清野菜名「アクションを始めたのは高校時代。とにかく強くなりたくて」

あの人と本の話 and more

更新日:2015/8/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『TOKYO TRIBE』をはじめ、話題作への出演が相次いでいる注目の女優・清野菜名さん。待望の初主演映画『東京無国籍少女』が公開、映画のこと、アクションのことなど、いろいろ訊きました。

 女子美術高等専門学校に通う、ミステリアスな少女を主人公とした『東京無国籍少女』で、念願の映画初主演を果たした清野菜名さん。

「いつかは主演ができればと思っていましたが、こんなに早く叶うなんて。嬉しい反面、大丈夫なのかな、という不安もありました」

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 と語るが、セリフよりも表情やしぐさでの演技が求められる難しい役柄を見事にこなしている。

「押井守監督からは、『人を殺す目をしてほしい』と言われました。わたしはドライアイなので、まばたきをよくするんです。監督が『スクリーンに映ると意味を持って見えるから、まばたきに気をつけたほうがいいよ』と言われて。すごく勉強になりました」

 映画はラストの15分で予想もつかない展開を見せる。清野さんの代名詞とも言える、華麗なアクションシーンは必見だ。

「初めてチャレンジする動きが多かったので、何度も練習しました。“強そうに見えた”という感想をもらって嬉しかったですね」

 清野さんがアクションを始めたのは、映画『バイオハザード』を見たのがきっかけ。

「主演のミラ・ジョヴォヴィッチに憧れて、高校時代1年間、アクション養成所に通いました。当時はまだ女優のお仕事を始める前。とにかく強くなりたかったんですよ(笑)」

 これまで数多くの話題作に出演してきた清野さん。そんな中でも『東京無国籍少女』は特別な作品になった。

「藍という主人公をどう演じるか、現場で監督と納得がいくまでディスカッションを重ねました。監督には後から『しつこかったよね』と言われちゃいましたけど(笑)。そういう役作りができたのは初めての経験。初主演というだけでなく、わたしにとって忘れられない映画になりました」

 今後も『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』など話題作への出演が相次いでいる。ますます清野菜名さんから目が離せそうにない。

(取材・文=朝宮運河 写真=冨永智子)

清野菜名

せいの・なな●1994年、愛知県生まれ。2007年、雑誌『ピチレモン』専属モデルとしてデビュー。14年、映画『TOKYO TRIBE』のヒロインとして華麗なアクションを披露し注目を集める。出演作にドラマ『ウロボロス~この愛こそ、正義。』『LOVE理論』『永遠のぼくら sea side blue』など。
ヘアメイク=白銀一太(プュアナプー) スタイリング=末吉久美子

 

『ハリー・ポッターと賢者の石』書影

紙『ハリー・ポッターと賢者の石』(全2巻)

J・K・ローリング/著 松岡佑子/訳 静山社文庫 各580円(税別)

両親を亡くし、意地悪な伯母一家のもとで暮らしている少年ハリー・ポッター。11歳になった彼のもとに、ホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可証が届いた。自分が魔法使いの子であったことを知ったハリーは、虹色の汽車に乗り、未知の世界へと旅立つ。全世界を虜にしたファンタジーシリーズの第一弾。

※清野菜名さんの本にまつわる詳しいエピソードはダ・ヴィンチ9月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『東京無国籍少女』

監督/押井 守 出演/ 清野菜名、金子ノブアキ、田中日奈子、吉永アユリ、花影香音、りりィ、本田博太郎 配給/東映ビデオ 新宿バルト9ほか全国公開中
●とある女子美術高等専門学校。心に深い傷を負った少女・藍は、授業を抜け出し、奇妙なオブジェ作りに没頭していた。藍に向けられる同級生たちの冷たい視線。群発する地震。大きく響く鳥の羽音。この学園はどこかがおかしい……。かつて天才と呼ばれた少女が自分を取り戻すまでを描いた鬼才・押井守の最新作。
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