ジブリ美術館の新企画は宮崎監督自身が担当!「幽霊塔へようこそ展」開催決定

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公開日:2015/5/28

  • 幽霊塔へようこそ

    (C)Nibariki (C)Museo d’Arte Ghibli

 東京都三鷹市にある「三鷹の森ジブリ美術館」(日時指定の予約制)は、どの時期に行っても大人も子供も楽しめる仕掛けが盛り沢山だ。その三鷹の森ジブリ美術館で新たな企画展示「幽霊塔へようこそ展」が催される。

 夏の時期にピッタリ合いそうな今回の展示では、江戸川乱歩の長編小説『幽霊塔』を取り上げる。この小説は、英国の作家A・M・ウィリアムスンが1898年に発表した小説『灰色の女』を、翌1899年に黒岩涙香が翻案し、新聞連載小説『幽霊塔』として発表。その38年後の昭和12年(1937年)に、江戸川乱歩が乱歩流の変化を加え書き改めたものである。

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 宮崎駿監督は中学生の時にこの小説を読み、主人公たちの織りなすロマンスや、お話の重要な舞台である時計塔の歯車やその機構に憧れ、深く記憶に刻まれたそうだ。長じてアニメーション作品を作るようになり、劇場長編作品として初監督した映画「ルパン三世 カリオストロの城」では、「自分なりに考えた時計塔やロマンスを盛り込んで作品を作った」と話す。

 今展示の企画・構成は宮崎駿監督自身が担当。改めて『幽霊塔』を60年ぶりに読み直して、「この小説は通俗文化の王道をゆくものである」と思い至った。展示では、その理由を自身の描き下ろし漫画にて解説している。さらに、館内中央ホールには、宮崎駿監督デザインによる大きな「時計塔」が出現。その中の螺旋階段を昇り展示室へ向うと、宝物が隠された地下迷宮を思わせる迷路が、子供たちを待ち受けている。そして迷路を抜けると、映画「ルパン三世 カリオストロの城」のジオラマが登場し、その舞台の構造についても紹介してくれるという仕掛けだ。物語の舞台としての“時計塔”を読み解きながら、怪奇大ロマンの世界を楽しもう。

展示期間:2015年5月30日(土)~ 2016年5月(予定)
主催:(公財)徳間記念アニメーション文化財団
特別協力:スタジオジブリ

 なお三鷹の森ジブリ美術館では、2001年の開館以来、安全で快適な空間を楽しめるよう、日時指定の事前予約制を採用。入場チケットについては、全都道府県に店舗、チケット販売網を持っているコンビニエンスストアのローソンの協力を得て、毎月10日から翌月分のチケットを日付、入場時間別に発売している。

 しかし、チケット購入希望が集中する夏休みは、「希望するチケットがなかなか購入できない」という声が多く出てしまう。さらに2014年には、ネットオークション等での転売目的でチケットが購入されている事例も多く目にするようになってしまった。

 そこで、できるだけ多くの来館希望者に、より公平に購入の機会を提供するべく、2015年の夏休みシーズンシーズン7・8月分に限り、初めて先行抽選販売を実施することになった。

⇒先行抽選販売について詳しくは「三鷹の森ジブリ美術館」ページへ

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