Amazon初の実書店「Amazon Books」ほんとうの実力を発揮するのはこれから?

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/17


 2015年11月3日(火)、世界最大級のECサイト・Amazonが、初の対面販売の書店「Amazon Books」をアメリカ・シアトルにオープンした。通販サイトでの売り上げの実績や、利用者の評価が高い書籍を中心に5,000冊~6,000冊程度を販売するという。しかし、この試みに対し、日本からは「要するに普通の本屋なのでは…」といった指摘が多く見られる。

 ワシントン大学の近くにあるショッピングモール「ユニバーシティー・ビレッジ」の一角にオープンした「Amazon Books」。Amazonによると、書籍の販売のほか、電子書籍端末「Kindle」、タブレット端末「Fireタブレット」、音声アシスタント端末「Echo」、映像配信端末「Fire TV」などの同社電子機器も揃え、「20年にわたるオンライン書籍販売の経験を生かし、オンラインとオフラインのメリットを併せ持つ店舗にする」とのこと。なお、書籍の価格はオンラインストアの価格と同じになるようだ。

 Amazon初ということで、世界中、そして多方面から注目が集まっているが、足を運んだ人の話によると「店内が騒々しく、人工知能『Alexa』の音声が聴き取りにくい」「価格を知るために、わざわざ本についているバーコードをスキャンする必要がある」「スキャナーの数が少なく、公式アプリのダウンロードの推奨をしている」「いざダウンロードをしても、スキャンがうまくいかない」など、あまりいい情報は入ってこない。

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 それもあってか、日本でも「結局のところ普通の本屋と大差ないな」「紀伊國屋書店やジュンク堂で充分ということか」「この形態なら日本に必要ないです」「ショールームかよ」などの声が多く上がっている。

 また、「わざわざ書店をオープンするのではなくて、倉庫を開放したほうがいいのでは?」「宅配の集荷場の脇にある受付みたいに、倉庫に行って直接買えたほうが楽しそう」「商品がたくさんある倉庫見てみたいな」「倉庫直売、運賃、梱包なしのため、割引ありだったら嬉しいです」「広大な物流倉庫に直結して、コーヒー飲んでる間に商品が届くとかなら面白い」と、Amazonの倉庫販売に興味を示す声も。

 「日本にも出店してください」「日本にできたら1回くらいは行ってみたい」という声は僅かにあるものの、大抵は「結論。日本には不要」「Amazonがやる意味が見えない」「話題性はあるけど、長続きはしない」など、やや厳しい声が相次いでいる「Amazon Books」。

 Amazon側は「レビューや評価など、何百万というユーザーの顧客からの情報を持っている」と自信を窺わせており、1店舗目の評価次第では他の地域でのオープンも視野に入れているようだが、現状の評価は厳しいようだ。とはいえ、まだ1店舗目がオープンしたばかりであり、今後革新的なサービスを開始する可能性も十分ある。

 はたして日本に店舗を構える日は来るのだろうか。その日を楽しみに待ちたいものだ。