東京オリンピック、高度経済成長…昭和39年頃の活気あるにっぽんを鉄道ジオラマで再現!

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2015/9/5

 先日、磐越西線に乗る機会があった。磐越西線は福島県の郡山駅から会津若松を経由して新潟県の新津駅までを結んでいる鉄道路線。郡山~会津若松間は電化もされているしそれなりに利用者も多いが、会津若松以西はまさしく“ザ・ローカル線”。区間によっては日中5時間近く列車がない時間帯もあるほどだ。沿線風景を見れば、山あり川あり田畑あり。日本の原風景とも言えるような里山が延々と続いている。

 一方、大都会・東京。どこを見渡しても“昭和の鉄道”を思い起こさせるような風景を見ることは難しい。新幹線は最新型のN700系やE7系が颯爽と走り、山手線や中央線も最新型の車両が行き交っている。中には特急「踊り子」の185系のような国鉄時代の車両もあるにはあるけれど、やっぱり都会の鉄道は、旅情豊かな“乗ってみたくなる”鉄道とは少し違っている。そしてそんな状況に一抹の寂しさを感じている往年の鉄道ファンも少なからずいるのではないだろうか。だから、全国各地のローカル線で旅情を楽しむための観光列車が運行されているし、“昭和の鉄道”をテーマにした本もいろいろと刊行されているのだろう。

 そこで、週刊『昭和にっぽん鉄道ジオラマ』(デアゴスティーニ・ジャパン)である。9月15日創刊のこちらの分冊百科、毎号付属するパーツを組み立てていけば、全100号揃ったあかつきには昭和39年頃の日本の鉄道風景ジオラマができあがるというものだ。付属する車両はZゲージの新幹線0系とキハ52形気動車。
 新幹線0系は言わずもがなの名車両。昭和39年、東京オリンピックにあわせて開通した東海道新幹線用の車両として、印象的な団子鼻とブルーのラインで長年活躍した。
 そしてキハ52形は、キハ20系に連なる一般型気動車でエンジンを2基搭載することで急勾配路線に対応させたもの……などというややこしい説明は置いといて、要は山間部のローカル線を走るため、昭和30年代に作られた車両。冒頭の磐越西線でももちろん走っていた、“昭和の鉄道風景”には欠かせない車両のひとつなのだ。

 週刊『昭和にっぽん鉄道ジオラマ』を毎号買っていけば、この2つの愛すべき車両が「都会エリア」「下町エリア」「里山エリア」を走り抜けるジオラマができあがるというわけだ。

 なお、なんともありがたいことに 週刊『昭和にっぽん鉄道ジオラマ』は、鉄道模型として一般的なNゲージよりも一回り小さい“Zゲージ”なので、狭スペースで広い世界観を再現できるし、さらに3つに分割して片付けることもできる。さらに、パーツをそのまま置いていくだけでも組み立てられるし、塗装やらをアレンジし自分だけのジオラマにすることもできる。そのためのテクニックも解説してくれているので、“鉄道ジオラマ入門”として買い求めてもいいかもしれない。

 さらに、本命の“昭和の風景”についても、毎号昭和39年頃の日本の様子がうかがえる貴重な写真を掲載。当時の世相や庶民の暮らしなんかの解説もされており、当時を知る人はただただ懐かしく、知らない人はちょっと賢くなりながら、ジオラマを組み立てていくことができるのだ。

 と、最後は宣伝みたいになってしまったが、いずれにしたって昭和39年頃は、東京もまだまだ昭和だった(あたりまえだけど)。そんな昭和のにっぽんを、新時代の訪れを告げるかのように駆け抜けた新幹線0系車両。昭和のにっぽんを走る古めかしいキハ52形。そこからは、必ず懐かしさを感じ取ることができるはずだ。

 そして、そんな懐かしさを感じたら、ローカル線にぜひ乗りに行ってみてほしい。ジオラマの中のような風景が、磐越西線よろしく今もまだまだ残っている。古い車両が走っている路線も少なくない。週刊『昭和にっぽん鉄道ジオラマ』をきっかけにローカル線の旅に目覚めれば、それほど素晴らしいことはないと思うのだが、いかがだろうか。

文=鼠入昌史/Office Ti+