2年9カ月ぶりの『よつばと!』最新巻! ばーちゃん登場の13巻で本作の愛おしさを噛みしめる!

アニメ・マンガ

2015/12/4

 待ってましたよ、13巻! 5歳の少女・よつばと、とーちゃんを中心とした日常を描いた、累計1,300万部突破の人気マンガ『よつばと!』(あずまきよひこ/KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)。2年9ケ月ぶりに新刊が発売されると知ってから、そわそわそわそわ待ち遠しくて仕方なく、かぶりつきで読みました。ああもう、楽しかったなあ。幸せだなあ! 

 どうやら外国でとーちゃんに“拾われた”らしいよつば。海外を放浪していたというとーちゃんが、どのように彼女と出会い暮らすに至ったのかはわかりません。本当の両親は? よつばの過去は? と気にならないでもないですが、正直、そんなこたぁどうでもいい。好奇心旺盛でなんにでも食いつき、なんでも信じて成長していくよつばと、よつばを見守る周囲の人々の日常が愛おしすぎて、笑ったり、ほろりときたりしながら、夢中になって読まされてしまいます。

 なんで? どうして? これは何?
 よつばの目を通じて描かれる世界はすべてが新鮮で煌めいています。動物園や牧場、キャンプでの触れ合いはもちろん、はじめての自転車、とーちゃんたちとの家具づくり、地元のお祭りなどなど、よつばにとっての非日常は私たちの現実に溢れている日常ばかり。きっと誰もが5分も歩けば見つけられる風景が、こんなにも美しいなんて知らなかった、とよつばの冒険にぐいぐい引き込まれていくのです。

 でもたぶん、知らなかったなんて嘘。私たちはみんな、最初は知っていたはずです。まっしろな紙が――それがチラシの裏であっても、立派なキャンバスになること。自分で色を重ねていけば、唯一無二の大切な絵画になることを。このマンガが愛おしいのはただ単に“子供の目で見た世界は美しい”からではありません。とーちゃんも、その友達も、お隣に住む綾瀬家の人々も、みんながよつばと一緒に“世界”を見つけて味わっている。当たり前を宝物に変えていくその眼差しが、何より尊いからです。

 最新13巻ではとーちゃんのかーちゃん、つまりよつばにとってのばーちゃんが登場します。久しぶりの再会にはしゃぐよつばももちろん可愛いですが、読みながらいつも以上に、自分にとっての“あの頃”を思い出してしまいました。朝、表を箒で掃くばーちゃんの姿に「自分の大好きなばーちゃんちの音だ!」と喜ぶよつば。まったく同じ経験があるわけではないけれど、なぜか、いつか自分も同じことをしていたような懐かしい気持ちになる。だからこそよつばの一挙一動に惹きつけられるし、ばーちゃんが帰ってしまう日にはよつばと一緒に泣きたくなってしまう。

 声を出して笑い、ほろりとしながら、胸をぎゅっと掴まれる。こんなに幸せになる一冊を私は他に知りません。ああ、早くこの先のよつばに会いたいなあ。次に出るのはまた2年後かなあ。などと思いながらもまずは、最新刊を何度も反芻したいと思います。とかいって、うっかりすると既刊すべて全部を読み返してにやにやしてしまうので、仕事が忙しい時は要注意ですよ。全力で癒されるけどね!

文=立花もも

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