お父さんを喜ばせるには胃袋を掴め!? サンドラさんとたかぎさんに学ぶ「父の日」の祝い方

コミックエッセイ

公開日:2015/6/20

 明日は、父の日! 母の日よりもどうも影の薄い父の日…。「何も用意していない…」なんて人も多いかもしれません。でも、せっかくなら、お父さんの心に残るお祝いをしたいもの。お父さんに喜んでもらうにはいったいどうしたらいいの? ということで、日本人よりサプライズ上手の外国人はどうお祝いするのか、まずは、『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』や『満員電車は観光地!? ~世界が驚く日本の「日常」~』などの著者で、日独ハーフのサンドラさんに、ドイツのお祝いの仕方を聞いてみました。

 サンドラさんによれば、ドイツでは、父親とお酒を酌み交わすのが、古くからの祝い方とのこと。

「父の日はドイツ語でVatertag。ひと昔前ですとドイツ(特に北ドイツや旧東ドイツの地域)では父の日は、“お酒”を父と息子で飲んでドンちゃん騒ぎをする、という日でもありましたが、最近はちょっと落ち着いてきてます(笑)。最近のドイツの“父の日”というと、ちょっとした贈り物をする事が多いですね。BBQが好きなお父さんだったらBBQセットやグリルセットをプレゼントしたり、ビール好きなお父さんだったら、日本、タイ、ドイツ、ロシア…と各国のビールを1本ずつ買ってまとめたものをプレゼントしたり。見ていて楽しいですし、ビールの味の飲み比べもできますし、ビール好きのお父さんなら喜んでくれますね」。

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…やはり、海外でも、お酒や食べ物がメイン。お父さんの心を掴むには、胃袋をつかむと良いのかも!

『親孝行できるかな?』(たかぎなおこ/KADOKAWA)

 でも、お父さんの喜ぶお酒や食べ物を探すのは、なかなか大変そう。そこで、参考にしたいのが、たかぎなおこさんの『親孝行できるかな?』(KADOKAWA)。本書では、さまざまな方法で、お父さんを喜ばせようと奮闘するたかぎさんの姿が描かれています。三重出身のたかぎさんは、お父さんが上京するたび、東京観光に連れ出しますが、毎回そのプランに悩まされます。

 たとえば、前にインドカレーのチェーン店に行って喜んでいたからと、今度は、オシャレで高級感のあるインド料理のお店に連れていってあげると、店に入った途端にお父さんは緊張してしまって…。

 かといって、庶民的な中華のお店を選んでみても、反応はイマイチ…。外でお酒を飲む機会がなく、家で瓶ビールを飲むことが多かったというたかぎさんのお父さんは、外で飲むなら断然生ビールが嬉しいようで、お店で注文した瓶ビールにも不服そうな反応だったとか。そんなお父さんのどうも読めない嗜好にたかぎさんは振り回されてばかり。

 でも、ふとした行動から、お父さんが喜ぶポイントに気づきます。たとえば、たかぎさんのお父さんの場合は、銭湯に一緒に行った後、夜の商店街をめぐって食べたラーメンにはご満悦だったようで…。考えてみると、実家の周りはお店もなく夜は真っ暗だから、夜の商店街はお父さんにとって心ときめくものだったのではないか、とたかぎさんは分析しています。

 1回でお父さんの趣味を把握するのは、家族といえど難しいかもしれませんが、たかぎさんのように試行錯誤しつつも、定期的にお父さんとご飯に行く機会を作るのはとっても大切。明日はせっかくの父の日です。今回の父の日を親孝行の第一歩と思って、お父さんに喜んでもらいましょう!

文=アサトーミナミ

サンドラ・ヘフェリン●ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴17年。自身が日独ハーフであることから、「ハーフといじめ問題」「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ「ハーフを考えよう」を運営。著書に『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(ヒラマツオと共著/メディアファクトリー)、『ハーフが美人なんて妄想ですから!! 困った「純ジャパ」との闘いの日々』(中央公論新社)、『満員電車は観光地!?』(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)、『日本人、ここがステキで、ここがちょっとヘン。』(片桐了との共著/大和出版)など。