石坂浩二・小倉智昭・工藤静香のおすすめ作品は? 「伝説の洋画家たち 二科100年展」開催

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公開日:2015/7/6

 若き画家の研鑽(けんさん)の場として、1914年に一部の画家たちによって創設された二科会は、常に新しい傾向の作風を吸収し、日本の美術史上に名を残す才能を次々と輩出してきた。岸田劉生、佐伯祐三、小出楢重、関根正二、古賀春江、坂本繁二郎、藤田嗣治、松本竣介、東郷青児など、「二科展」によって名をはせるようになった芸術家は数えきれない。

 2015年7月18日(土)より開催されるのが、「伝説の洋画家たち 二科100年展」(以下、二科100年展)。日本美術史に欠かせない伝説の洋画家、彫刻家たちの厳選された二科展出品作品約120点を、時代背景やエピソードを織り交ぜながら紹介していく。今回は音声ガイドナビゲーターを、俳優・石坂浩二が務めることなった。自身も二科展へ出品し、入賞したこともある石坂が、二科100年展へのコメントと、音声ガイドを撮り終えての感想を語ってくれた。

  • 二科100年展

<音声ガイドを撮り終えての感想>
音声ガイドという仕事はとても難しい。テレビだと客観的か、もしくは語りかけるかの2つのいずれかのパターンだが、音声ガイドはそのどちらでもない。目で見てわき上がる感情の邪魔をしないようにしなくてはいけないが、情報だけはきちんと届けなくてはならない。そのバランスがとても難しいと感じている。音声ガイドの録音で、各作品を紹介すると、どの作品も必ず一度は見たことがあった。さらに思ったことは、日本洋画の歴史も大変なものだったということ。当時は西洋からかなり離れていて、しかも今のような技術もない。絵画を見てきた人が書いた文章を頼りに、たとえば、セザンヌを描くということがどれほど大変か。写真があってもモノクロしかない時代に、先生方が日本洋画の道を拓いていった。その情熱は本当にすごいことだと思う。

<二科100年展について>
これこそが日本洋画史だ、とは言い過ぎかもしれないが、見に来ていただければ、これは誰々の作品だとわかるものが絶対あるはず。展示されている作品はすべて二科展出品作品なので、有名な画家の初期の頃は、あるいは若い頃はこういう絵を描いていたんだ、という楽しみ方もある。会場に来られて画家のことが全くわからない、ということはないのではないだろうか? 特に我々の世代は、ほとんど知っていると思う。

<二科展の関わりについて>
東郷青児先生とテレビ番組で出会い、他の先生とも出会う機会があり、絵を描いていることを話すと、二科展に出品してはどうかと勧められたのがきっかけ。最初の個展を開いたときも見に来ていただくなどした。そのときに東郷先生からは「松の木は誰が描いても松にある程度はなるが、でも人間はそうじゃない。ちょっと間違えるとそうじゃないと指摘されたりして大変なんだ」と言われた。そのときに女性のヌード絵を描いていて、「素人でそういったヌードを描いているのであれば、一生懸けてやってみてはどうか?」とも言ってくださり、それを素直に今でもやっている。

 さらに、音声ガイドナビゲーターを務めた石坂浩二を含め、5名の芸能人・文化人が、二科100年展に出品される作品の中からおすすめの1点を選び、その作品についてのコメントを寄せてくれた。

石坂浩二(俳優)
西脇順三郎の詩の如く、まるで幼な子の如く、種々様々な物が展(ひろ)げられている。柔らかく優しい色、稚(おさ)なさを秘めた造型だが、絶えない不安や悲しみが漂っている。存在そのものをある時間にとじこめようとしても中々に果せない、それは焦りなのかも知れない。

  • 二科100年展

小倉智昭(キャスター)
「メキシコに於けるマドレーヌ」は人物が背景に溶け込まず、藤田作品の中でも違和感のある独得の仕上がりだ。1936年に亡くなった藤田の愛する妻マドレーヌ。彼女の鎮魂のために平野政吉美術館は生まれている。世界で高値取引きされる日本の代表画家藤田嗣治。世界市場でフジタを超える日本人は未だに現れない。

  • 二科100年展

工藤静香(女優・歌手)
フランス留学から帰国してから数年間彼が描いた希少な作風の作品です。「超現実派の散歩」とは、超現実主義を散歩のように試してみた作品とのことで、シュールレアリスム特有の夢の中を覗いているような感覚と、どこかノスタルジックな空間に、吸い込まれるような魅力を感じます。

  • 二科100年展

吉田晃子(芸術新潮 編集長)
力強い筆致に佐伯の自信を感じるとともに、どうしても無念を見てしまう。「新聞屋」はようやく独自の表現を確立した時期に描かれた作品で、彼の前には可能性が広がっていた。だが本作を手がけた翌1928年8月、彼は30歳にして帰らぬ人となるのである。

  • 二科100年展

アンジュルム・和田彩花(歌手)
溢れる光に軽やかなタッチ。多くの人を魅了するこの風景。しかし、それだけではない何か。岸田劉生が人生を歩み、感じてきたものがここには存在しているのだろう。奥に続いていく小路の先にその何かがあるのかもしれない。この作品の小路に入って、それを発見したい。そして、たくさんの方にこの小路を散歩していただきたい。

  • 二科100年展

「伝説の洋画家たち 二科100年展」展覧会情報
会期:2015年7月18日(土)~ 9月6日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
時間:9:30~17:30 ※金曜は21:00まで ※入室は閉室時間の30分前まで
休室日:月曜日、7月21日(火) ※7月20日(月・祝)は開室
当日券:大人1,500円/学生1,200円/高校生800円/65歳以上1,000円
前売・団体券:大人1,300円/学生1,000円/高校生600円/65歳以上800円
お問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、公益社団法人二科会、産経新聞社、フジテレビジョン

<巡回情報>
大阪展(大阪市立美術館):2015年9月12日(土)~ 11月1日(日)
福岡展(石橋財団石橋美術館):2015年11月7日(土)~ 12月27日(日)
⇒「伝説の洋画家たち 二科100年展」公式ホームページ

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