『アラサーちゃん』重版決定記念☆乙武洋匡×峰なゆか対談

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更新日:2013/8/13

――『アラサーちゃん』を読むと、タブーが解放されていく感じがするんですよね。
「膣圧」を日常の話題にしていいんだ、と。「生理」は一般名詞なんだ、と。

乙武 タブー視されてたことも、語っていこうと。うんうん。

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峰 男の人からの感想で、自分の膣圧を気にしている<ゆるふわちゃん>が可愛い!とかっていう意見もあって。
あ、そういうところも私は開拓していけてるんだって、すごく嬉しかったんですよ。
男の人の新しい萌えポイントを作っていけてるんだと思うと、私はすごく嬉しい。
もっと広げるべきですから。

――『アサラーちゃん』のおかげで、膣圧が萌えポイントになるかもしれない。

乙武 いや、膣圧じゃなくて、膣圧を「気にしてる」ところが、萌えポイントなんだよね。

峰 そうなんですよ!

乙武 そこは大きいよね、違いがね。

峰 そうです、そうです。「私ちょっと最近、太ってきちゃって。
ダイエットしなきゃ」とか言ってる女の子って、可愛いじゃないですか。
そんな感じで、「私の膣圧ってどうなのかな!? ゆるいのかな……」って
心配してる女の子が可愛いっていう感覚をですね、世の男子に持ってほしいなと。
だって可愛いじゃないですか、「膣トレ」とか頑張ってしてたら。

乙武 それが別に、シモに絡まなくてもいいんですよ。
例えば、好きな男の子のために料理を頑張ろうと思ってるんだけど、
へたくそで指切っちゃってバンドエイド巻いてるんだけど、
バンドエイド巻いてることが料理頑張ってるアピールになっちゃったらどうしようって
思ってる女の子が可愛いんですよ。うん、可愛い。

峰 そう、そう!(笑) ホントにうまい。ホントにうまい。

乙武 ていう解体新書が『アラサーちゃん』だと、僕は思うんですよね。

――今日お話を伺ってきて、乙武さんが「障害者」の内面を綴った『五体不満足』という著書と、
「アラサー女性」の内面を綴った『アラサーちゃん』とは、実は近いのかもしれないと感じました。

乙武 確かにそうですね。
僕がなぜ13年前に『五体不満足』という本を出したのかというと、
「障害者ってかわいそうな人達だよね」ってひとくくりにされて、
なんとなくそれで話題が完結してしまう世の中の風潮に違和感があって。
いやいやそういうことじゃなくて、僕みたいに楽しく過ごしてる人もいますよ、
ってことを伝えたくて書かせてもらったんです。
『アラサーちゃん』も、女心って分からないとか、分かりづらいとか思われてるかもしれないけど、
こういうことなんだよーって紹介する、教えてくれてる本だと思うので。
確かに、共通点はあると思いますね。

峰 なるほど。私、『五体不満足』を読んでないんで、分からないですけど。

一同 (笑)

峰 いや! でも! 読んでない私にも染みてくる、素晴らしいまとめだと思いましたよ!

乙武 いいよ。なゆちゃんは、素直でいいよ。

峰 今日のお話はいろいろすごかったです!
乙武さんモテ本書いたら、売れますよ! 
それか、乙武さんも『五体不満ぞくん』っていう4コマを描く。

乙武 面白い! うまいこと言う!

峰 私も今、うまいこと言ったなって思いました(笑)。
乙武さん、前からモテるだろうなぁっていうのは思ってたんですけど、
今日話して、これは本当に女心をがっちり掴むな、と思いました。

乙武 いやいやいや。だって、なゆちゃんにモテてないもん。

峰 え?(笑)

乙武 俺ね、「あ、この子はたぶん俺のこと好きだな」っていうのは、すぐ分かるんですよ。

峰 えええ!? どうやって分かるんですか?

乙武 ナイショ(笑)。
だから最初に、なゆちゃんにお会いした時にすごくがっかりしました。
あ、好かれてねえな、と思って。

峰 あはははは(爆笑)。

乙武 これはいつまで経ってもお友達のラインは超えないなと、
がっかりしたのを覚えています。はい。

峰 ねえ。やっぱりこうやって見抜かれてると怖いですね! 
今日初めてそういう怖いって気持ち、分かりました(笑)。

取材・文=吉田大助 写真=森栄喜

紙『アラサーちゃん』

峰なゆか/ メディアファクトリー/ 924円

ブログ発の人気4コマ漫画がついに単行本化! 日々モテ技を向上させるアラサーちゃんを中心に、男女の微妙な駆け引き、女子同士の本音の探りあいが繰り広げられる。いますぐマネできるモテ技も満載。描き下ろし漫画も大量に収録し、単行本特典としてアラサーちゃんがアラサーではない時代やコスプレアラサーちゃんのイラストも収録されている。