ドンデン返しの連発! いまだ秘密も明かされない『今際の国のアリス』が面白い! 新刊16巻発売

マンガ

公開日:2015/9/29

今際の国のアリス
(麻生羽呂/小学館)
最新16巻

 『週刊少年サンデー』(小学館)で連載中の『今際の国のアリス』最新刊16巻が発売された。「♢K(だいやのきんぐ)」とチシヤの『げぇむ』が、遂に決着の時を迎える! 王水を被って黒焦げになるのはどっちなんだ!? と、ワクワクしていたコミックス派の読者は、筆者だけではないはず。

 だいやのきんぐ? げぇむ? なんのこっちゃという人のために、ざっくりあらすじを説明しよう。

 主人公の有栖良平(アリス)は、大きな花火を見たことがきっかけで『今際の国』へと迷い込んでしまう。そこにはアリスと同じように現実世界から飛ばされてきた人が大勢いた。そして、彼らは夜毎開催される残酷な『げぇむ』に参加させられることになる…。『げぇむ』に勝たなければ『今際の国』では生きられない。そんなサバイバル漫画なのだ。

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 この漫画のすごいところは、16巻においても『今際の国』の秘密がほとんど明かされていないところにある。つまり、アリスたちが何のために、どうして『げぇむ』をしなければならないのか、まるで解明されていない。それなのに、ダレることなくストーリーがさくさくと進んでいくため、読まずにはいられないのだ。

 また、登場人物が多いにも関わらず、それぞれが非常に魅力的だというのも、作品を盛り上げる要因のひとつになっている。実際に、16巻の前半は、主人公アリスが登場しない特別編という扱いだが、物語序盤から登場していたチシヤの運命に注目せずにはいられない。

 しかし、物語は着実にクライマックスに近づいている。恐らく現在の展開は、大ボス戦だと思われる。恐らくというのは、この漫画はドンデン返しが多いので、断定できないのだ。次がラスボスのような気がしているけど、まだまだ隠された存在がいるかもしれない…と思わせるところが実にミソ。

 興味が沸いたという人は、ぜひ1巻から読んでみてほしい。しかし、先述したようにこの漫画はドンデン返しの宝庫なので心して読むべし。まずは3巻あたりで「ええっ!?」と驚愕するはずだから。

文=中村未来(清談社)