うつ病予防にも効果あり! 新聞、テレビで話題の“ラジオ体操第3”とは?

スポーツ・科学

2015/6/10

 小学生の頃、夏休みになると、朝近くの公園にラジオ体操しに行ったのってよい思い出ですよね。ラジオ体操には、シンプルな動きで体全体の筋肉や関節をバランスよくほぐせる第1、ダイナミックな動きで筋力を強化、血行を促進し内臓の働きを活性化させる第2と、それぞれ異なる目的があるのも特徴です。

 このラジオ体操に幻の“第3”があるのってご存知ですか?しかもこの“第3”にはうつ病予防にも効果があるんだとか。

 そもそもなぜ「幻」なのか。ラジオ体操の歴史をひも解くと意外なことが分かってきます。

 もともとラジオ体操は米国の生命保険会社が作ったものを参考に、まず第1が作られ、昭和3年にはじめてラジオ放送されました。その後、もっと強い体操が望まれて昭和7年に青壮年向けの第2が放送され、さらに、昭和14年に戦時色の強い世相を反映して、国民体力の向上と国民精神の高揚を目的に第3が放送されました。

 しかし、第二次世界大戦後の昭和21年にGHQの干渉によって軍事色が強いと思われたラジオ体操は第1から第3までがそろって放送中止になってしまいます(GHQは、ラジオ体操の号令で全国の国民が一斉に体操することに危機感を覚えたんだとか)。その後、紆余曲折あり、第1と第2は復活して放送されたものの、なぜか第3だけは復活せずに、そのまま幻となってしまったようです。

 これを70年ぶりに復刻したのが龍谷大学社会学部教授で医学博士の安西将也さん。

 きっかけは自身の研究テーマでもあった「うつ病等こころの健康づくり」について効果的な運動を模索する中で依頼された、滋賀県東近江市の国民健康保険被保険者向け「こころとからだの健康づくり事業」への協力でした。彼らに興味、関心を持ってもらい日常生活に定着することを期待して、ラジオ体操第3を復刻し試験的に実施したところ、参加者から予想以上の大反響、はじめデモ用に作った無料配布DVDの在庫はあっという間になくなり、その後、テレビや新聞で紹介されてからは、全国の市町村、団体、企業からDVDの購入希望が殺到するように。そこで、はじめて『DVD付き 幻のラジオ体操第3』(安西将也/KADOKAWA)として書籍化されることになりました。


ラジオ体操第3の全体像

 ラジオ体操第3の細かい動きなどは本書や付属のDVDに譲るとして、上記の画像でおおまかに説明すると11種類の動作を組み合わせて、第1運動の足踏みから第16運動の足踏みまでで構成されています。第1や第2とくらべるとテンポが速く大ジャンプが入るなど運動強度が高いのだそうで、安西さんによれば3つの特徴があるそうです。


1)急激に心拍数を上げないで徐々に心拍数を上げていること

2)第3運動から第16運動まで110拍/分から150拍/分の間の有酸素運動域の心拍数をキープしていること

3)第12運動あたりから徐々にクールダウンし、身体に負担をかけないように、健康に配慮したプログラム構成になっていること


 

 第3は、体操中の平均心拍数が高いため(第1が100.4拍/分、第2が112.7拍/分、第3が127.7拍/分)、「生活習慣病やうつ病の予防に効果が期待できる運動強度の高い体操」であり、他の運動(1日20分程度の運動を週3回以上)と組み合わせれば、メタボ予防やダイエット効果も望めるんだとか。

 最近、運動不足だなあと感じているそこのあなた。こころとからだを健康にするため、1日のはじめにラジオ体操をはじめてみては?

 

↓『DVD付き 幻のラジオ体操第3』のPVを見る↓