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第5回「秀逸なシステム」/森田哲矢(さらば青春の光)連載

森田哲矢(さらば青春の光)「煙だけでいい…… あとはオレが火を起こす!」

 「デスク!スクープです!」
 そう言って底辺の記者が僕のところに駆け込んで来たのはすっかり春の陽気が広がり始めた4月初旬のことでした。
「げ、芸能界デリヘル、芸能界デリヘルはやはり存在します!」汗だくで慌てふためく記者を横目に、私は大物演歌歌手のバイセクシャル疑惑というゴシップの記事を書く手を止め、窓際まで歩いて行き空を見つめ「とうとうこのゴシップを扱う時が来たか」と、心の中で呟いた。

 

 と、まるで東野圭吾の小説のプロローグのような出だしで始めてみた今回のコラム。
 そう、今回はこの業界でまことしやかに囁かれている芸能界デリヘルの実態について書かせていただこうと思います。このコラムも5回目にしてとうとう最初の山場を迎えたなと、身が引き締まる思いでございます。
 さて、実際そんなものが本当に存在するのか否か。答えはこのコラムを愛読していただいている皆さんならもうお分かりですよね? そう、存在するでええやん。芸能界デリヘルという煙が上がった時点でもうほぼほぼ確定なのです。そこに疑う余地など微塵もないのです。
 しかしながらその記者がそれほどまでに血相を変えて駆け込んで来たのだからある程度有力な裏が取れたということ。
 ではどういう裏が取れたかというと、その記者はとあるそれはそれはお金持ちであろう人達が集まる宴会に、余興の仕事で行ったそうです。余興は思いのほか大爆笑で幕を閉じ、終わってからもその方々に「お前も飲んでいけ」と言われ飲みながら場を盛り上げていると、一人の社長風の男が近づいてきて「お前おもろいからお前だけに特別に見せたるわ」と、なにやら表のような紙を出してきたらしいのです。「何やろ?」と思いながら記者が見るとそこには誰もが聞いたことのある女性タレント、女優、アイドルの名前がびっしり書かれていて、その横には恐らく値段なるものがこれまた上から高い順に並んでいる。記者は突然の出来事に頭の中が真っ白になりながらも「これ全部憶えるのは無理や。だからせめて一番上と一番下の名前と値段だけは憶えて帰ろう」と思い、動揺する気持ちをなんとか抑え憶えて帰ったそうです。
「オレがその場におったらもっと憶えるのに!」というなんともやり切れない思いを噛み締めながら僕はその記者の話を聞いていました。
 タレントや女優が売れるまでにするのが枕営業。そしてその人達が売れてからするのが芸能界デリヘル。売れてても売れてなくても常にパンツを脱がないといけないのが今の日本の芸能界の現状なのです。誰もが知ってるぐらい売れてる女優でも実際は私たちが思ってるほどは稼いでないと聞きます。そして各事務所の付き合いや戦略。そこでとられた措置が芸能界デリヘル。そしてその記者が命からがら持ち帰ってきた一番上と一番下に書かれていた女性。まず一番下に書かれていた女性は、普通の若者なら誰でも聞いたことがあるグラビアタレント、50万円。これが芸能界デリヘルの最低額。どの立場から言うてんねんですが、これがまた名前を聞いたら唸りたくなるほどの絶妙な値段設定。「んー、月300万稼いでたらちょっとした贅沢でアリかもしれんけど、それでも50万かぁ……んでこの人かぁ……ちょっとだけ考えさして!」な値段設定。
 そして一番上に書かれていた女性は、まあ日本人なら誰でも知ってる大女優で、しかも既に結婚もしているにもかかわらずのえげつない値段。なんと1000万円。誰もが大好きな額、1000万円。やっぱり振込みなんかな? それとも意外に現金で手渡しなんかな? だとしたら数えてるとこめっちゃ見たい。などと色んな妄想が広がります。
「なんて汚い世界だ! そんな金払えるわけないだろ! オレたち民をバカにするのもいい加減にしろ!」と、振り上げた拳を一旦下ろして聞いてください。
 よく考えたらこの1000万円という数字もなかなか絶妙な値段設定なんです。キングオブコントの優勝賞金1000万、ミリオネア全問正解で1000万、身内の生命保険。そう、我々民にもけして手の届かない額ではないんです! めちゃくちゃ面白いコントを考えることができたら超大物女優を抱くことができるんです!
 僕は決めました。毎年キングオブコントの予選のアンケートに『優勝賞金の使い道は?』という項目があります。今年その欄に『芸能界デリヘルで超大物女優を呼ぶ』と必ず書きます。そしてどうか今年のキングオブコントの決勝戦を見逃さないようにしてください。僕らが決勝に進出するかどうかは別として、出場者全員が軽く股間を膨らませながらネタをしてることでしょう。
 しかしながらこの女性芸能人達が書かれているリストは、一部上場企業の社長や、一部の政府要人、年収一億以上稼いでる男性芸能人などにしか配布されていないという噂もあります。だからといって諦めてはいけません。じゃあどうするのか? 今の職場で一生懸命頑張ればいいんです! 頑張って頑張って社長になればいいんです! もしくは会社を立ち上げたらいいんです! 一部上場企業に押し上げたらいいんです! そうすればいつか必ず大女優が抱けるんです!
 我々日本男子の進むべき道を示してくれると共に、日本経済の発展まで担っている芸能界デリヘルというこの秀逸なシステムを誰が否定できると言うのでしょうか?
 将来もし僕にこのリストが配布された時、僕は1000万クラスの大女優を呼びつけ、部屋の扉を開けこう言います。
「チェンジ!」

 

 それぐらいのことを言える男に、僕はなりたい。



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