一途でかわいい!? 悪魔的なヤンデレ男子への意外な評価

マンガ

公開日:2015/7/6

 「ヤンデレ」という言葉をご存知だろうか? 今では広く知られるようになった「ツンデレ」と同様、キャラクター属性の1つで、「病んでいる」と「デレ」を組み合わせた造語であり、精神的に病んだ状態にありつつ他のキャラクターに愛情を表現する様子を指すそうだ。

 もともとゲーム(『School Days』の桂言葉など)やアニメ(『SHUFFLE!』の芙蓉楓など)のヒロインの萌え属性として認知されるようになったため、「ヤンデレ」属性を持つのは大体女性だったが、最近では女性向け作品などで男性のヤンデレに対する需要も増えているという。

 個人サイトでの連載が閲覧数200万を突破するほどの人気となり、この度コミックス化された『学生組―悪魔は隣の席―』(Re:/KADOAKWA)も、強烈なヤンデレ男子・神代斎(かみしろいつき)が主人公として登場する。

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 「学生組」は全5部作構成(未完。現在3部まで著者サイト「廃葬」で公開中)で、思春期の危うさを秘めた学生たちが織りなす、どこか切なくて、どこか優しい日々を描いたオムニバス作品。その中で3部にあたる「悪魔は隣の席」が今回コミックス化されたわけだが、それぞれの話がクロスオーバーするような仕掛けがされていて、一部だけを読んでも回収されないような伏線も張られているなど面白い作り方がされている。

 この「悪魔は隣の席」で描かれるのは、誰にでも優しい女子高生・白鳥さんと、隣の席の同級生・神代くんの歪んだ関係。笑顔で彼女に尽くしまくる神代くんの真の姿は、白鳥さんを独占しようと企む非情な「悪魔」的存在であり、徐々にその異常性が明らかになっていく。

 

一見、にこやかな好青年に見える神代くん


病的なストーカー気質を持っていることが明らかに


⇒『学生組―悪魔は隣の席―』第1話を試し読みする

 

 話の本筋としては、異常性をあらわにした神代くんに白鳥さんがどう対峙するのか、そしてその過程で白鳥さんがどう変化してくのか?なのだが、SNSなどで見かける読者の声を見ると、神代くんを「かわいい」と評価する女性の声が本当に多い。

「こういう尽くし系悪魔くんイイよね。ゾクゾクする。」
「神代君めちゃんこ可愛いので……モロタイプなんで……」
「男の子の性格に難があって萌えた…。」
「純粋すぎる神代くんが怖い。怖いけど可愛い!!」
「神代くんがわたしの好みど真ん中すぎてもう……」
「サイコパスとか腹黒な奴の笑顔が好みすぎてやばいです」

 まとめると、悪魔的で性格に難があるが、その分、稚拙にストレートに(歪んだ)愛情表現をする系の男子がかわいいということらしい。また、週刊少年ジャンプで連載していた『めだかボックス』(画:暁月あきら、原作:西尾 維新/集英社)の人気キャラ・球磨川禊と重ね合わせている人も見かけられた。

 普通に考えると「ヤンデレ男子」なんて異性はおろか同性にだって受け入れられる余地はないが、本作を読み終わると、こういう愛の形、シンプルな考え方もありかもしれないと思わされ、むしろ誰にでも優しい聖母のような白鳥さんこそ病んでいたのでは?といった考えまでよぎってしまう、不思議な味わいのある作品だ。

 前述したように「学生組」は全5部作構成なので、ぜひ他の話も読んで、この作者が描く独特な空気感や作品世界を楽しんでみてほしい。

 

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