又吉直樹「あなたの名前が付いた賞を受賞できたことを嬉しく思います」芥川賞受賞後初のエッセイ

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/19

    文學界

 又吉直樹の芥川賞受賞後初原稿が、2015年8月7日(金)発売の『文學界』9月号に掲載される。掲載原稿のタイトルは「芥川龍之介への手紙」。又吉から芥川への手紙の形式を取りつつ、自らの創作にかける思いが6ページにわたって綴られたエッセイだ。

「今回、あなたの名前が付いた賞を受賞できたことを嬉しく思います。(中略)創作に没頭する瞬間瞬間を積み上げて行き、その都度、脱皮を繰り返すようなイメージで過ごして行こうと思います」又吉

 芥川龍之介の名前が付いた賞を受賞できたことへの思いや、著書である『火花』という言葉が、芥川の『或る阿呆の一生』に出てくることを紹介し、自らの創作にきわめて深い影響を与えた事などを述べている。また、又吉と芥川賞選考委員・川上弘美との対談も。

 また、又吉の芥川賞受賞後初となる原稿掲載が話題となり、『文學界』9月号では初版で通常号の2倍となる2万部を発行する予定だったが、発売前の時点でさらに1万部増刷することが決まった。1933年の創刊以来、発売前の増刷決定は史上初となる。

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 なお、『文學界』9月号では他に、同じく芥川賞を受賞した羽田圭介の受賞第一作「成功者Kのペニスオークション」、島田雅彦と羽田の対談、中村文則、中森明夫をはじめとする豪華筆者による「又吉直樹論」「羽田圭介論」など、およそ50ページにわたる「新芥川賞作家スペシャル」を掲載している。

■『文學界』9月号
価格:970円(税込)
発売:2015年8月7日(金)
出版社:文藝春秋