石原慎太郎「日本の海は恐ろしく、楽しく美しい」日本の海の魅力を綴ったエッセイ集発売

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/18

    荒波の津軽海峡から眺める龍飛岬(2014年3月)/撮影・小林廉宜

 中学生の頃からのヨットマン、海の男・石原慎太郎。石原の眼差しをとおして描かれる、限りなく深い海の魅力を綴ったエッセイ集『私の海の地図』が、2015年10月9日(金)に発売された。

 風や波の味わい、海の上から眺める島や岩、岬のまったく違う印象。神子元島(みこもとじま)、初島、式根島、三本岳、爪木崎、南島、トカラ列島、久米島、与那国島、龍飛岬、湘南…。臨場感あふれるカラー写真124ページを介して綴る、石原のこれまでの海の記録の集大成だ。

    日本最西端の孤島、沖縄県与那国島。島の東端の岬、東崎(あがりざき)/撮影・小林廉宜

計り知れぬ魅力に富んだこの国の海というものを、いったい何人の日本人が知っているのだろうかと思えば、なぜか口惜しい気がしてならない石原慎太郎

 「日本の海は変化に富んで、複雑怪奇、すなわち恐ろしく、楽しく美しい」と断言する石原が贈る「海の啓蒙書」。遭難寸前のオーシャンレースでの体験、著者のクルーザーであるコンテッサ歴代の勇姿、石原文学を育んだ海を一望できる書斎、世界の海での鮮やかなエピソードなどが満載。

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 あらためて言うまでもなく、我々日本人を見守り、自然の厳しさ、恵みを教えてくれる海への畏敬の念をこめた一冊である。

<目次>
・湘南の海
・限りなく恐ろしく美しい難所 神子元島
・初島の魅力
・愛してやまない式根島
・絶海に聳える孤岩の群れ 三本岳
・越すに越されぬ爪木崎
・秘宝の南島
・波切大王 なけりゃいい 大王崎
・秘境列島のトカラ
・白砂の浜を巡る海 久米島
・未知に満ちた西表島
・与那国島の海底神殿
・吹きすさぶ龍飛岬
・書斎から眺める逗子湾
・恐ろしい北マリアナ
・憧れの大環礁 ヘレン
・夢の群島 カロリン諸島
・限りない変化の海 グレートバリアリーフ

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■『私の海の地図
著:石原慎太郎
価格:3,000円(+税)
発売日:2015年10月9日(金)
仕様:四六判/上製320頁
出版社:世界文化社

石原慎太郎
1932年9月30日神戸市生まれ。一橋大学卒業。1956年、一橋大学在学中に執筆した『太陽の季節』で芥川賞を受賞。『完全な遊戯』『星と舵』『化石の森』(芸術選奨文部大臣賞受賞)、『生還』『わが人生の時の時』『風についての記憶』『弟』『やや暴力的に』『歴史の十字路に立って』など著書多数。1968年、国会議員に当選し、環境庁長官、運輸大臣などを歴任。1995年、勤続25年を機に国会議員を辞職。1999年から2012年まで東京都知事を4期にわたって務める。同年、衆議院議員として国政に復帰、2014年12月政界引退を表明。2015年、旭日大綬章受章。