ボーカルが突然死! バンギャとバンドマンが“過去”で交わる『バンギャループ』

マンガ

更新日:2015/12/21


『バンギャループ』(マキボロス/KADOKAWA メディアファクトリー)

 ヴィジュアル系バンドの熱心な女性ファンを指す「バンギャ」。独特なファッションやLIVEでの熱狂的な参戦スタイルなど、独自の文化を築いているイメージが強い。そんなバンギャの姿や、ヴィジュアル系バンドの日々を垣間みることができるのが、PC向けの連載型新作マンガ配信サービス『GANMA!(ガンマ!)』で連載中の『バンギャループ』だ。11月21日に発売された同作第1巻(マキボロス/KADOKAWA メディアファクトリー)には、夢・恋愛・友情の甘酸っぱさがギュッと詰まっている。

 主人公の椎名芽衣子(しいなめいこ)は、友達に連れられて全く知らないヴィジュアル系バンド「squall(スコール)」のLIVEに行き、鳥肌が立つような感覚を覚え、sqallの音楽にどっぷりとはまっていく。しかし、ファンになって間もないある日、ボーカルの霧(きり)が突然亡くなってしまう。悲しみに暮れていた芽衣子は、霧の追悼式に参加していた。その際、大切な時計を盗まれてしまい、犯人を追ってビルの屋上に駆け上がるも、正体不明の男に突き落とされてしまうのだ。そこで死を覚悟した芽衣子だったが、目が覚めると驚くことにそこは霧のベッドの中。

 なんと、彼女は5年前にタイムスリップしてしまったのだ! 一般的なバンギャあるあるを描いた作品とはひと味違う、衝撃の展開だ。

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 過去に戻れた芽衣子は「未来を違う方向に変えたい。霧に死んでほしくない」と、メジャーデビュー前のsqallを良い方向へ導くために孤軍奮闘。メンバーとルームシェアを開始し共に生活していく中で、歌手としての霧が好きなのか、はたまた男性としてなのか、時には自分の感情が分からなくなってしまうことも!?

 しかし、そこに霧の彼女であり“かまってちゃん”のメーコ(明子)が現れて……。

 果たして芽衣子は元の世界に戻れるのか? 霧の未来を変えることはできるのか? まだまだ物語は始まったばかりだが、多様なストーリー展開なので、次のページをめくるときのワクワクを感じられること請け合いだ。

(C)COMICSMART INC.

 また、本作では「ヘッドバンギング」といったバンギャの実態を垣間みることができる。ちなみに、sqall=バケツをひっくり返したような雨、というバンド名からファンのことを“雨女”と呼び、LIVEでは傘をさすパフォーマンス描写も見どころのひとつ。

 V系バンドに興味はあるものの、尻込みしてまだLIVEに参戦できてない人や、すでにバンギャならば、好きなバンドのメンバーとの妄想恋愛を、この漫画を通して楽しんでみてはいかがだろうか。

文=古賀サチ子(清談社)

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