魂を震わせる音楽マンガ『BLUE GIANT』 石塚真一インタビュー

アニメ・マンガ

2015/8/11

    BLUE GIANT

今やマンガの一大人気ジャンルとなった、音楽マンガ。その中でもひときわ熱を放つ作品が、ジャズに全てを懸ける男たちの姿を描いた『BLUE GIANT』だ。作者は『岳―みんなの山―』でマンガ大賞を受賞した石塚真一さん。作品に込めたアツい思いを伺った。

 石塚真一さんがジャズを描こうと思った理由はごくシンプル。「ジャズが好きだから」。
「でも若い人たちには『大人のイメージ』『よくわからない』と言われることが多い。だからジャズってこんな感じだよって伝えたかった。マンガの中では『かっこいい』を『カッケー』って言ってますけど、『ジャズ、カッケー!』って言ってもらえるところに持っていけたら嬉しい。カッケーって…… 昭和の言い方ですけどね(笑)」
 仙台の高校生・大は、ジャズの生演奏に打たれ、「世界一のジャズプレーヤーになる」ため、サックスの練習を重ねていく。

 大は、ジャズの魅力をこう言う。「熱くてハゲしい」。新しいジャズ観にハッとさせられる。大がガールフレンドにそうやって聴かせたように、プレーヤーのボリューム最大で聴いてみると、なるほど、ジャズはまさに「熱くてハゲしい」音楽だ。そのジャズの熱が、そのまま作品全体の熱となり、読者を取り込んでいく。

「いろんな捉え方があると思うんですけど、大はジャズのそこが好きなんだと思う。ちょっと芯がある顔をしている人間なので、ああいうことを言いそうだなって思いました。昔もたぶん『あの人どうしちゃったんだ!?』って言われるような鬼気迫る演奏をする、激しいプレーヤーって何人もいたと思うんですよね。僕自身の考えを言うと、ロックを超えてほしい、みたいな気持ちがあって。大もそう思ってるんじゃないですかね」

 大のキャラクターが魅力的だ。努力家で、やさしくて、いわゆるいいヤツ。その一方で、天才ゆえの無自覚の残酷さを発揮したりもする。単純そうに見えて、計り知れなさ、謎も感じさせる男なのだ。

「僕自身が、大を謎だと思ってるところがあるので(笑)。でもそれはそのままでいいと思ってるんですよ。僕は、後追いでいい」

「マンガを描き始めた頃は、自分の思いを描いているつもりでいたんですけど、『BLUE GIANT』を描き始めてから、キャラクターには人格があるんだなあと思うようになって。自分の歩き方で歩いていく彼の後を、僕がついていくのがベストなのかなと思います」

⇒『BLUE GIANT』公式サイト

取材・文=門倉紫麻/『ダ・ヴィンチ』9月号 魂を震わせる音楽マンガ『BLUE GIANT』より一部抜粋

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