『アラサーちゃん』発売記念☆乙武洋匡×峰なゆか対談

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更新日:2013/8/13

『アラサーちゃん』は35億人の男子をふるいにかける漫画です!!

エロくてかわいい、そしてモテ技満載の「アラサーちゃん」は、ブログで発表当初から話題沸騰に。そして、満を持して11月18日(金)、峰なゆかの初の単行本にして漫画本『アラサーちゃん』(メディアファクトリー)がついに発売!
発売を記念して、かねてより著者と親交が深かった乙武洋匡さんと『アラサー』ちゃんのテーマである“モテ技”について対談を行った

子供の頃の夢が叶って漫画家に。
アラサー女子の新たなる魅力を開拓!

——乙武さんは『アラサーちゃん』の本に、「思わずニヤッとしてしまう、オンナゴコロの『解体新書』」という推薦文を寄せています。

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乙武 今まで、女の子の内面、思考の過程を語ってくれる人がいなかったので、男の子にとっては分かりづらかった。分かりづらいからこそ、女の子に対してビビってる男の子っていっぱいいたと思うんです。そういう男の子に読んで欲しいなと思ったんですよ。「オンナゴコロは分からない」ってモヤモヤしてビビっちゃってたのが、「あ、こういうことだったんだ」って、面白おかしく書いてありますから。

峰 男の人って、女の子が<アラサーちゃん>みたいなモテ技をいろいろ考えて実行してるっていうのだけで、ビビるじゃないですか。わー怖ぇ、なんかずるい、みたいな。

乙武 それを可愛いと思えるかどうか、だよね。

峰 そう! なんのためにそういうことを一生懸命やってるかっていうと、男の子に好きになってほしいからで。それってすごく可愛いことなのに、何をビビる必要があるのか、と。そこらへんを乙武さんは、どーんと構えてるわけですよ。だって私のこと、怖がってないもん!

一同 (笑)

峰 でも、まさか対談を引き受けて下さるとは思わなくて……。

乙武 え!? なんで、なんで?

峰 だって、仕事として関わっていいのかな? と思って。
いまだに、「乙武さんは純粋な人だから!」っていうのがあるので……。
飲み屋では下ネタも話してくれるけど、こんなね、色んな人に読まれる場所でざっくばらんにお話していいのかしら、と。

乙武 嬉しかったですよ。僕なんかでよければ、と。
今日はしゃべりますよ! 載せられる範囲で、載せて下さい(笑)。

——乙武さんは、以前から『アラサーちゃんの』熱心な読者だったそうですね。

乙武 前から彼女の文章の大ファンで、ブログを面白いな〜と思いながら読んでいたんです。そのブログで急に漫画を描き出したから、「こんな才能もあるのか!」と。
でも、文章も漫画も、僕はテイストが似てるなぁと思って。
みんなが思ってるけど、表だっては言えないことを、ちょっと斜めから切り込んでクスッと笑わせるっていう。
だから漫画の方もちょいちょいチェックしてたんですけど、まさか一冊貯まるぶんぐらい描いているとは。びっくりしました。

峰 1冊丸ごと、120ページ描き下ろしましたよ! 
ブログの時は、コピー用紙にボールペンで描いてたんです。
それを古臭いスキャナでスキャンして上げてたんで、画素数も悪くて。
なので単行本の時に、ブログに載せてたのも全部描き直したんです。

乙武 おおお〜!

峰 しかも私、家に漫画を描ける机がないんですよ。
家にある机は表面の木目がぼこぼこしてて、絵が描けないんです。
しょうがないんで、原稿用紙とかインクとかをファミレスに持って行ってですね、ファミレスで、Gペンにインクを付けて、10時間とか粘って描いて。
裸とかも出てくるから、気まずかったですよ〜。

乙武 この人は何をやってるんだろうって思うよね、昼日中から。

——本当の漫画家さんみたいですね!

乙武 でも、本当の漫画家さんは作業場あるからね(笑)。
ていうか、机を買うよ! 印税で買お?

峰 あ、そうですね! あざーっす。

乙武 でもさ、なゆちゃんは文学少女で、それで自分でも文章を書き始めたっていう話は一緒に飲みに行ったりした時に聞いていたんだけど。
絵は、昔から好きだったの?

峰 や、もともと私は漫画家志望だったんです。

乙武 そうなの!?

峰 そうですよ〜。中学生ぐらいまで少女漫画をずっと描いてて、「りぼん」とかに投稿してたんです。なんですけど、「あ、ダメだ」って途中で諦めて。
そもそも誰とも付き合ったことのない中学生が、ラブの話とか描けねえよ、とか思って。
そこからは一切、漫画から離れてたんです。
でも急に、「漫画を描こう!」みたいな感じになって。
10年ぶりに描いたら、こういう絵になっててびっくりしましたよ!
昔はもっとセーラームーンみたいな絵だったのに。

乙武 少女漫画のキラキラって瞳が、ニヒルな瞳になってるもん。
いろいろあったんだねぇ(笑)。

峰 はい(笑)。
だから私、漫画家になれて嬉しいです、今。

乙武 ホントだね! 子供の頃の夢を叶えたんだね。
でもさ、10年後に漫画を描いたのは、何かきっかけがあったの?

峰 きっかけは、あとがき漫画でも描いたんですけど、『ヤングくん』っていうしょうもない4コマ漫画があるんですよ。
超シンプルな絵の、シュールな四コマ漫画なんですけど。
その作者の人と、お仕事で対談をしたんです。
で、作者がイケメンでおしゃれな感じで、私はホントに腹が立ったんですよ。なんだこれは、こんなんなら私も描けるぜ、と。
それで、「ヤングくん」に対抗して最初は「ヤングちゃん」を描く!
って言ってたんですけど、途中で「別にあたし、ヤングじゃなくね?」って気がついて。

乙武 あはは。

峰 私、今までは、巨乳と若さってところだけで売ってきたんですけど。
これから若さが失われるんだと思ったら、アラサー女性としての新たなる魅力みたいなのを私も開拓していかなくてはという、大きな課題はずっと持ってたんですよ。

乙武 なゆちゃん、年いくつだっけ?

峰 明日、27歳になります。

乙武 明日誕生日? おめでとうー! ってことは、25、26歳の頃から描き始めたわけでしょ?

峰 そっか、描き始めたのは25の時ですね。

乙武 25歳だとアラサーではない、と思うんだけど。

——25、26歳でアラサーというのはちょっと早い、ですよね。ちなみに<アラサーちゃん>は30歳ぴったり。基本的には、30歳を超えてる人の方が言いそうな気がします。

峰 あ、そうですね。34歳とかの方が、「アラサーです」って言って年齢をボカす、みたいな。私としては、アラサーになってからじゃ遅い!と思って。
なってすぐに、アラサー女性として輝けるようにですね、早め早めに心の準備をしておこうと。

乙武 なるほどね。老後を迎えてからあたふたするのじゃ遅いように、アラサーを迎える前から、アラサーになる準備をしてきたわけだ。そのひとつが、『アラサーちゃん』を描いて、自己認識することだった!

峰 その通りです(笑)。