女子高生が恋とプライドを賭けて格闘技で真剣勝負!? 人気WEBマンガ『少女・ザ・ワイルズ』が待望のコミックス化!

アニメ・マンガ

2015/9/5

 『少女・ザ・ワイルズ』(ZHENA、HUN /双葉社)は、LINEマンガでの連載から人気に火がついた話題作だ。8月末に発売されたコミックス第1巻も、もちろん配信時と同じフルカラーで収録。現在LINEマンガのコメント欄には、コミックス化を待ち望んでいたファンからの歓喜の声が多数寄せられている。

 主人公・松島友久は数年前に父が他界し、続いて母が蒸発。まだ学生の身分ながら、夜はアルバイトをして幼い弟と妹の面倒を見ている。そんな彼が奨学金に惹かれて入学して“しまった”のは、格闘技の特化校「ワイルズ高校」。総合格闘大会・ワイルズリーグを主宰し、さまざまな格闘技で世界チャンピオンを何人も輩出している屈指の強豪校なのだが、女子校から共学になったばかりで男子生徒は松島ただひとり! 何もしなくても注目されるところへ「彼と仲良くすれば成績に加点」という学校側の謎の煽りまで入り、屈強な女子生徒たちの標的(?)になってしまう。そんな時、松島はひとつ上の先輩・山根圭に出会う。学校中の生徒からリングネームの“クイーン”で呼ばれている彼女は、格闘技ではデビュー以来負けなしのスター選手。しかも大手財閥の娘で、私生活では超がつくほどのお嬢様だった。2人は、お互いの境遇の違いからつい反発しあうが……。

 クイーンの他にも女子高生が多数登場するがその全員が格闘家。劇中ではボクシングにテコンドー、ウーシューなど、彼女たちがそれぞれ使う格闘技の特性や技術面に関してもかなり詳細に描き込まれており、格闘技マンガとしての本格度は相当高めだ。だが本作はほかと決定的に異なる点があり、それは強さを求めて日々努力する“ひたむき感”がほぼ欠落していること。なぜなら登場人物がみな最初からめちゃくちゃ強いのだ。みんなが毎日トレーニングするような描写もあるのだが、基本的に全員「私こそが一番!」という気持ちなので、ストイックではあれど悲壮感は皆無。唯一、格闘技未経験の松島は試合出場のために特訓を受けたりするのだけれど、それも物語全体のトーンを変えるには至らない。

 で、格闘技マンガからひたむきさを抜くとどうなるか。とにかく痺れるほどカッコいい場面の連続になるのである。これは毎週更新で連載されていたこともきっと要因としてあるのだろうが、それにしても決めのシーンの多いこと! スタイリッシュな絵柄、ムダのないセリフとの相乗効果で、格闘技に全身全霊を賭ける強く気高く美しい姿に、ページをめくるたび心をわし掴みにされてしまう。もちろん、カッコいいだけじゃ物語として面白くない。松島のおかれる境遇には思わず目を覆いたくなるし、一見完璧に見えるクイーンも、実は心に葛藤を隠している。それぞれの悩みや揺らぐ姿は誰もが味わったことのあるものばかりで、荒唐無稽な設定にも関わらず、私たちは何の違和感もなく登場人物たちに感情移入することができる。

 連載は200回も目前、松島の入学から始まったストーリーもクイーンたちとの関係も実はかなり進んでいる。ぐっと読みやすくなったコミックスで一気に最新話まで追いつこう!

文=山﨑めぐみ