「もう死んでしまえ」…ドラえもんがのび太に言い放つ“暴言”がジワジワくる

マンガ

公開日:2015/11/5

 もはや知らない人はいないであろう国民的マンガ、『ドラえもん』(藤子・F・不二雄/小学館)。主人公・野比のび太のために、未来からやって来たドラえもんがあれやこれやと手を尽くすさまは、ときにおかしく、ときにホロッとさせられる。うちにもドラえもんが来てくれたらいいのに。そんな風に願ったことがある読者も少なくないだろう。

 しかしながら、ドラえもんも聖人ではない。のび太のダメさ加減に嫌気がさして、ポロッと暴言を吐くことだってある。そして実は、その暴言がジワジワくる…と、ネット上でネタにされているのだ。はたして、ドラえもんはこれまでにどれほど酷いセリフを口にしてきたのか。単行本を読んで調査してみた。

「きみは年を取って死ぬまで、ろくなめにあわないのだ」
(単行本1巻「未来の国からはるばると」より)


 記念すべき第1話から、なんとも絶望的な言葉を言い放つドラえもん。言われたのび太がパニックを起こすのもわかる気がする。ドラえもんは、そんなのび太の運命を変えるためにやって来たのだが、それを先に言わないと伝わらないだろう。物事を正しく伝えるためには、話す順番が重要だと思い知らされるシーンである。

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「口きくのもめんどくさけりゃ、もう死んでしまえ。君にはあきれた。実にあきれた!」
(単行本18巻「テレパしい」より)


 思っていることを口にしなくても通じるようにしてくれる機械はないか、と望むのび太に、ドラえもんが怒ってしまった場面。呆れ返って怒っているドラえもんに対し、当事者であるのび太は「ドラえもんは短気だなあ」と、実にのんきなものである。

「きみが女の子につけまわされるなんて…、天地がひっくり返ってもありっこない」
(単行本22巻「ジャイ子の恋人=のび太」より)


 物語の冒頭で誰かに付け回されていることに気づいたのび太がドラえもんに相談すると、返ってきたのがこのセリフ。確かに、のび太はぐうたらでダメな奴だけど、それにしたってこの言い方は酷すぎないだろうか…。ドラえもんに爆笑されたのび太が惨めだ。

「爆発させれば、その灰をかぶった人はみな、きみみたいに頭悪く弱くてずっこけて…」
(単行本26巻「ビョードーばくだん」より)


 「生まれつき頭が良かったり悪かったり、そんなの不公平だ」と訴えるのび太に、みんなの能力を平等にするひみつ道具を出してあげたドラえもん。その機能を説明するときの暴言だが、当ののび太も「言い方は気に入らないけど素晴らしい」と納得した模様。

 

「そりゃ、のび太の頭はもともとからっぽだもの」
(単行本30巻「ねむりの天才のび太」より)


 「ねむり方を教えて」というしずかちゃんに、「頭のなかをからっぽにすればねむれるのに、どうしてそんな簡単なことができないの!」と怒るのび太。そんなのび太に対し、ドラえもんが思わずポロッと言ってしまった失言だ。まあ、気持ちはわかる。

 

「年に2、3回発作的に決心するんだよね。それがどれだけつづくかだけど。今までの最高が48分23秒」
(単行本43巻「男は決心!」より)


 「いつまでもだらけてなんかいられない!生まれ変わるんだ!」と机に向かったのび太に対し、ヘラヘラ笑いながら言ったセリフがこちら。案の定、その暴言を受けて、のび太はいじけてしまう。少しずつ成長しているのび太を邪魔しちゃ意味がないよ、ドラえもん…。

 

 調べてみると、ドラえもんの暴言は、物語の冒頭で登場することが多い。毎回突拍子もないことを言い出すのび太に呆れたり、怒ったり、ドラえもんもなかなか忙しいようだ。それでも結局ほだされてしまい、ひみつ道具を貸してしまったが最後、ろくなことにはならないのだけど。

 この他にも、ストーリー中にはドラえもんの暴言がちょいちょい出てくる。案外毒舌なのだ。すでに読んでしまったという人には、これらの暴言を探しながらの再読をオススメする。なんとも言えないドラえもんの表情と相まって、これらの名(?)暴言がジワジワくるはずだ。

文=前田レゴ