いよいよ夏本番! 海水浴で気をつけたい海の危険な生物たちを紹介

ライフスタイル

2015/7/30

 海水浴シーズンである。例年よりやや遅い印象のあった梅雨も明け、海の日も過ぎた今、海でのレジャーにワクワクする人たちも少なくないだろう。しかし、楽しく過ごすためには、用心しなければならないこともある。その一つが、海に住む危険な生き物たちの存在である。

 今月8日、鳥取県境港市の中野港で、猛毒を持つといわれるヒョウモンダコ採取のニュースが、話題になったのも記憶に新しい。そこで、むやみに近寄ることなく、私たちも海の楽しさを満喫するために覚えておきたい、危険な生き物たちの生態について知るため、日本各地や海外の海の魅力を伝える、スクーバダイビング専門誌『マリンダイビング』の副編集長・後藤ゆかりさんにご協力頂いた。

 尚、下記の生き物たちについての解説は、後藤さんの著書『潜水事故に学ぶ安全マニュアル100』(水中造形センター)及び、『海の危険生物ガイドブック』(山本典暎/CCCメディアハウス)を参考にした。

◎咬む生き物

 先日話題になったヒョウモンダコをはじめ、警戒心が強いあまり、人間を咬む海の生き物たちがいる。

■ヒョウモンダコ

ヒョウモンダコ(写真提供:月刊『マリンダイビング』)

 房総半島以南ほか、日本沿岸に生息。大きさは5〜15cmほどで、淡く光るような青い円形の模様が特徴。海の岩場で楽しむ“磯遊び”で咬まれる危険性も高い。フグと同じくテトロドトキシンを含んだ毒により、神経のしびれや言語障害、ひいては死亡したケースもある。岩の亀裂などにうかつには手を入れず、万が一、咬まれてしまったときは、水で流しながら患部から血を絞り、一刻も早く病院へ向かおう。

■ウツボ

ウツボ(撮影地・伊豆半島/写真提供:月刊『マリンダイビング』)

 生息地は主に、沖縄を除く日本列島の南側。大きさは50〜80cmほど。愛嬌のある見た目とは裏腹に攻撃性が強く、ひとたび咬まれると、肉がこそげ落ちることもあるほどに力が強い。縄張り意識が強いため、見かけた場合に棒で突っつくなど、ちょっかいを出すのも禁物。岩の亀裂などへ、うかつに手や足を入れるのもやめよう。

◎刺す生き物

 ある意味、夏を代表するクラゲの仲間をはじめとして、毒針で刺してくる生き物たちもいる。

■アンドンクラゲ(ハブクラゲ/カツオノエボシ)

アンドンクラゲ(撮影地・湘南/写真提供:月刊『マリンダイビング』)

 本州付近のアンドンクラゲやハブクラゲなど「箱クラゲ」と呼ばれる種類。海水浴シーズンの終盤、クラゲに刺されたというのはよく聞かれることでもある。大きさは傘の部分が5〜10cmほど。また、本州沿岸ではカツオノエボシと呼ばれるクラゲもよく見られる。別称“電気クラゲ”と呼ばれる種類で、海面に浮かぶ風船のような青白い頭部が特徴的。両者とも毒により頭痛や不整脈を引き起こしたり、死亡した事例も過去にはある。

■オニヒトデ

オニヒトデ(撮影地・沖縄/写真提供:月刊『マリンダイビング』)

 紀伊半島や八丈島、沖縄南部などが主な生息地域。体長は直径20〜60cmほど。見るだけでも痛々しくなるほどの、鋭いトゲが特徴。身体のまわりに10〜20本ほどの腕を持ち、背面の毒針は2〜3cmにもなる。ひとたび刺されると患部が激しく痛み、壊死、さらに死亡する場合もある。応急処置としては、ピンセットなどでとげを抜き、45度前後の熱湯へ患部をさらすのが重要。即刻病院へ向かうのがよい。

■アカエイ

アカエイ(撮影地・伊豆半島/写真提供:月刊『マリンダイビング』)

 全国的に生息する生き物。幅は40〜50cmほど。身体の模様が、黄色やオレンジに見える色でふちどられたかのようになっているのが特徴。尻尾の先端についた毒針にはかえしが付いているため、いったん刺されると容易には抜けない。万が一のときは、全身のけいれんや嘔吐、発熱などの症状があり、最悪の場合、筋肉麻痺などを起こして死亡するケースもある。姿を見かけたらむやみには近寄らず、いざというときは、急いで病院へ向かうこと。

 さて、ほんの一例とはなるが、海に住む危険な生き物たちを紹介してきた。とはいえ、危険というのはある意味、人間の一方的な見方ともいえる。今回、ご協力頂いた後藤さんは、最後にこう付け加えてくれた。

「危険な生き物に襲われないために重要なのは、むやみに触らない、近寄らないことです。月刊『マリンダイビング』でも読者へ常に訴えていることですが、海へ入り、相手の居場所へ人間は侵入しているともとれます。生き物たちはあくまでも“自分たちの身を守るため”に威嚇し、攻撃しているので、何よりも“海の生き物たちに敬意を払う”といった心を忘れないのが大切ですね」

 夏本番。砂浜で遊んだり、海で泳いだりするのはもちろんだが、たくさんの生き物たちを観察できるのも醍醐味ともいえる。しかし、彼らへの気づかいも忘れずに、それぞれの人たちが思う存分楽しい時間を満喫してもらいたい。

【取材協力】
Marine Diving Web(株式会社水中造形センター)

取材・文=カネコシュウヘイ、編集協力=ボブ