本読みのプロも絶賛! 直木賞作家・辻村深月、初の本格怪談短編『きのうの影踏み』発売

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/17

    きのうの影踏み

 怖いことは、きのうのうちに終わったはず… けれど明日また、その怖いところに行ってしまうかもしれない。

 書くごとに作品の幅を広げ、進化し続ける直木賞作家、辻村深月。彼女の初となる本格怪談『きのうの影踏み』が2015年9月26日(土)に発売となった。恐怖が日常のすぐ隣にあることを想像させる13篇が収録されている。

怖くて好きなものを全部入れてみました。この話の主人公はその後、どうなっただろう?と、読後、気にしてくれたら嬉しいです辻村深月

本読みのプロからも絶賛の声続々!

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どの作品からも、人が人として生きる上で逃れられない、どうしようもない哀しさが立ち上っている。哀しいから、怪談は恐ろしく、美しい。ライター 門賀美央子

本当の恐怖はいちばん身近なところにある。『きのうの影踏み』は決して怖がらせるだけの怪談集ではない。誰もが持つ感情を完璧に閉じ込め、深い物語性を湛えた愛の結晶である。三省堂書店 内田剛

「その先」の恐怖の予感に幾度となく本を繰る指が止まりました。それでも最後まで読むことができたのは、辻村さんが綴る、時に残酷に、時に哀しく、そして時に優しい恐怖にきっと魅せられたからです。書泉グランデ 高松亮二

どれも今まで読んだことがない、まさに新機軸の怪談ぞろいで、フレッシュな不気味さがある。そしてそのすべてに「これは人間のしでかすこと」というくくりがある。味わうべきは、恐怖の瞬間以上に、長く尾を引くかなしみなのだ。代官山 蔦屋書店 間室道子

影踏みは、私たちの幼い時代を、場合によっては生まれる前の記憶を喚起させる。過去と今の狭間から、不意打ちのように影は襲いかかる。そのとき影の向こうに見える光景は……。さあ。読んでください。そして、踏んでください。あなたの影を。あるいは、だれかの影を。横浜国立大学教授 日本近現代文学 文化史研究 一柳廣孝

内容
「十円参り」
子どもの頃、流行っていたおまじないは、嫌いな人、消したい人の名前を書いた紙を十円玉と一緒に十日間続けて賽銭箱に投げ込むことだった。ある日、子どもたちは消えた子どもについて相談していて…。

「手紙の主」
あるホラー作家が語る謎めいたファンレターの話を聞きぞっとした。私のところにも少し違う同じような怪しい手紙が届いていたからだ。その手紙の主を追及するうちに次々と怪しい出来事が連続し…。

「私の町の占い師」
出産のため里帰りしていた町で聞いた怪しい占い師の噂。ある日、スーパーで見知らぬ老女を見かけた瞬間、その人だと直感し…。

■『きのうの影踏み
著:辻村深月
装画:笹井一個
デザイン:祖父江慎
発売日:2015年9月26日(土)
価格:1,500円(+税)
出版社:KADOKAWA
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辻村深月(つじむら・みづき)
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞受賞。12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞受賞。主な著書に『本日は大安なり』『ふちなしのかがみ』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など多数。