あなたに最適な記憶法も分かる!? 自分の「認知特性」を調べてみよう

ビジネス

2015/5/13

 ひたすら暗記しないといけない英単語、あなたはどうやって覚えるか? ひたすら書く、じっと見る、声に出す、黙読する、線を引く…でもなかなか覚えられないから、効率良く覚えられるといわれる記憶術を試してみたけど全然ダメだった、なんて経験がある人もいるだろう。しかしそれは当然のこと。理由は、人それぞれ「認知特性」が違うからだ。

 認知特性とは、眼や耳から入った情報を理解・整理・記憶・表現する「方法」のことだ。それをテストできるのが、小児発達を専門とする医師が執筆した『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』(本田真美/光文社)だ。本書によるとすべての能力のベースとなるのは感覚であり、その感覚は人それぞれ違うものだという。

 最初の暗記も、見る、書く、音にするなど、記憶する方法が違うことがわかるだろう。認知特性はその人の思考や認知の「好み」であり、「どういうやり方だと自分は物事をやりやすいか?」ということだ。その人が持っている感覚によって変わることは、「皿に載った食べ物を記憶しなさない」という出題を例にするとわかりやすい。画像や映像のように見たまま記憶するのか、「ハムとソーセージと目玉焼きがある」と文字にして認識するのか、頭文字で「ハ・ソ・目」と音に出して覚えるのか、それが「感覚」の違いなのだ。

 本書には最初に35の質問があり、これに答えて点数を集計すると自分の認知特性を知ることができる。ちなみに問題にはこんなものがある。

「フランシスコ・ザビエル」と聞いたとき、何を思い浮かべますか?
A 「フランシスコ・ザビエル」という文字
B なんとなく「フランシスコ・ザビエル」のようなぼやけた人物像
C 教科書に載っていた「フランシスコ・ザビエル」の写真
D おもしろい、あるいは言いづらそうな名前(響き)だな~と思った

子どもの頃好きだった遊びは?
A 歌や「アルプス一万尺」などの手遊び歌
B お人形遊びやヒーローごっこなど、場面を空想しながら遊ぶこと
C カルタやしりとりなどの言葉遊び
D 昆虫採集やキャラクターもの集めなど

 認知特性には「視覚優位者」「言語優位者」「聴覚優位者」の3つの分野があって、各分野に2つ、合計6つの特性がある。その中で一番点数の高いものが自分の「強み」であるわけだ。ちなみに合計点数が14以下ならば弱い認知特性、15~25が一般的で、26以上だと強い認知特性となる。26以上があった人は、その特化した能力を活かすような職業につくと力を発揮でき、また一般的に「頭がいい」とされる人は、2つ以上の強い認知特性を持っている場合が多いそうだ。

 認知特性は、以下6つに分類される(適性の高い職業も付記する)。

【視覚優位者】
写真(カメラアイ)タイプ…写真のように二次元で思考する。写真を撮るように記憶するので、3歳以前の記憶があったり、アニメの脇役の顔も上手に描けたりする。写真家、画家、デザイナーなど。

三次元映像タイプ…空間や時間軸を使って三次元で考える。映像として記憶するので、人の顔を覚えるのが得意で、マンションの間取り図だけで部屋を立体的に感じられたりする。建築家、パイロット、外科医、機械技術職、舞台制作者やテレビカメラマンなど。

【言語優位者】
言語映像タイプ…文字や文章を映像化してから思考する。他人の何気ないひと言から鮮明なイメージを抱くこともあり、比喩表現なども得意。コピーライター、絵本作家、雑誌編集者、作詞家など。

言語抽象タイプ…文字や文章を図式化してから思考する。初対面の人を名刺の文字で覚え、ノートをわかりやすくまとめるのが上手い。内科系医師、作家、教師、金融関係者、心理学者など。

【聴覚優位者】
聴覚言語タイプ…文字や文章を耳から入れる音として情報処理する。難しい話題でも、一度聞くと理解でき、ダジャレや人の言葉尻を捉えるのが上手い。弁護士、教師、落語家、アナウンサー、音を意識できる作詞家など。

聴覚&音タイプ…音色や音階といった音楽的イメージを脳に入力する。音楽を一度聞いただけでメロディを口ずさめたり、モノマネや外国語の発音も上手。ミュージシャンなど。

 ちなみに認知特性は生まれながらにある程度決まっており、それが生活環境の中で伸びていくので、大きく変えるのは難しいという。運動音痴の人がいきなり運動を得意にならないのと同じだ。自分の認知特性は変わらない、ならばその特性を知り、何が得意で何が不得意なのかを把握すると、自分がやりやすい方法を見つけやすくなって、得意分野を伸ばし、苦手なことを効率よく片付けることができるようになるだろう。しかしその感覚は自分にしかわからないものなので、誰かに教えてもらうのではなく、自分で自分の特性を認識しないといけないのだ。

 本書には自分と別のタイプの人とどう接したらいいかや、集中力が途切れるわけ、得意な能力をどう伸ばすべきか、認知特性が勉強のつまづきに関係する場合があること、子どもの認知特性テスト(3歳頃どうだったかを親が回答し、3つのタイプに分けられる)など興味深い項目がたくさんあるので、自分のこと、そして子育てをしている人にも役立つことだろう(もちろん押し付けや考え過ぎは厳禁!)。「なんだかこのやり方、自分に向いてないな~」と悩んでいる人は、自分の認知特性を知ると、今よりもうちょっと人生を楽に過ごせるかもしれない。

文=成田“言語映像タイプ”全(ナリタタモツ)