ブームの発端はフランス女子! ストレスオフできる“大人の塗り絵”は趣味に最適!

文芸・カルチャー

2015/10/11

 最近、書店でよく見かける“大人の塗り絵”。なんでこんなに人気なんだろう? と気になっている人も多いはず。

 実は、大人の塗り絵が注目されているのは、そのクオリティの高さ。フランスでは「コロリアージュ」と呼ばれ、花や動物をモチーフにした繊細なグラフィックが図案となっており、子どもの塗り絵と比べるとその差は歴然。世界の名画や風景画のほか、童話をモチーフにした乙女心をくすぐる題材も多い。

 さらに、好みの配色を考えながら集中して塗る作業は、リラックス効果が得られるという。ひとつの作品を仕上げたときの達成感もたまらないはずだ。

 そんな塗り絵ブームの先駆けとなった本が、『ひみつの花園』(ジョハンナ・バスフォード/グラフィック社)。タイトル通り、ヨーロッパ風の花園に美しい動植物が散りばめられている一冊で、眺めているだけでも胸がときめいてしまう。同書をキッカケに、ここ1年くらい日本でも多数の塗り絵本が出版されており、『The Time Garden 時の庭園 少女とともに時を旅する、大人のぬりえbook』(日本文芸社)もそのひとつ。造形作家のダリア・ソンさんによる緻密なイラストとともに、少女が鳩時計の中に迷い込んだストーリーが綴られている。

 本場フランスではペンを使って塗るのが主流だが、日本は水彩色えんぴつなど本格的な画材で丹念に塗る人が多いのだとか。最近では、Instagramに完成作をアップして、交流しているファンも増えている。

 そこで、このブームに乗っかってみようと私が選んだ塗り絵は、『大人の塗り絵 人気浮世絵師編』(河出書房新社)。今年、展覧会が相次いで開催されて注目を集める浮世絵が題材で、葛飾北斎、歌川国芳らの絵が11点収録されている。

 塗り絵なんて20年以上前に某美少女戦士の本で遊んだっきり。絵心ゼロの私が描いたらリラックスどころかストレスが溜まるんじゃ…。そんな一抹の不安を抱えながら、挑戦してみた。

 今回色を塗るのは、歌川広重の「海棠にいんこ」。オリジナルは緑のいんこだが、さてどう塗ろう。色えんぴつを持つ前に、じっくりイメトレする。


 おそるおそる塗り始める。思いきって、緑のボディを真っ赤にしてみた。そうすると、くちばしは何色にしようか、目元に緑を使おうか…。完成図のイメージをあれこれふくらませながら、あっという間に時間が過ぎていく。


 1時間後、ようやく完成! 赤いボディのパンチが強くて派手すぎる仕上がりになってしまったが、インコっぽさでいったらオリジナルに負けていないはず。

 出来はさておき、完成したときの感動はひとしおで、自画自賛だが素敵…と、いつまでもウットリ眺めていられる。長い時間集中していたけど、試行錯誤しながら色を塗る作業は、普段使わない脳の一部が刺激されるようで気持ちよかった。塗り絵によるリラックス効果は想像以上にすごい。これは手芸やハンドメイド好きな人には特におすすめかも。

 新たな趣味として注目される大人の塗り絵。体験していない人も、一度チャレンジしてみればハマること間違いなし!

文=松本まりあ