インスタで人気のあのコンビが帰ってくる! 『ムーとたすく』2作目は、大人も子どもも楽しめる写真絵本に

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/19

全世界にファンが60万人以上! あのコンビに弟が仲間入り

 スマートフォン用写真共有アプリ“Instagram(インスタグラム)”から一躍有名となった、おかっぱ頭の男の子と、真っ白なフレンチブルドッグのコンビ「ムーとたすく」。まるで兄弟のように寄り添い、じゃれ合う二人の日常を切り取った写真集『ムーとたすく』は、「癒される~」と世界中で話題となった。

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 著者であるAyasakaiさんのInstagramフォロワー数は、現在なんと60万人以上! 日本一有名な子ども×犬のコンビなのだ。

 この黄金コンビの間に、弟のせつくんが仲間入りした。本著は、ムーとたすく、そしてせつくんの何気ない日々の写真に、子どもがワクワクするようなカラフルなイラストがたくさん添えられている「写真絵本」という新たなジャンルの本だ。

おもちゃ箱を覗いているような、カラフルでワクワクする世界

「きょうはなにする?」というタイトル通り、2人と1匹と一緒に、毎日を冒険していくような作りになっている。

 著者であるAyasakaiさんはこう話してくれた。

「1作目は、子どもや犬好きな“大人向けの写真集”でした。2作目は、子どもと一緒に楽しめるようなものを作りたいと思った。四季の移ろいや時間の流れを感じながら、子どもと一緒に楽しくページをめくれるように考えました」

  • きょうはなにする?

ムーとたすくが階段の上に座り、下から見上げるように撮られた写真は、海賊になって海を覗いているようなイラストが描かれている。また、たすくくんがお気に入りのオモチャの絵が散りばめられたにぎやかなページも。

 イラストは、たすくくんがお気に入りの絵本『きんぎょがにげた』(五味太郎)のように、カラフルでごちゃごちゃしたおもちゃ箱のようなイメージでお願いしたのだとか。子どもも大人も、ハッと手が止まる仕掛けがたくさん施されている。この世界観、写真好きなママさんたちには、コラージュの参考にもなりそう!

 そうそう、子どものころってこんな想像を働かせながら遊んでいたなぁ、男の子の頭のなかってこんな感じなのかなぁと、一枚の写真から楽しい想像が膨らむものばかり。

  • きょうはなにする?

 また、1作目からだが、ムーとたすくは寄り添って寝ている写真が多い…! どちらからともなくくっ付いて眠る2人+1匹の寝姿は、無防備で自由で、ずっと眺めていたくなる。ぴったり寄り添っていたり、そっぽ向いて丸まっていたり、お互いを枕にしていたり、遊びながらオモチャの中で力尽きていたり…。2人+1匹の寝相は、ほんとに多様!

「男の子と犬なので、止まっているときがなかなかなくて(笑)。だからどうしても寝ている写真が多くなってしまいます」(Ayasakaiさん)

 撮影の上で、これといったマイルールはとくに設けていないというAyasakaiさん。「家事の手をふと止めて子どもたちを見たときなど、本当に何気ない瞬間を撮ることが多いです。自分の心に余裕があると、子どもたちを眺める目が優しくなる気がする。家事をひとやすみしたリラックスモードで撮っています」と言う。

 子どもの写真というと、つい動きがあってフォトジェニックな瞬間ばかりを撮ってしまいがち。でも、何でもない普段の姿というのが愛らしく、それこそ写真に残しておきたい“とっておきの瞬間”なのだということを、この本は教えてくれる。

  • きょうはなにする?

 本著には、ムーとたすくとせつのパパも少しだけ登場している。公園で遊んだ帰りなのか、夕陽に向かって歩くパパとムーとたすくの後ろ姿は、後ろから彼らをそっと見守るAyasakaiさんの「ママ目線」が感じられる貴重な一枚だ。家族っていいな、という当たり前のことが、シンプルにじんわり胸に染み入ってくる。

「自然体な家族でいたい。いつも子どもの目線で遊んだり接したりしたいと思っていて。自由に遊んだり眠ったりしている子どもたちを見て『幸せだなぁ』と感じた瞬間を切り取っています。読者の方たちも、2人1匹の日常を見てあたたかな気持ちになってくれたら」(Ayasakaiさん)

 世界中のファンを魅了する、ムーとたすくと家族たち。ほのぼのとした彼らの日常から、一日一日が愛おしく感じられる、穏やかでやさしい写真絵本である。

取材・文=浦和ツナ子