エルトゥールル号事件から125年 トルコを身近に感じる「トルコの風景―ルトゥフィエ・バトゥカンの人形展」開催

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公開日:2015/6/10

  • 布人形

    布人形「メフテル」

 1890年(明治23年)9月、オスマン帝国(一部は現在のトルコ)の軍艦「エルトゥールル」が、現在の和歌山県串本町沖にある紀伊大島の樫野埼東方海上で遭難し、500名以上の犠牲者を出した「エルトゥールル号事件」。同事件は『海の翼』(新人物往来社)というタイトルで小説にもなっているが、この歴史的事件をきっかけに、日本とトルコの間に今も続く友情が生まれた。

 エルトゥールル号遭難の事件は、オスマン帝国国内に大きな衝撃を与えた。新聞で大きく報道されるとともに、遺族への弔慰金が集められた。新聞を通じて、大島村民による救助活動や日本政府の尽力が伝えられ、オスマン帝国の人々は、遠い異国である日本と日本人に対して感謝の念を抱いたという。

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 2015年は、エルトゥールル号事件から125周年を迎える年。そんな記念すべき年に、知っているようで知らないトルコに触れることのできる機会が訪れた。人形作家「ルトゥフィエ・バトゥカン氏」の作品がトルコから日本へとやってきたのだ。

 2015年6月6日(土)から「横浜人形の家」で開催されているのが、企画展「トルコの風景―ルトゥフィエ・バトゥカンの人形展」。本企画展では、トルコの文化や風習、民族衣裳を表現した伝統工芸の「布人形」約120点を展示。さらに、トルコの人形作家であるバトゥカン氏が約半世紀にわたって制作・コレクションした貴重な人形を紹介している。

  • バトゥカン氏

    ルトゥフィエ・バトゥカン氏

 バトゥカン氏は、国際民族衣装人形コンクールで最優秀賞を受賞するなど数々の受賞歴を持つトルコを代表する現代人形作家。クリントン元大統領をはじめ、作品が大勢の国賓に贈られているが、自作の人形に深い愛情を注ぐあまり、寄贈や売却を断ったという逸話もあるという…。さらに、人形作家であると同時に1,000点以上の人形コレクターとしても知られている。

 バトゥカン氏の人形たちを通じて、友好国トルコを身近に感じてみてはいかがだろう。

トルコの風景―ルトゥフィエ・バトゥカンの人形展
期間:2015年6月6日(土)~ 2015年7月20日(月)
時間:9:30~17:00(最終入場16:30)
会場:横浜人形の家 3階企画展示室
入館料:おとな(高校生以上)500円/こども(小・中学生)300円
休館日:毎週月曜日(該当日が祝日の場合は翌日)
主催:横浜人形の家、ユヌス・エムレインスティトゥート
協力:駐日トルコ共和国大使館

<主な作品>
メフテル(オスマン帝国の軍楽隊)/皇帝メフメト2世(難攻不落のイスタンブールを征服)/家族の食卓/羊飼い
⇒「横浜人形の家」公式ホームページ

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