「いっぺんカーチャンの腹の中からやり直せ」深夜の女子会で繰り広げられる、クズ男への断罪が恐ろしい…!

マンガ

公開日:2015/11/8


『深夜のダメ恋図鑑』(尾崎衣良/小学館)

 女子会――。それは、決して男子が踏み入ることの許されない、現代の魔女会議だ。思い思いに着飾った女子が集まり、日頃の鬱憤を晴らすべく、トークに花を咲かせる。一説によれば、その議題は「男の悪口」であることが多いとか。なんて恐ろしい会なんでしょう…!

 『深夜のダメ恋図鑑』(尾崎衣良/小学館)は、そんな女子会の様子を描いたマンガだ。登場するのは、少女マンガのような恋に憧れる福間千代(25)、処女の元ヤン・古賀円(24)、いつ何時も飄々としている千鳥佐和子(25)の3人。彼女たちが、これまで出会ってきた男どもの“ダメさ加減”について、延々と語っている。そして、そのエピソードがやけにリアル。彼女たちの逆鱗に触れたクズ男たちを、ここで何人か紹介してみよう。

それはさすがにダメでしょ…【不倫男】

 円が恋した山田は、取引先のイケメン。何度かデートを繰り返し、想いを伝えたところ、彼からも「オレも好きだよ」とOKをもらうことに成功した。そこで円は意を決して、「処女」であることを打ち明けると、彼からも「オレの秘密も聞いて」と衝撃的な告白を受けることに。そう、彼は既婚者だったのだ。これが円を鬼に変える。「自分のことが好きなら不倫関係に甘んじろなんて、福山雅治でもねぇよ!いっぺんカーチャンの腹の中からやり直してきな!」とブチ切れることに。

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自分のことを棚に上げすぎ…【若い女好き男】

 こちらも円が出会ったクズ男。法事で親戚一同が集まった席にいたのが、イトコ・ユキの兄。40歳で独身の彼は、自分のことを棚に上げて、「女は若いほうが素直でいい」とのたまう始末。円の年齢を聞くや否や、「あと3年若ければな~」と、謎の上から目線を繰り出す。そこで円はまたもやキレてしまい、「相手するなら若い子のほうが、バカがバレなくて済みますもんね」と口撃。思わぬ反撃を受けた彼はその後部屋にこもってしまったが、
それを見て、「バルサンでもたいとけ」と容赦ない提案をするのだった…。

必死過ぎて泣けてくる…【復縁希望男】

 ある時、佐和子の元に、昔の男から「復縁メール」のようなものが届く。ずっと無視していても、「オマエと別れていろんな女と付き合ったけどダメなんだ」「オマエの支えになりたい」と、よりを戻そうアピールは一向にやむ気配がない。そこで、「すでに新しい彼氏がいて同棲している」と伝えると、彼の態度が一変。「もう次の男を連れ込んでるのかよ。ゆるい女だな!」なんて逆ギレするみっともなさ。そこで静かにキレた佐和子からの返信メールは、「ゆるいんじゃなくて、オマエのが小さいだけだろ。しめじしめじしめじしめじ…」と、なんとも精神的ダメージの大きいもの。

二次元にしかいないでしょ…【王子様になりきれない男】

 夢見がちな千代の相手は、誘い方もスマートで、まさに少女マンガに出てきそうな男。だがしかし、いざセックス!という段階で、必ずボロを出してしまう。鼻毛が出ていたり、お風呂に謎の毛が浮いていたり…。「王子様」を求める千代には、そういう姿がとにかく許せず、最後まで進むことができない。千代のそんな気持ちを知った彼は、理想の王子様に
なろうとがんばるのだが、乗馬を始めれば「暴れん坊将軍みたい」と笑われ、オデコにキスをすれば「なんかキモチワルイ…」と引かれてしまう。結局、普通の男が王子様になろうとしても、ただ滑稽なだけなのだ。

 このように、本作に登場する男たちは、クズでバカな奴らばっかり(千代の相手はかわいそうだが…)。でも、女性に若さを求めたり、別れた彼女に復縁をせまったりする男って、案外いるもの。あるいは、過去の自分がそんな過ちを犯していることも…。いずれにせよ、そんな男は、女子会でやり玉に挙げられてしまう。陰で「ホント、あの男バカなんだよね」なんて笑われるのが嫌ならば、本作から「嫌われる男の言動」を学んでおいたほうがいいかもしれない。

文=前田レゴ