【第五回】「実はムチムチな石膏像」ザリガニワークス・インタビュー

公開日:2015/8/11

今回は、石膏ボーイズプロジェクトの「生みの親」、ザリガニワークスの武笠太郎さん、坂本嘉種さんにインタビューさせていただきました。

ザリガニワークスさんは「コレジャナイロボ」や「自爆ボタン」「土下座ストラップ」を始めとする玩具の企画開発、デザインを軸にしながら、「ごはんかいじゅうパップ」などキャラクターデザイン、作詞作曲、ストーリー執筆等、ジャンルにとらわれないコンテンツ制作を請け負うマルチクリエイティブ会社です。

恐れ多くも弊社にお越しいただきました。直接お会いする機会はあまりないので、ものすごく緊張しました。怖い人だったらどうしよう……。

石本「まずはじめに、『石膏ボーイズ』誕生秘話を教えて頂けますでしょうか?」

武笠「ホルベイン画材さんから『今までにない、斬新且つ凄く売れる商品企画を』とご依頼頂いたのがきっかけです。思索にふけりながら資料にと頂いたデッサン用品カタログをめくっていると、そこに僕ら美術系出身者にとっては見慣れた石膏像達が、ズラリと掲載されていました。それがまるでタレント名鑑のようで、『これだ!』と思いつきました」

坂本「それから二人でミーティングを重ねて『石膏ボーイズ』というアイドルグループとしての企画にまとめました」

石本「これまでも多くのキャラクターや玩具などを企画なさっていますが、その中でも異色を放っていると思いますが、ご苦労されている点はありますか?」

坂本「まずはグッズですね。彼らはイケメンといってもかなりオーセンティック、本物なので、真っ向からその美しさをデザインに落とし込むと、ただの素敵な美術用品に見えてしまう。もっと彼ら自身を身近に感じて、一緒にいる嬉しさをしっかり感じられる、キャラクターグッズ、アイドルグッズとしての良さを商品に込められるよう、とても気を遣います。ちょっとダサい、ちょっとウザい、って感じは、そういう彼らとのコミュニケーションのためだったりします」

武笠「あと、彼らは新人アイドルですが、皆それぞれに物凄く歴史があり、デビュー前からファンの多い人(神)たちですので、旧くからのファンの皆様が悲しまれないように、一緒に楽しんで頂けるように、彼らの魅力を大切に感じながらやっています」

石本「お二人は美大出身ということで、石膏像に対する思い入れもやはり強いのでしょうか?」

武笠「僕は石膏デッサンがとても苦手でした。美大受験の訓練期間は長かったのですが、なかなか上手く描けませんでした。なので、どちらかというと彼等は憎かったです(笑)。しかしクリエイティブにおいて基礎となる大切な事を沢山教えて頂きましたし、今はこうしてお仕事ご一緒させて頂いて、大変感謝しています。
ちなみに出身校の多摩美の受験では、女性の石膏像、マリエッタさんが出題され、とりわけ苦手な雰囲気の像でしたので『終わった…』と思いつつ描き始めたら、偶然に上手く描け、合格する事ができました」

坂本「マリエッタさんは本当はマリアさんっていうらしいけどね。石膏、僕は皆大好きでしたね。また、結構描ける気でいました。でもこうして改めて身近な関係として再会してみると、記憶の中の彼らとは全く違っていて面白いです。昔はサイボーグの様な綺麗で簡単な体型に感じていたマルスが、実はこんなにムッチムチだったなんて!とか」

ザリガニワークスの武笠太郎さん。趣味はフットサル。

石本「ホルベイン画材さん、KADOKAWAさんともに初のタッグかと思われますが、一緒にお仕事していていかがですか?」

武笠「まずホルベイン画材さんですが、創業115年の歴史を持つ老舗メーカーさんですので、歴史に基づいた我々の知らなかった石膏像や画材のお話などもお聞かせ頂けますし、現在のマーケットを見据えた上で、非常に柔軟なお考えをお持ちなので、いつも刺激を頂いています。
KADOKAWAさんについては言わずもがなですが、オタクマーケティング的なところでのプロフェッショナルでいらっしゃるので、こちらもまた非常に勉強になります。我々が今までやった事のない世界ですし、こちらもまた刺激的です。
しかし、何より刺激的なのが、両社のご担当でして(笑)彼等で無かったら今回のプロジェクトは実現できなかったと思います。今も大きなプロジェクトで毎週のようにお会いしていますが、毎回面白いです」

坂本「そうだね」

ザリガニワークスの坂本嘉種さん。趣味は「色々」。

石本「ありがとうございました。それでは最後に『石膏ボーイズ』のファンの皆さまにコメントをお願いします」

武笠「いつもありがとうございます。今後も是非彼等の活動に注目して頂き、楽しんで応援して頂けたら幸いです。皆で武道館に行きましょう!!」

坂本「そうだね! 宜しくお願い致します!」


ザリガニワークス  ZARIGANIWORKS
武笠太郎、坂本嘉種によるマルチクリエイティブ会社。「コレジャナイロボ」や「自爆ボタン」「土下座ストラップ」など、玩具の企画開発、デザインを軸にしながら、「ごはんかいじゅうパップ」「弾神オドロッカー」など、キャラクターデザイン、作詞作曲、ストーリー執筆等、ジャンルにとらわれないコンテンツ制作を広く展開。最新作は「カリサクくんと濃厚人面犬(コイケヤスコーンキャラクター)」「石膏ボーイズ」など。コレジャナイロボは2008年度グッドデザイン賞受賞。雑誌テレビブロス(東京ニュース通信社)にて「ザリガニワークスのスーパートイ工房」連載中。

http://zariganiworks.co.jp/

【石膏ボーイズとは?】
今年の4月にデビューした、「世界初の石膏像アイドル」。
数多くの石膏像から、「イケメン」「新人感」をキーワードに選出された4人によるユニット。

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写真=山口宏之