作りおきなし! 10分でできる? カラフルなお弁当を効率よく作りたい!【作ってみた】

食・料理

更新日:2016/1/13


『てんきち母ちゃんの朝10分、あるものだけでほめられ弁当』(井上かなえ/文藝春秋)

 お弁当を作る大変さと、朝早く起きる辛さが同時にやってくる、お弁当作り。特にこの時期は朝起きると肌寒く、外もまだ薄暗い。そんな日の布団の誘惑に打ち勝ってお弁当を作るというのは、特に料理が苦手な人にとっては、苦行以外の何ものでもないだろう。それでもせっかく作るなら、やっぱり美味しいものを作りたい。しかし毎日となると、レパートリーが続かない……。

 そんな、日々のお弁当作りに悩んでいる人に、とっておきのお弁当の本を紹介したい。『てんきち母ちゃんの朝10分、あるものだけでほめられ弁当』(井上かなえ/文藝春秋)だ。本書には、いわゆる“作りおき”で朝10分なのではなく、本当に朝10分で作ってしまえるお弁当が多数紹介されている。しかも、そのどれもが10分で作ったとは思えないクオリティ。この本のお弁当には、アイデアが凝縮されているのだ。

 本当に手早く美味しいお弁当が作れるというのなら、それは睡眠時間が増えるということであり、非常にありがたい。そこで、同じお弁当をどのくらいの時間で作れるのか、味はどうなのか、実際に試してみた。以下、文中の「実際の所要時間」は、筆者が作ってみた際にかかった時間です。

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こってり味が食欲をそそる! 「鶏じゃがバターしょうゆ弁当」(P.16~P.17)


 【実際の所要時間:15~20分程度】
・鶏肉とじゃがいものバター醤油照り
食べやすいサイズに切ってレンジで加熱したじゃがいもと鶏モモ肉を、砂糖、みりん、醤油、バターで炒める。
・アスパラみそ絡め
3等分にしたアスパラを魚焼きグリルで3分焼き、熱いうちに味噌とすりごまを絡める。
・マヨわかめの玉子焼き
卵にマヨネーズ、水、乾燥わかめ、醤油を加えて混ぜ、玉子焼きにする。

 こってりとしたバター醤油味は、子供から大人までみんなが喜びそうな味。みそ絡めにしてもマヨ風味の玉子焼きにしても、全体的にしっかりとした味付け。しかし食材自体はわかめやアスパラなどあっさりしたものも使用しているので、しつこさはなかった。ごはんとの相性も抜群で、お弁当のおかずとしてぴったり。

すべて電子レンジ! 「ピーマンの肉詰め弁当」(P.58~P.59)


【実際の所要時間:15分程度】
・ピーマンの肉詰め
鶏ひき肉、パン粉、マヨネーズ、オイスターソース、塩コショウを混ぜる。ピーマンを半分に切って種を取り、内側に小麦粉をまぶして肉だねを詰めてごまをふり、クッキングシートでキャンディー包みにする。
・レンジラタトゥイユ
なす、プチトマト、玉ねぎ、ベーコンを切り、塩、オリーブオイル、ハーブミックスをふりかけてクッキングシートでキャンディー包みにする。
・さつまいものレモンバター蒸し
さつまいもを輪切りにし、バター、レモン汁、塩とともにラップで包む。
これらすべてを電子レンジに入れ、6分加熱すれば完成。

 こちらは、上のバター醤油弁当に比べると全体的にあっさりめの味付け。しかし肉詰めやさつまいもがおなかに溜まるので、満足感はしっかりとある。まったく違う種類の3品を一度に電子レンジで作れるというのは、忙しい朝には非常にありがたい。

魚焼きグリルに入れるだけ! 「豚肉目玉焼き弁当」(P.62~P.63)


【実際の所要時間:15分程度】
・豚肉の白だし焼き
櫛形に切った玉ねぎと豚肉に、塩コショウ、白だし、すりごま、ごま油、からしを揉みこみ、アルミホイルで包む。
・目玉焼き
アルミホイルの上に卵を割り入れ、包まずに開いたままの状態にする。
・焼きアスパラとベーコンのサラダ
アスパラガスとベーコンを食べやすいサイズに切り、アルミホイルで包む。
以上の3つをすべて魚焼きグリルに入れ、中火で卵は3分、ほかは7分加熱する。
アスパラとベーコンを、粒マスタードとマヨネーズで和えれば完成。

 魚焼きグリルは掃除が面倒なイメージがあり、避ける人も多いが、この使い方なら汚さずにフル活用することができる。ただ、火加減が若干難しく、時間がありそうなら目玉焼きはフライパンで焼いた方が簡単かもしれない。魚焼きグリルがない場合は、オーブントースターやオーブンでも可能。

 結果、所要時間はどれも10分を少し超えてしまったが、これは初めて作ってかかった時間なので、要領を得れば本当に10分程度で作れそうだ。どのお弁当も、冷めても非常に美味しく、定番にしたいものばかり。この『てんきち母ちゃんの朝10分、あるものだけでほめられ弁当』には、まだまだ試してみたいお弁当レシピがたくさん掲載されている。手早く美味しいお弁当を作りたい、という人は、ぜひ本書のレシピを試してみてほしい。

文=月乃雫