「サザエさんは、完全に勝ち組!」名作マンガ・アニメの“間取り図”から見る、彼らの暮らしぶり

マンガ

公開日:2015/10/11

『名作マンガの間取り [新版]』(影山明仁/SBクリエイティブ)
『名作マンガの間取り [新版]』(影山明仁/SBクリエイティブ)

 国民的長寿アニメ作品、「サザエさん」。日曜日の夜は欠かさず観ているという人も少なくないだろう。そんな「サザエさん」フリークの間で、こんな声が挙がっている。「サザエさんって、完全に勝ち組だろ」。どうやらその根拠は、彼らが住む家にあるらしい。

 そこで手に取ってみたのが、『名作マンガの間取り [新版]』(影山明仁/SBクリエイティブ)。本書は、建築コンサルタントである影山氏が、マンガやアニメに登場する家の間取り図を断片的な情報をもとに描いたも組み立てたもの。掲載されているのは、全部で71物件。そこで、誰もが知る国民的名作の主人公たちが、いったいどんな家に住んでいるのかを見てみよう!

サザエさん


 まずはなにより、「サザエさん」のお宅を拝見。平屋の一戸建てだが、十分な広さだ。というか、世田谷区でこの広さの物件に住むとなると、相当な費用がかかるはず。これは「金持ち」と言われるのも当然だろう。部屋同士がふすまで仕切られているだけのため、プライバシー的な問題が気になるが、カツオもワカメもまだ小学生だから問題ないのか。本書に寄れば、「波平さんが亡くなったときの相続税が心配」とのこと。物件の価値は相当なものらしいので、サザエさん、相続税対策はいまのうちにしておいて!

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ちびまる子ちゃん


 上記の「サザエさん」とともに、日曜日の夜を賑わしてくれる「ちびまる子ちゃん」の物件。アニメに登場する外観だけではとても作図なんてできないらしく、なかでもまる子の両親・ひろしとすみれの部屋を特定するのは困難を極めたそう。ほとんどの部屋を誰かしらと共有しているだけあって、家族仲は良好な様子がうかがえる(まる子とお姉ちゃんは微妙だが)。縁側があるのも高ポイント。まる子や友蔵と一緒に縁側に座って、ダラダラとした時間を過ごしてみたいものだ。

ドラえもん

    ドラえもん(旧)間取り

 こちらは、ドラえもんが居候する、野比のび助邸。練馬区に構える一軒家で、なんと応接室も完備。そういえば、作中でもたま~に登場していたような…。結構お金持ちなのか!?  2階にはのび太の部屋と、空き部屋が一室。普段使っている様子もないんだから、押入れじゃなくてそこをドラえもんに貸してあげたらいいのに。のび助だって、「うちは4人家族じゃないか」とドラえもんを頭数に入れている。となると、これはドラえもんの意志? ネコ故に、狭い空間を好むということかも。

    ドラえもん(新)間取り

 のび太の家も広いなぁ、なんて思っていたら、最近の「ドラえもん」では、なんと間取りが変わっているそう。以前よりも狭くなっているのだ! 1階からは両親の寝室がなくなっており、2階はのび太の部屋1室のみに。もしかして、のび助の給料カットか!? このご時世、家計が苦しくなってもおかしくはない。なんとも世知辛い世の中である。ドラえもんがなんとかすればいいのに、という意見は飲み込むのが大人。

 作中ではなかなか全容が明かされない、マンガ・アニメの主人公たちの住居。こうしてみると、彼らの普段の生活が垣間見えるようでおもしろい。そしてやはり、「サザエさん勝ち組説」は頷ける結果だった。タラちゃんがうらやましい。

文=前田レゴ