「神対応」「塩対応」「会いに行ける」…まちのアイドル!「看板ネコ」に会いに行こう!

暮らし

2015/7/16

 唐突だが、筆者は自他ともに認めるネコ好きである。そして「ネコはちょっと苦手という人も、もし愛嬌あるネコと触れ合うことができたなら、その魅力に気が付くに違いない」とつねづね感じている。とは言え、そう都合よく愛嬌あるネコに出会えるわけもなく…。

 そんな“ネコ崇拝者”である筆者と想いを同じくする人たちに朗報をもたらす本が『まちの看板ねこ』(宝島社)だ。著者はネコ好きなフリーカメラマン泉山美代子さんと、『ネコカフェめぐり』(KADOKAWA)『猫まちさんぽ』(インターナショナル・ラグジュアリー・メディア)などの著書を手掛けたマンガ家・イラストレーター・編集ライターという3足のワラジを履く逸見チエコさんのおふたり。同著は「会いに行けるまちの看板ねこ」という某アイドルグループのようなコンセプトのもと、カフェやアトリエ、フラワーショップなど19店の看板ネコたちを、「神対応ねこ」「塩対応ねこ」「一度にたくさん会えるねこ」の3部構成で収録している。今回はその中から、全国に“ネコ崇拝者”を増やす一助とすべく、看板ネコたちの一部を紹介したい。

接客上手な「神対応ねこ」…カフェオーナーの良き相棒、ゴエモンくん

 まずは本著の表紙にも登場している、「カフェアルル」(東京都新宿区)のゴエモンくん。クリっとした目でカフェ入り口ドアのガラス越しにゲストをお出迎えする姿にキュンとする。白地で頭頂部と背中に大きな黒いブチ模様がある美ネコで、普段はコーヒーの香りがただよう店内でゆったりと過ごしているが、運が良ければお客さんの隣の席や足元に来てくれる“甘え接客派”なんだとか。カメラを向けた時の、耳をこちら側に向けて興味深そうにジッと見つめる顔が可愛らしい。ほかにも紙面では、「お客様のため」に歯ブラシを使って歯磨きをして(もらって)いる場面の写真も掲載されている。

マイペースさに萌える! 「塩対応ねこ」…エレベーターで通勤!? なるとくん

 むやみに人間に媚びることなく、自由きままに過ごすクールさもネコの魅力のひとつ。「100円ショップそのう」(東京都足立区)に“出勤”している「なると」くんは、アメショー柄のちょっと恰幅の良い看板ネコ。店内の陳列棚の間や店先で、いつも余裕の表情を浮かべてマイペースにくつろいでいる。筆者も店を訪れたことがあるのだが、店内の床の上でお腹を見せて寝転んでおり、しばらくお腹をなでても微動だにしなかった(笑)。紙面には、段ボールで作られた“猫神社”の社の中からイタズラ好きそうな顔を覗かせた写真も。ちなみに店番が終わると、レジまでスタッフを呼びに行き、エレベーターの自宅階のボタンを押してもらって、ひとりできちんと帰宅するのだとか。こう見えて、なかなかの知恵モノである。

一度にたくさん会える! 「アイドルねこ」…愛に包まれて暮らす、総勢9匹の保護ネコたち

 自然豊かで、ダムの近くにある「カフェ&ギャラリー ダム」(千葉県富津市)。木で造られた自然のエントランスアーチを抜けると、左手にはカフェのシンボルである石窯があり、ピザ生地の焼ける香ばしい匂いが漂う。同店には生まれつき下半身に麻痺のあるサチちゃんをはじめ、ララちゃん、ユウちゃんなどのネコたちが暮らしている。みな保護ネコだというが、今では薪ストーブのある店内のあちこちで、思い思いにくつろいでとても幸せそうだ。同店はネコ・イヌ同伴で入店できるということなので、ドライブ好きの愛猫がいるなら、一緒に訪れてみるのもいいかもしれない。

 ネコたちは人間の数倍の速さで成長し、それぞれの命をまっとうする。先日も、和歌山電鐵・貴志川線貴志駅で駅長を務めた雌の三毛ネコ「たま駅長」が、16歳でこの世を去ったというニュースが報じられたばかり。また本著で紹介されている「見晴亭」(神奈川県藤沢市)の「小夏」ちゃんも、残念ながら本著制作中に天に召されたという。また、本稿執筆中には、カフェアルルのゴエモンくんが亡くなったという情報が舞い込んできた。本著で会いたいネコを見つけたなら、「いつか」と言わず今日すぐにでも、店を訪ねてみてほしい。

文=増田美栄子