魔王がファミレスでアルバイトする…!? トンデモ設定満載の「魔王×コメディ」マンガが続々

マンガ

公開日:2015/10/19

 ファンタジーな世界観を持つ作品で、絶対的な“悪”として描かれることが多い「魔王」という存在。恐怖による支配、世界征服、闇の軍勢…。彼らを取り巻くのは、こういった不穏な設定ばかり。ところが、ここ最近、そんな魔王をコメディタッチに味付けしたマンガが続々と登場していることをご存じだろうか?

 たとえば、『うちの魔王かみませんよ』(おとうさん/スクウェア・エニックス)。本作は、「異世界」の住人たちをペットとして飼えるようになった日本が舞台のコメディ。そして、主人公・ユウヘイが飼っているのが、魔王なのだ。

 この魔王は、見ているだけで胸キュン必至。散歩に行けば“排水口”にビビリ、小学生に囲まれただけでアガってしまう。お隣さんが飼っている“勇者”を怖がり、とにかくアイスには目がない。感情をあまり表に出さず、それでもユウヘイのことを慕っている様子は、まるで猫のようだ。とはいえ、ときには魔王らしさの片鱗も垣間見ることができる。。排水口を飛び越えるために大きな翼を広げ、勇者を威嚇するために禍々しい最終形態に変身する。その都度、ユウヘイから「そんなことするな」と怒られてしまうのだが。

 『育てち魔おう!』(飯島浩介/講談社)は、上記とは異なり「魔界」を舞台にした作品。そこで描かれるのは、魔王が魔界を統治する姿…ではなく、魔界に迷い込んでしまった人間の子どもを育てるために奮闘する様子だ。

 登場するのは3人の魔王たち。大魔王「デス・マスク」、魔王「ジャイアント・ロック」、魔王「ダーク・ナイト」と、いかにもな名前の3魔王だ。そんな彼らのもとに、ある日突然現れたのが、人間の3歳児・マリス。はじめは「人間の子どもなど処刑しろ!」と容赦ない姿勢を見せる3人だが、次第にそのかわいさにほだされてしまい、気づけば子育てに夢中に。魔界を統べる王たちが3歳児に翻弄される姿は微笑ましく、そのイクメンぶりにほっこりさせられる作品だ。

 最後に紹介するのは、『フロアに魔王がいます』(川上真樹・画、はと・脚本/KADOKAWA)。本作は、なんと魔王がファミレスでバイトをするという、トンデモ設定のドタバタギャグだ。

 あるとき、入間光一が働くファミレスに、バイトの面接でやって来たのが、魔王「アモン・パトリシア」。なんとも大仰な名前だが、見た目は小学生女子。どこが魔王なのか、と頭を抱える入間に対し、「お腹が空いているせいで、こんな姿になっているのだ」と胸を張るのだが…。なんの因果か、入間の作る“まかない”をお腹いっぱい食べることで、本来の姿に戻れる魔王(と、魔族の仲間たち)。気づけば、入間の働くファミレスは、ちょっと変わったバイトで溢れてしまうのだった。

 これらの作品に共通するのは、いわば「ギャップ萌え」である。異形の怪物というイメージを持つ魔王に、それとかけ離れたエッセンスを加える。魔王×ペット、魔王×子育て、魔王×ファミレス。そこに生じたギャップがぼくらを夢中にさせ、いつしか作品世界へと飲み込んでしまうのだろう。魔王って、本当はいい奴なのかも…! そう思ったら、ドラ●エに代表されるファンタジー系のRPGができなくなりそうで怖い。

文=前田レゴ