「表面的な過剰さをそぎ落としたとても静かな本です」美術監督・種田陽平が初の児童書刊行!

文芸・カルチャー

2015/9/16

    ステラと未来

 「スワロウテイル」「キル・ビル」「THE 有頂天ホテル」など数々の映画を担当し、日本アカデミー賞・優秀美術賞を幾度も受賞している美術監督・種田陽平。2011年には紫綬褒章を受章するなど、名実ともに日本を代表する美術監督の一人だ。

 実写映画美術の技術でアニメーション映画の世界を三次元に建ち上げた「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」、また映画「思い出のマーニー」とその展覧会「思い出のマーニー×種田陽平展」などの美術監督の仕事を通して、児童向けの作品を作る楽しさを知り、経験値を高めてきたと語る種田。

 そんな彼が、40点にのぼるイラストレーションを描き下ろし、気鋭の作家・野山伸のシンプルで、研ぎ澄まされた文章とコラボレーションした児童書『ステラと未来』が、2015年9月11日(金)に発売となった。

「読むものも観るものも、刺激たっぷりの作品が世の中の主流ですが、『ステラと未来』は、表面的な過剰さをそぎ落としたとても静かな本です。
少女の一言から、少年の佇まいから、読む人が感覚や想像力を起動させ、主人公たちの世界に入り込んで楽しむ余地がたっぷりある作品にしたかった。
幼いころ、これはどういうことだろう、どういう意味だろう、とクエスチョン・マークが頭に浮かぶ本が好きでした。
今、そういった本を挙げるとしたら、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』、サン・テグジュペリの『星の王子様』、一連の宮沢賢治の作品になるでしょうか。
答えを自分でゆっくり探していくことができる本ですね。手元においてときどき読み返す。そんな一冊にこの『ステラと未来』もなってくれたら嬉しいです」種田陽平

    ステラと未来

<あらすじ>
タワーの349階に暮らし、「ママ」と呼ばれる養育ロボットに育てられている髪の長い少女と、氷でできた薄暗い世界で、たくさんの「おとうさん」に育てられている少年の物語。ふたりは、期せずして「ドーム」に乗り、湖に招かれるが、そこで彼らを待っていたのは…?

■『ステラと未来
原案・絵:種田陽平
文:野山伸
発売:2015年9月11日(金)
価格:1,500円(+税)
出版社:講談社

種田陽平(たねだ・ようへい)/原案・絵
美術監督。武蔵野美術大学油絵学科卒業。映画美術監督として、日本、中国、アメリカなどで国際的に活動する。「スワロウテイル」(岩井俊二監督)、「THE有頂天ホテル」(三谷幸喜監督)、「フラガール」(李相日監督)、「空気人形」(是枝裕和監督)など多数の日本映画のほか、チャン・イーモウ監督、キアヌ・リーブス監督、クエンティン・タランティーノ監督などの作品を手がけた。アニメーション作品には、「イノセンス」(押井守監督)ではじめて関わり、「思い出のマーニー」(米林宏昌監督)では美術監督をつとめた。著書に、『どこか遠くへ』、『ジブリの世界を創る』、『伝説の映画美術監督たち×種田陽平』などがある。芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章を受けている。

野山伸(のやま・のぶ)/文
作家。早稲田大学第一文学部卒業。映画、テレビドラマの制作会社勤務を経て、映画、テレビドラマのノベライズ、関連書籍などの仕事を手がけてきた。