男性を虜にするネット風俗嬢の実態とは? ―週5日、1日5時間で月収100万円

ビジネス

2015/9/3

 世の中にはたくさんの職業がある。そのひとつが、男性の欲望に応えて対価を得る風俗嬢である。サービスの種類こそ様々だが、店舗で勤めたり、デリバリー型式で必要に応じて客先へ向かうなど、じかに目の前で向かい合う接客が一般的なイメージである。

 一方、ウェブ上のアダルトチャットで活躍する風俗嬢たちがいる。いわば“肌を触れ合わない”風俗ともいえるが、彼女達の実情に迫った1冊の本がある。表題はズバリ『ネット風俗嬢』(泰文堂)。著者は、女性ながらに男性の欲望渦巻く性風俗の世界を追う、フリーライターの中山美里さんである。

 同書のいうアダルトチャットとは主に、課金制のライブ配信サイトを指す。その多くは利用者が特定の時間単位でポイントを購入。映像と共に、文字や音声を駆使して男性の欲望に応える“チャットレディ”には、時間に応じた売り上げの数十%が報酬として支払われる仕組みとなっている。

 実際、検索窓に「アダルトチャット」と入れてみると、じつに約107万件(2015年8月現在/Yahoo! JAPAN)もの結果が表示される。その数字だけを取ってみても、アダルトチャット市場にみられる需要と供給のほどが伺い知れるが、では、チャットレディ達の実態はどうなっているのだろうか。

 同書での証言者の1人。Sさん(31歳)は、独身時代の2013年頃から“稼げる”場所を探すために様々なサイトへ登録。結婚後しばらくは「チャットレディのバイトをしているけれど、アダルト系じゃない」と“嘘“を付きながら、夫のいない平日の昼間にチャットを続けていたという。

 当時、Sさんがチャットへ励んでいたのは1日5~6時間。もちろんその内容はカメラ越しに裸体を見せ、要望に応じて自慰行為に興じるといったものだったが、月20日の“勤務”で報酬は5万円。時給換算でいえば、わずか500円だったそうだ。

 昼夜問わずチャットをしていた独身時代には「月に30万円ほど稼げましたが、それはほんの一瞬ですね」と振り返るSさん。「すぐ、“脱いで”“おっぱい見せて”“オナニーして”これがほとんど。会話を楽しんだり、癒しを求めて……という人もいたりするけど、ごくわずか」とその空気感を語るが、現在は、広告費収入を狙ったYoutubeでの動画配信に力を入れているという。

 一方、Sさんとほぼ同じ“勤務”で月収100万円以上を稼ぎ出し、現在はチャットルームの運営者となった女性がいる。所属していたキャバクラの倒産をきっかけに、2010年頃からチャットレディとなったYさんだ。

 稼げるようになった時期を「最初からできたんですよ。天性……、みたいな?」と振り返るYさん。国内外のいくつものサイトへ登録したこともあるというが、「言葉の返し方とか、どうやってスカートをめくるかというような仕草とか、カメラのアングルとかが大事です」と、経験から感じられた“男性受け”のコツを語る。

 さらに、複数の男性を同時に相手にするサイトでは、多い時でリアルタイムに「140人くらいのユーザーが見ているんです」と有料会員の多さを伝える。

 その前段階、無料で待ち合えるページでは2000〜3000人もの男性達が集うというが、「みんなが好き勝手なことを言っている会話を、自分のペースでリード」すると話すYさんは、「コスプレしてみたり、あとはパフォーマンスをするときにちょっと太腿を見せたり、男心をくすぐるようなエロく見えるやり方をして、ファンを集めていくんです」と、いわゆる“常連客”を捕まえるノウハウを話していた。

 男性の欲望を“需要”とする風俗には、とりわけ多くのカネがうごめく印象もある。その一端を担うアダルトチャットの世界だが、実態はやはりピンキリ。とはいえ、潜在的な顧客は“肌と肌を触れ合わせる”風俗とは異なり、全世界に存在しているのも事実だ。

 同書の執筆当初、著者は「彼女たちはパフォーマーであるため、“ネット風俗嬢”と言われてしまうのであれば、取材は受けることはできない」と某大手チャットサイトの広報から断られた裏話を明かす。時にはカメラの死角で自慰行為の“フリ”を見せつつも、男性の欲望をかき立てるネット風俗嬢たちを中心とした世界は、ある種の“エンターテインメント”ともいえる。

文=カネコシュウヘイ