ズボラな人でもできる!「模様替え風水」「ケータイ・スマホ風水」とは?富士川碧砂さんインタビュー

生活

公開日:2015/7/31

 コミックエッセイ『マンガでわかる みるみる運気があがる本』(アラキノゾミ:作画/泰文堂)を上梓した富士川碧砂さんには、ふたつの顔がある。アニメ作品から情報、バラエティ番組のナレーションまで、一線で活躍する声優と予約がとれない人気占い師 ――この組み合わせ、意外に思われるのではないだろうか? 声優といえば、実力がモノをいう世界。運や占いの結果というあいまいなものを当てにしていては、生き残れなさそうだが……。

富士川碧砂さん(以下、富)「たしかに声優の仕事に必要なのは実力です。でも、昔から“運も実力のうち”といいますが、この仕事においては特にそれを強く感じますね。あるアニメ作品のオーディションで役を勝ち取っても、その作品がヒットするかどうかは声優ひとりの力によるものではありません。バラエティ番組のナレーションのお仕事をいただいて、自分は持っている力のすべてをそこにつぎ込んでも、番組自体が1クールで終わることだってありえます。自分でコントロールできない要素が多いというのは、すなわち運というものに左右される部分が大きいということです」

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 しかし、運気をあげる風水となると「面倒」という気持ちが先に立つ。本書の主人公も、とにかくズボラ。部屋はいつも散らかっていて、風水どころの話ではない。こうなると運気を上げるなんて、とてもとても遠い話……。

「私自身もそうなんですよ! これさえやれば運がよくなるとわかっていても、ズボラな性格が先立って、後回しにしてしまう。風水の専門家に頼むとなるとお金もかかるし、そこで指示されたとおりココにコレを置くなんてこともできそうにない。だから、どんなズボラな人でもできる運気の変え方を考えました。それが〈模様替え風水〉。“いま、運気が落ちているな”と感じるときだけやればいい、というものです。まずは玄関と寝室、ここを見直すだけでいいんです」

 玄関は、運が入ってくる入口ゆえにできるだけ気持ちよく! といっても、「においをとる備長炭を置く」というレベルの模様替えでいいと富士川さん。また、心身を休めて邪気を落とす寝室は、シーツを替える、または洗うだけでもOK。もっとズボラな人は、枕の上にタオルを1枚敷いてみるだけでも運気が変わるという。

「風水って聴診器みたいなもの。ここを模様替えしたらどんなふうに運気が変わったか、自分で観察してください。あまり変化がなかったら、もう一歩踏み込んで模様替えしてみる。すごくズボラでも、1mm動かせたということは、1km動かせるんですよ。家族でお住まいの方だったら、次に試していただきたいのはリビング。これも家具を動かしたり大袈裟なことを始めるのは荷が重いですよね。だったら、〈席替え〉です。家族が座る位置って、だいたい決まっていますよね。そうするといつも相手を同じ位置から見ていて、それが潜在意識にも刷り込まれています。物理的に見る角度を変えると、相手の違う面が見えて潜在意識もリライトされる……そうすることで、運気も変わります」

 富士川さんが本書をとおして伝えたいのは、この〈潜在意識のリライト〉。そのために使うツールのひとつが、なんとスマホもしくはケータイだ。デジタル機器と運気、なんだかそぐわないような気もするが……?

「ケータイやスマホって現代人にとっては自分の分身のようなもの。スケジュールが入っていればそれは自分の行動そのものだし、自分と関わりがある人の情報もあるし、好きな人からのメールも入っている。先ほどは家のなかの風水についてお話しましたが、家やスマホ&ケータイのように自分自身と強くリンクしているものを整えることで、自分自身も整います。名づけて〈ケータイ・スマホ風水〉です!」

 富士川さんのもとには、恋愛、婚活で悩む女性が多く訪れる。その女性たちにまず進めるのが、待ち受け画面を自分のなりたいイメージに変更することだ。

「たとえば婚活中の女性が、毎日“結婚できますように”と強く祈るのは、とてもしんどいこと。考えるほど“私なんかダメだ”“きっとうまくいかない”とネガティな思考に陥る人も少なくありません。前向きになれない自分の性格と格闘するうちに、“こんな私じゃ結婚できない”という想いが刷り込まれていきます。無理をすればするほど自分との戦いになり、脳が拒絶反応を起こしてリバウンドするだけ……。そこで、試しに理想の結婚をイメージできる画像や言葉を待ち受け画面にしてみましょう。そうすると強く意識したり自分にいい聞かせたりしなくても、理想の結婚が潜在意識に刷り込まれていきます。待ち受け画面って日に何度となく見ますからね。自分のダメなところと向き合わなくていいし、努力をしなくてもいい。こうした潜在意識をリライトするための仕掛けを作っておけば、あとは波が変わるのを待つだけ。運気を上げるというのは、そういうことです」

 続いて変えたいのが、アドレス帳。富士川さんはこれを実践することで夫婦仲がよくなり、仕事も円滑に進むようになったそう。その方法とは?

「アドレス帳に〈私を愛してやさしくしてくれる夫〉と登録したんですよ。そしたら、電話がかかってくるたびにそれが表示されて、“ああ、この人は私のことを愛してくれているし、やさしくしてくれるんだ”って思えるし、その潜在意識があることでふたりの関係も自然にそうなっていきます。マネージャーは〈私にレギュラーを決めてくれる●●さん〉と登録しました。それまでは、ともすると“この人、私のこと好きじゃないから一所懸命になってくれない”“レギュラーなんて、私に決まるわけない”とネガティブになっていたけれど、こう書き換えることで相手はどうであれ、自分自身の現実の見え方が変わります。見え方が変わると、実際の現実も変わりますよ!」

 また、「運気を上げる」と訊くとパワースポットを思い浮かべる人もいるかもしれない。本書には具体的なパワースポットのほか、どうつき合うべきかも指南されている。

「パワースポットで大事なのは〈ほう・れん・そう〉です。そう、ビジネスシーンでよくいわれる〈報告・連絡・相談〉です。自分はいまこういう状況にあってこういうことで悩んでいる、または、こういうことを叶えたいという現状報告をして、『つきましては、私はこういう努力をしますので力をお貸してください』と相談する。でも、途中で夢が変わったり好きな人が変わったりすることもありますよね。そしたら、変わった内容を連絡して、また相談しなおす。そして叶ったら、御礼にいく。何でもいうことを聞いてくれる特別な存在として神さまとつき合うのではなく、人と人との礼をつくしたほうがいいですね」

 となると、パワースポットは遠くに行くより近場でめぐったほうがいい?

「旅行がてらパワースポット巡りというのも楽しいですが、身近なところでいくつか見つけておくのもいいですよ。私は声優という仕事柄あちこちのスタジオに行きますが、その近くの神社に寄って、仕事がうまくいくよう〈ほう・れん・そう〉します。収録が終わったら、もう一度立ち寄って“無事終わりました、ありがとうございます”といって帰るんです。パワースポットと良好な関係を築くのも、運気をあげる秘訣です」

取材・文=三浦ゆえ