オンナもこっそり濡れる“電子”官能小説特集 (前編)

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更新日:2013/8/13

活字の濃いエロスは女の“妄想”を掻き立てる

渋谷: 私が共感できる官能小説は、女性の体にどういう変化が起きているのかを丁寧に描いているもの。なぜ彼女がここまで感じているのか、という背景が大事なんですよ。

いしい: そう、男と違って女はプロセスが大事。過程がきちんと描かれていないと感情移入できないですよね。

渋谷: AVは結構そこはしょっちゃうんですよ。でも官能小説はその過程もちゃんと埋めている。だから私は活字のほうが濡れます。より深く妄想できるから。

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犬山: 男より女のほうが妄想力って激しいですよね。男は視覚だけで興奮できるけど、女子は妄想大事じゃないですか?

mimi: オナニーネタとして悶々できるのは絶対に活字。男の妄想って「おっぱいデカい」とか直接的なんですよ。だからAVを早送りする(笑)。でも女のフェチはスーツとかメガネとか間接的だったりするから、そのぶん妄想も深まる気がする。

犬山: 最近はエッチマンガの電子書籍も多いですけど、小説のほうが描写が濃いからお得感がありますよね。あと、エロいことはエロいんですけど、実は笑える描写もいっぱいある。女性器を「豆が弾ける」とか表現してるのを読んで、「ポップコーンかっ!」って突っ込んじゃいましたから(笑)。思わずツイッターで呟きたくなる、変な言い回しが多い!

いしい: ネタ目線で読んでも面白いですよ。最近はそんな凝った言い回しをする作家はほとんどいなくて、普通に「ペニス」とか書きますね。女性作家の藍川京は女性器表現に「肉饅頭」をひたすら使いますけど(笑)。

mimi: 知り合いの女王様は、官能小説を読んでプレイのときの攻め言葉を勉強してましたよ。「このパターンになったらこういう言葉で攻める!」とか。すごい勉強になるみたい(笑)。

 

 

『女医』
藍川 京/幻冬舎アウトロー文庫(幻冬舎)
成績優秀で医学部を卒業した美貌の新人女医・朝比奈春華。彼女が勤める宇津木医院は充実した施設と診療で「理想のクリニック」と評判だった。が、裏では高級ホテル並みの豪奢な特別室で院長と昵懇の地元有力者たちが検査入院と称し看護婦や新人女医を奴隷調教に来ていた―。院長の姦計で、春華は可憐な菊のすぼまりから人工栄養を注入される…。
mimi
昼は金属加工メーカーの社長、裏ではゆるーいS女様として活動中。本を作って出版できるサイト「BCCKS」『ハサマレル男達』など3作品を発表、またブログ『ツヨイオンナ』ではオフ会の活動状況を紹介。またサイト『イキガオ』も運営中。

『ララピポ』
奥田英朗/幻冬舎文庫(幻冬舎)
「ひたすら自慰・自慰・自慰シーンが続くのにめっちゃ面白い! いわゆる“底辺”の人たちが泣いたり叫んだりする話なんだけど、彼らのセックスってなぜかすご~くエロいんですよね。厳密には官能小説じゃないけど、エロの世界にライトに入っていける1冊です」