神聖かまってちゃんも絶賛!ホラーマンガの鬼才・呪みちるインタビュー | 夏のホラー部第8回

更新日:2015/10/5

ホラーマンガほど面白いものはない

――2013年に刊行された『ライオンの首 呪みちる作品集 1996-2012』(トラッシュ・アップ)は、レア作品を集めた作品集として話題を呼びました。
:これまで読者の反応ってほとんどなかったんです。編集者がたまに「よかったよ」と言ってくれるくらいで、ファンレターなんてまず来たことがない。本当に自分の読者っているのかな?と不安になるくらいでした。『ライオンの首』ではあちこちから予想外の反応をもらって、こんなに待っていてくれる人がいたんだと嬉しくなりましたね。

――最近では、神聖かまってちゃんのツアーグッズを手がけられ、ボーカルのの子さんと対談されて、ますますファン層が拡大した様子です。
:ありがたいことに若い人たちが、手に入れにくい本を読んでくれている。一体どこで買っているんだろうと、不思議なんですけど(笑)。

――『ライオンの首』は古本でとんでもない高値がついていますもんね。新規ファンのためにもますますご活躍ください。
:描きたいネタはまだありますので、機会さえいただければどんどん描いていきたいと思います。最近はホラーマンガが少しずつ息を吹き返している気もしますし、フィクションのホラーを扱う媒体がもっと増えてくれれば嬉しいです。

――では、最後に読者にメッセージを。
:ホラーは苦手とか、怖いものは読みたくないという方は多いと思います。ぼくもそうだったので気持ちはよく分かるんですが、こんなに面白いものはありません。普通のマンガにはない強烈な力があって、未知の世界に連れていってくれる。ホラーマンガには傑作がたくさんあるので、勇気を出して覗いてみてください。『火星高校の夜』も、普段ホラーを読まない人に手に取ってもらえたら、と思っています。

呪みちる

取材・文=朝宮運河

■プロフィール
呪みちる●別名義でマンガ家デビューを果たした後、1998年「時計屋敷の少女」でホラーマンガ家デビュー。以後、ホラーマンガ誌を中心に、幻想的なムードの色濃い作品を相次いで発表。人気作家となる。2013年、入手困難だった作品を集めた『ライオンの首 呪みちる作品集 1996-2012』が刊行され話題を呼んだ。他のコミックスに『人造人間の怪 呪みちる初期傑作選Ⅰ』(ともにトラッシュ・アップ)など。現在、『TRASH-UP!!』誌上にて最新作「エレノイド・ミッシェル」を連載中。