「心ならずも」「おこがましい」「打てば響く」大和言葉で印象をワンランクアップさせよう
公開日:2015/11/3
美人で姿勢もスタイルも良く、性格もかわいい女性に出会ったとしても、言葉遣いが汚く、敬語もろくに話せないとしたら、少し幻滅してしまいますよね。
「話し方」「言葉のチョイス」というのは、とても重要なものです。
裏を返せば、言葉遣いを気にするだけで、自分の印象をアップさせることだって出来るんです。プライベートで、ビジネスシーンで……自分をワンランクアップさせたいなら、大和言葉を意識してみるのはいかがでしょうか?
『一目置かれる大和言葉の言いまわし』(山岸弘子/宝島社)は、そのための手助けになる一冊です。
シーン別で、実用性の高い大和言葉を紹介しているので、とても使いやすく、例文も載っているため、使い方も間違えません。
そもそも、「大和言葉とは、つまりどういうこと?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。色々な意味があるために、明確に定義するのが難しいのですが、今回は「日本古来の気遣いがあふれた美しい言葉」だと思っていただけるとよろしいかと思います。
それでは、本書の大和言葉をいくつかご紹介していきましょう。
心ならずも、連絡が遅くなりましたが、よろしくお願いいたします。
こちらからお願い、頼み事をした相手への連絡が遅くなってしまった時、「すみません、連絡が遅くなりました」「仕事が忙しくて」など、簡単な謝罪をしてしまったり、言い訳をしたりしていませんか? そんな時は、「心ならずも」と一言添えるだけで、申し訳ないという気持ちも、対応が遅れたことは本意ではないということが伝えられます。
きまりが悪い気持ちはわかりますよ。
「きまりが悪い」は「なんとなく気まずい、恥ずかしい」という意味です。これはミスをしたことをごまかそうとしている部下に、「きまりが悪い気持ちは分かりますが、一緒に改善策を探していきましょう」といったように使うと、相手を叱りつつ、突き放した言い方をせずに済む言い方です。
おこがましいとは思いますが……
取引先相手、上司などに自分の意見を言いたい場合、突然切り出すのも度胸がいることだと思います。相手が「否定された」と感じないように、「おこがましいとは思いますが」と口にしてから、意見を述べてみるのはいかがでしょう。「おこがましい」とは、「身の程をわきまえてないこと」「生意気なこと」という意味です。自分を謙遜する時にも使えるんですよ。
お手許(てもと)の冊子をご覧ください。
会議資料を配布した際に、「そちらの冊子をご覧ください」「お配りした冊子をご覧ください」と言うよりも、「お手許」という言葉を使うのはいかがでしょうか。上品で柔らかい印象を与えることが出来ると思います。
打てば響くような方ですね。
相手を褒める時に使う言葉です。「学習能力が高い、賢くて聡明、利発」という印象を相手に与えることが出来ます。いざという時、中々適した言葉で褒めることは難しいと思います。「頭が良い人だな」と思っても、そのまま使ってしまうと、見下しているように捉えられてしまうことがあるかもしれません。そんな時は「打てば響くような方ですね」とほほ笑みながら口にしてみるのはいかがでしょう。
続けざまで申し訳ありません。
仕事関係の相手に、何度もメールを送ってしまったことはないでしょうか。書きそびれてしまったことがあり、メールを「連投」してしまうことです。しかし、「連投失礼します」では、いかにも若者言葉ですね。 その時は「続けざま」という大和言葉が適していると思います。
今回ご紹介いたしましたのは、ほんの一部です。本書には豊富な文例が280個も収録されています。大和言葉というと、年配の方や女性が使うイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。若い女性や、男性が口にすることで、より一層言葉の持つ奥ゆかしさ、上品さを相手に与えることが出来るのではないでしょうか。
文=雨野裾