『もしドラ』の第2弾発売決定! 今度のテーマは「イノベーション」

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/17

    画像は『もしドラ』の表紙

 主役はマネージャー。野球部はベンチャー企業。人を集め、部員を育て、勝てる組織にするためには? マネージャーと野球部員たちが、自らの力で甲子園を目指す青春小説!

 累計275万部を突破した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(以下、『もしドラ』)の第2弾、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』(以下、『もしイノ』)が2015年12月5日(土)に発売されることが決定した。

 『もしドラ』刊行後、「続編は出さない」と公言していた著者・岩崎夏海が、その言葉を撤回して書き上げた新作。今度のテーマは、ドラッカーの『イノベーションと企業家精神』。岩崎が、ドラッカーの中でも比較的地味なこの本を選んだのには意味があるのだという。

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 日本ではいま、「イノベーション」の必要性が再認識されている。なぜなら、世界を舞台とした過酷な競争社会を生き抜くために、「競争しないためのイノベーション」が不可欠になり、イノベーションを生み出すためには古いルールをマネジメントする力ではなく、新しい価値観を生み出そうとする「企業家精神」が必要になるから。

 これは今の日本企業が取り組むべき喫緊の課題というだけでなく、新しい時代への過渡期に生きる私たち個々人が向き合うべき課題でもあると言える。また、『もしドラ』刊行後、岩崎はよくこう言われたという。

「『もしドラ』を読んで実践したのですが、うまくいきません……」

 強い組織に生まれ変わろうとすると、「マネジメント」だけでなく、別の要素も必要だと実感する。「マネジメント」と共に必要とされるもうひとつの要素、それこそが「組織の成長」だ。強みを伸ばす「マネジメント力」だけではなく、弱みを克服する「教育」によって、組織ははじめて成長できる。

 では、弱みを克服し、組織として成長するためには何が必要なのか?

 『もしドラ』のテーマは「マネジメント」と「真摯さ」だったが、あれから6年―。日本を取り巻く環境は激変した。そこで今度は『もしイノ』で、ドラッカーが語る「イノベーション」の方法を丁寧に読み解きながら、「マネジメント」によってメンバー全員に「居場所」がつくられ、組織が成長し、競争を生き抜いていく様子を描いていく。

■『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら
著:岩崎夏海
価格:1,600円(+税)
発売日:2015年12月5日(土)
仕様:四六判/並製/336ページ
出版社:ダイヤモンド社

舞台は、『もしドラ』の女子マネージャー・北条文乃が新人教師として赴任する、東京多摩地区の私立浅川学園。1年生の女子生徒・夢が、『もしドラ』を偶然読むことから物語は始まる。夢は友人の真実に強引に誘われ、野球部のマネージャーになる。しかし、浅川学園には野球部がなかった。かつては甲子園に出場したこともあったが、25年前に廃部になっていたのだ。そうして真実と夢は、自らの手で野球部をつくることを決意する――。

教科書にしたのは、ドラッカーの『イノベーションと企業家精神』。“イノベーションとは競争しないことである”という指針のもと、競争しなくても勝てる、まったく新しい野球部をつくろうとする。彼らは野球部の「企業家」になろうとするのだ。「経営者」ではなく、新しい価値を生み出すことを目的とした「企業家精神」を持って、事業を起こそうとする。

こうしてマネージャーたちによる野球部の「民営化」が始まる。自らの力で野球部員を勧誘し、人材を育て、監督をスカウトし、グラウンドなどの環境を整備するマネージャーは組織の主役となり、トレーニングメニューや指導法を考え、勝つための投手のローテーション法や、球種を編み出していくことになる――。

メンバーが抱える弱み、マネージャーとしての資質、居場所づくりの難しさなどの壁を乗り越えながら、野球部は甲子園に勝ち進むことはできるのか? 果たして、マネージャーたちによるイノベーションは成功するのか?

岩崎夏海(いわさき・なつみ)
1968年生まれ。東京都日野市出身。東京藝術大学建築科卒。大学卒業後、作詞家の秋元康に師事。放送作家として「とんねるずのみなさんのおかげです」「ダウンタウンのごっつええ感じ」等、テレビ番組の制作に参加。その後、アイドルグループAKB48のプロデュースなどにも携わる。2009年12月、初めての作品となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を著し、275万部のベストセラーに。同書は映画化、アニメ化、マンガ化され、日本中に『もしドラ』ブームを巻き起こした。