幸せになれるだろう、と模索し始めました」

 海外の様々なセミナーに通ったり、古今東西の本を読みあさった。もがきつづけること数年。その間に、経営や歴史、宇宙物理学など、年間5〜600冊の本を読破。そしていまの境地に到る。

「哲学も歴史に名を残す政治家も、大成功した経営者も、科学者もトップアスリートも、突き詰めると同じような原理原則に則っていることに気づきました。表現や切り口は違うけれども、幸せにも原理原則があるのです」

 そのために必要なひとつが、「自分軸」で生きることであり、また自分の「使命」に気がつくことという。

「世の中をジグソーパズルに例えると、人はパズルのピースのようなもの。それぞれにぴったりと当てはまる場所があります。そして、自分の“使命”を生きると、幸せや喜びにあふれていくのです。仕事は、必ずしもあなたの使命ではありません。仕事は、あなたの使命を表現する「手段」のひとつです。また“使命”は特別なものではなく、誰もがもって生まれてきています。もし、いまが辛いと思うなら、それは“別の居場所がある”とのサインなのです」

たとえ、だれが無理と言っても、あなたが本当に望むことなら、あきらめないで
安全で無難な人生が幸せとは限りません
(p106より)

ポジティブとネガティブはセットでやってくる

 多くの人が悩むのは、本来の居場所や使命に気づかず、人目を気にし、自分らしさを抑えているからだという。本来の魅力や才能、そして使命を引き出すのが、鈴木さんのワークショップだという。

 そう語る鈴木さん自身も、過去のつらい体験が、今に大きな影響を及ぼしている。

「私は中学生の頃、いじめられたことがありました。でもだからこそ勉強を頑張ってみようと思えました。そして、そんな中、味方になってくれる友人がいる温かさも感じることができました。あのような経験があったからこそ、いまは人に寄り添うような仕事にたどり着いたのだと思います。ネガティブなことと、ポジティブなことはいつもセットです。たとえその時は意味が分からなくても、長い目で見ると、いまあなたに起きていることは、結局すべて、幸せに通じているのです」

 つまずいたときこそチャンス。なぜあなたが苦しいのか、広い視野で考えてみよう。分からない場合は、一人で抱え込まず、周りに助けを求めるのも解決への糸口だという。

コンプレックスは、受け入れることで、魅力に変わります
(p33より)

いまある幸せをかみしめよう

 だが、あまりに知識ばかりを集めたり、外へ外へと幸せを求めすぎることは、オススメできない。

「あまり頭で考えすぎないことです。自分に湧き起こる感情を大切に。「イライラ」や「悲しみ」というネガティブな感情を抑えてしまうと、幸せを感じ取る力も鈍ってきます。幸せとは“ワクワク”するようなものだけではありません。“日常”にも“ささやかな喜び”が隠れています。“自分軸”の幸せが見つからない人は、まずこのささやかな喜びを感じ取ることから始めてみるのもいいと思います」

 例えば、紅茶が好きな人は、毎日紅茶をいただくとき、じっくり味わってみる。キャンドルが好きなら、入浴時にともし、癒やされてみる。日常生活で「好き」を感じることを積み重ねることが大切だという。

「〝理想のパートナーと結婚したい〟〝もっと収入を増やしたい〟そんな風に、まだ手にしていない幸せを得るために、頑張る人は少なくありません。
ただ思い描いた夢を叶えることで手に入る〝大きな幸せ〟だけでなく、既に手にしている〝小さな幸せ〟も、身近にはたくさんあります。大きい幸せも、小さい幸せも、実は“幸せの粒子”は、どちらも同じなのです。今ある幸せを味わっていると、“幸せの粒子”が大きく濃くなり、感じた分にふさわしい新たな幸せが、自然と集まってくるのです」

 日々の小さな幸せを実感することは、決して妥協ではなく、未来につながる幸せのたねまきなのだそう。

 最後に、鈴木さんは、「この度の新刊は、最初から最後まで通して読むことももちろんですが、お守りのように手元に置いてみてください。気が向いたときにパラパラとめくると、そのときのあなたに必要なメッセージが飛び込んでくると思います。悲しいときも、うれしいときもあなたを応援してくれます」とエールをくれた。

 多くの人と向き合ってきたからこそたどり着いた珠玉のメッセージの数々。心が軽くなる本書を手にとってみてはいかがだろうか。

満たされた「いま」の延長線上に、未来は、自然と広がっていきます
(p47より)

鈴木真奈美(すずきまなみ)
株式会社地球ファミリー代表。
リーダーシップ、コーチング、心理学を融合したアプローチには定評があり、口コミで広がった個人セッションの予約は、1500人待ち。
すべての人に眠っている「使命」や「魅力」を引き出すことをライフワークとしている。
著書に『自分磨きはもう卒業!がんばらずにぐんぐん幸運を引き寄せる方法』『もうまわりに振り回されない!自分史上最高の幸せを呼びこむ方法』(PHP研究所)がある。


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取材・文=武藤徉子