シルバーウィークに嗜みたい！ シルバーBL 3選「青年カメラマン×インテリ政治家」「長身部下×食えないおじさま」「大物作家×若手編集者」

　シルバーウィークに特に予定の無い方、朗報です！ 余暇の時間を利用して、これを機にシルバーBLという秘密の扉を覗いてみませんか？

　そもそもシルバーBLとは何ぞや？　という方のためにご説明します。

　シルバーBLとは、男性同士の恋愛において、片方が「おじさま」のカップリングが登場するBLのこと。（もちろん、おじさま同士の場合もありますが）。

　ちょっとイロモノなので、敬遠している方も多いのではないでしょうか。しかし、妖しいおじさまの魅力を知ってしまえば、案外どっぷりハマッてしまうかもしれませんよ。

　ということで、今回はシルバーBLの魅力がたっぷり詰まった3冊をご紹介します！

絵画のような絵のタッチにドラマチックな展開。ストーリーで読ませるシルバーBL

＜あらすじ＞
元首相の政治家ファウスト・カッラーロは初老の男性でゲイ。若い美少年との一夜のお遊びを楽しむ日々を送っていた。ある日、バカンスに行った先でカメラマンのブルーノと出会うが、彼は髭面の男で、全く好みのタイプではない。しかし、ある出来事がきっかけでファウストはブルーノに惹かれていく。想いが通じ合ったかに思われたが、実はブルーノには隠している秘密があった。

「野性的な青年カメラマン」と「超インテリ政治家おじさま」のカップリング。繊細なタッチの絵柄が他のBLとは一線を画している「オシャレな」作品。もちろん読み物としても面白い。おじさま受けの萌えるところは、男としてのプライドや自信を持ち、社会的にも成功していて「自分を攻めだ」と思っている男性が、「受けにされる」ことで生じた葛藤や動揺だと思うのですが、そういった萌えをしっかり抑えている作品でした。二人の今後の関係が気になるところです。

BL界の新星が描く、王道おじさま受けが魅力！

＜あらすじ＞
経済産業省に勤務している今宮究（いまみやきゅう）は飄々として愛嬌のあるおじさま。その部下である柏木匡（かしわぎたすく）は、多忙な日々を送る究さんのお世話を甲斐甲斐しく行うインテリメガネのデキル男。体調管理に仕事の補佐まで、なんでもこなしてしまう。そんな二人は「公僕」として忙しい日々を送っていた。だがある日、究さんが過労で倒れて……。

「女子力高い長身部下」と「明るく食えないおじさま」のカップリングが繰り広げる官公庁舞台・歳の差BL。受けのおじさま、究さんがとにかくかわいいです。仕事もできて明るく、大人の余裕もある素敵なおじさまでした。攻めの柏木が本当に究さんのことを好きなんだなと思えるシーンがたくさんあり、読んでいて心地良さを感じた作品。二人の心理描写が丁寧に書かれ、性描写もライトに描かれているので「おじさま受け初挑戦」の方にオススメしたい一冊。

これぞシルバーBL！ おじさまの本領発揮作品!!

＜あらすじ＞
若手編集者の若尾（わかお）にとって、最近担当になったばかりの大御所小説家、刃渡光顕（わとみつあき）は憧れの存在だった。初対面の時から感じていた刃渡先生の色気に流されるように、尊敬は次第に恋愛感情へと変わって行き……。

「60代大物作家（ノンケなのに鬼畜）」と「若手編集者（犬系男子）」の焦らし焦らされの大人なBLです。「BL界のおじさまと言えば受でしょ！」という固定概念（偏見？）を見事に払拭してくれた作品。刃渡先生の精神的な鬼畜プレイには、読んでいるこちらもドキドキしてしまいます。やや上級者向けかもしれませんが、読んでも損はない一冊です。
　ちなみに、作者・市ヶ谷先生の新連載「センセイ・コレクション」がWEBマガジンCOMICフルールにて無料で読むことが出来ます。この作品はオムニバス形式となっていて、様々な「センセイ」の恋愛模様を楽しめる作品です。こちらもおじさま成分たっぷり入っていますので、要チェックです!!

　以上、満を持してオススメしたい作品でした。シルバーウィークにはぜひともシルバーBLを読んで、新たな萌の扉を開いてみてはいかがでしょうか？

文＝雨野裾