まるでホンモノが顔を出しているよう! リアル過ぎるネコ刺繍シャツがすごい

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/19

シャツのポケットから顔を出し、合わせ目からシッポを覗かせる猫。なにこれ、カワイイ! どうやって写真撮ったんですか? 普通にシャツを吊るして撮影しただけですけど…というか、猫もシャツの一部ですよ。うそっ? まさか…猫版『ど根性ガエル』? 平面ネコがこの世に存在した…!? いえいえ、刺繍ですよ、刺繍。ええっ…これが刺繍? 本物そっくりじゃないですか!!

そんな会話が聞こえてきそうな「ねこシャツ」が、世界中の猫好きたちをざわめかせている。

advertisement

まるで写真のようなリアルな猫の刺繍が施されたシャツは、刺繍作家のhirokoさんの作品だ。世界中にファンを持ち、2年先までオーダーメイドの予約でいっぱいというhirokoさんの「ねこシャツ」の魅力がたっぷり詰まった1冊が『neko shirt ねこ刺繍』(hiroko/双葉社)だ。

hirokoさんが「ねこシャツ」を作り始めたのは2年前のこと。もともと洋裁が好きで、子供服をハンドメイドしたり、シャツに刺繍を入れたりしていたhirokoさんに、ある日、次男くんが「リアルな刺繍をしてみてよ」と言った。猫が大好きな次男くんのために、hirokoさんは猫の刺繍をしてみようと考えた。試行錯誤しながら完成したのは「ポケットから猫が顔を見せている刺繍」が入った「ねこシャツ」だった。

出来上がった刺繍をブログにアップしたところ一晩で世界中に広まり、海外から感想や激励のメールが次々と寄せられた。hirokoさんを服屋さんだと勘違いして「Mサイズを3着」などと、いきなりオーダーして来た人もいたとか。

売り物にするつもりはなかったというhirokoさんだが、「neko shirtの虜となってしまったフィアンセにプレゼントしたい。どうか、作ってもらえませんか」という、外国からのメールに心を動かされ、初めてのオーダーを受けた。

完成した「neko shirt・売り物第1号」はもちろん大好評で、気づけば世界中からオーダーが入り、数カ月待ちになっていた。

それもそのはず。hirokoさんの「ねこシャツ」は、手作業の完全オーダーメイド。注文を受けると、依頼主に体のサイズを測ってもらい、色や形の好みなどを聞いてシャツを作る。次に飼っている猫の画像を送ってもらい、シャツに下絵を描いて手刺繍する。5日~1週間ほどで、シャツの上に猫が生まれる。世界で一着だけの究極の「ねこシャツ」だ。

このように手作業で一着ずつ作られるため時間がかかる。この2年間でhirokoさんが作ったのは約100着ほど。猫以外にも、犬やウサギなどの刺繍シャツも作った。

本書に掲載されている写真を見ればわかるように、どの作品からも飼い主と、hirokoさんの深い愛情が伝わってくる。本書の作成にあたり、世界に100人ほどしかいない幸運な依頼主さんたちは快く画像を提供してくれたという。

hirokoさんは言う。今までお店を維持して来られたのは、お客さんが自分の猫と同じように、「シャツの猫」にも愛情を注いでくれるからだと。「Thank you! It looks so alive and I love it!(ありがとう! まるで生きているみたいだ、とても気に入ったよ!)」の言葉のおかげだと。

それにしても…かわいい! ポケットから顔を出し、手をチョコンとのせる仕草。シャツの合わせ目から飛び出すシッポ。あくび、すまし顔、見上げた目…こんなシャツを着て働けたら、嫌な事があってもがんばれちゃうのになぁ。というか、自分も「ねこシャツ」を作ってもらって、サンキューメールしてみたいにゃ!

neko shirtは年に1度、「Go!Go!5」のサイトにて期間限定でオーダーを受け付けているそうです。どうしてもneko shirtが欲しくなってしまったあなたは、本もサイトも要チェック!

また、本書には「予約を優先で受ける権利プレゼント(5名様)」もあるので、これまた要チェックですよ。

■hirokoさんのブログ「Go!Go!5
■「neko shirt ねこ刺繍」発売記念パネル展 八重洲ブックセンターで開催中!

文=水陶マコト