これぞ最新版料理本!? 書籍なのに動画風「見る」レシピとは!【作ってみた】

食・料理

公開日:2015/11/22


『自分に、大切な人に 作ってあげたくなるごはん―動画風「見る」レシピで簡単!』(堤 人美:著/主婦の友社)

 料理上手な人は、完成品の写真を見るだけでレシピがわかり、実際に作ってみることができる――らしい。料理ベタな人間には、にわかに信じがたい話である。丁寧に文章でレシピが記載されていても、「いちょう切りと拍子木切りってどう違うの?」「焦げ目ってどのくらいつけばいいの?」など途中で迷子になってしまうくらいなのだから。では、もし「いちょう切りとはこのように縦に十文字に切った後、端から直角に一定の厚さで切ることをいう」「この料理ではこの程度焦げ目がつけば十分」と教えてくれるレシピ本があったなら……、料理にチャレンジしたいと思うのだろうか? もし「それならやってみてもいいかな」と思ったなら、ぜひ手にとっていただきたい1冊がある。それは、『自分に、大切な人に 作ってあげたくなるごはん―動画風「見る」レシピで簡単!』(堤 人美:著/主婦の友社)だ。まるで料理教室で実際に見ているようかのように眺められるこの本は、最新版料理Bookとも呼べるものである。

 見たことある! というような定番料理も含まれているが、著者ならではの工夫が施されているため、ひと際美味しく仕上がる。たとえばコーンスープは他の料理本でもよく見かけるが、この本で紹介されているのは、コーンとふんわりかき玉を組み合わせた中華風コーンスープだ。缶詰のコーン、かに、とき卵、しょうがなどをまぜるだけなので、非常にお手軽に作れる。これからの季節にぜひとも味わいたい1品である。このように、この本には、忙しい日にピッタリなすぐできごはん(14種類)、時間と手間をかけて美味しく作る休日ごはん(10種類)、バランスの良い食事を心がける野菜を食べるごはん(8種類)、食べ過ぎた日の翌日に! いたわりごはん(8種類)の計40種類ものレシピが掲載されている。和風、中華、フレンチなど、種類が豊富な点もうれしいところだ。

 このうち、野菜を食べるごはんから2種類の料理を実際に作ってみたので、ご紹介する。

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にんじんの豚ロールウスターバターソース

 にんじんを豚肉で巻くだけというお手軽料理。にんじんは苦手なお子さんも多いかもしれないが、甘い味付けであるため、一度口にすればやみつきになるだろう(私は、とても美味しく食べられたし、周囲にも好評だった)。また、あらかじめにんじんを茹でておくので、独特のかたさはなく、苦手な人でも食べやすいと思われる。


 レシピ上はウスターソースで味付けすることとされているが、オイスターソースで代用しても美味しかった。

キャロットラペ

 フランスの家庭料理の定番、キャロットラペ。鮮やかなオレンジで食卓が明るく輝く。また、βカロテンなどの栄養素も豊富に含まれるため、美容にもうれしいサラダだ。

 レシピ上は、ワインビネガーやクミン、くるみ・レーズンなども必要となるが、たとえば、ワインビネガーはすし酢で代用できるし、クミンなどはなくても大丈夫だ。今回、私が作ったものにもクミン・レーズンは入れていない。


 たっぷり作れば冷蔵庫で1週間保存することができるので、忙しい主婦の方にオススメの1品である。加えて、寝かせることでより味がしみ込むため、時間が経てばたつほどますます美味しくなる。ワインのおつまみやサンドイッチの具材としても活用できるだろう。

 料理ベタな方でもこの1冊があれば、得意料理・定番料理を増やすことができるはずだ。ぜひチャレンジしていただきたい。10分でできるお手軽な料理も豊富に掲載されているため、写真を見て「美味しそう!」と思った料理から始めるとよいだろう。写真のとおりに出来上がったという経験を積み重ねていくことで、あなたもいつか料理上手になれるかもしれない! 巻末には材料別索引も載っているので、慣れてきたら、家にある材料で何が作れるかと考えられるようになるだろう。

文=藤田ひかり