ライトノベルの今がわかる! 話題沸騰の大人気ラノベからヒット目前の新作ラノベまでを一挙紹介した『このライトノベルがすごい!2016』

アニメ・マンガ

2015/12/9


『このライトノベルがすごい!2016』(このライトノベルがすごい! 編集部/宝島社)

 年間1000冊以上もの新刊が出版されているライトノベル。近年は新規参入する出版社も多く、文庫レーベルの創刊が続いている。そんな急増するラノベ選びの参考にしてほしいのが今回紹介する『このライトノベルがすごい!2016』(このライトノベルがすごい! 編集部/宝島社)だ。

 『このライトノベルがすごい!2016』は、毎年1冊出版されているライトノベルの総合情報誌。読者アンケートによる作品ランキング、作家やイラストレーターへのインタビュー、この1年間に出版された作品紹介などが掲載されており、旬のライトノベルがわかるガイドブックとしてライトノベル読者の必読の一冊となっている。

 今年の人気ランキングの作品(シリーズ)部門では、小学館のガガガ文庫から出版されている著者・渡航による『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』が3連覇を達成し、本誌初の「殿堂入り」を成し遂げた。

 2012年度のランキングで新作ながら15位に初ランクインし、2013年度に6位、さらにアニメ化で人気を集めた2014~2015年度から2位に大差をつけて連続第1位の座を獲得していた。「殿堂入り」となった本作は、来年から投票対象外となる。

 新作部門には、『エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~』(東 龍乃助/MF文庫J)が第1位に輝き、作品部門でも既存の人気シリーズを押しのけて第4位にランクインした。本誌では、著者・東 龍乃助と担当編集者のインタビュー特集が組まれている。

 以下60位までは、新作タイトルが約3分の1の割合を占めており、その理由としては『妹さえいればいい。』(平坂 読/ガガガ文庫)、『ゲーマーズ!』(葵せきな/富士見ファンタジア文庫)、『りゅうおうのおしごと!』(白鳥士郎/GA文庫)など、人気のベテラン作家の新作が相次いだことが挙げられる。

 また新人賞からも『いでおろーぐ!』(椎田十三/電撃文庫)、『筺底のエルピス』(オキシタケヒコ/ガガガ文庫)がランキング上位作となっていて、新人・若手作家の台頭も見逃せない。ランキングからはライトノベル業界に新しい風が吹き込んでいることが読み取れる。

 ジャンル別にみると、『冴えない彼女の育てかた』(丸戸史明/富士見ファンタジア文庫)のようなラブコメディや、『とある魔術の禁書目録』(鎌池和馬/電撃文庫)、『魔法科高校の劣等生』(佐島勤/電撃文庫)のような学園異能バトルものの人気が高いものの、大部分は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(大森藤ノ/GA文庫)、『六花の勇者』(山形石雄/ダッシュエックス文庫)などの異世界ファンタジーが主流だ。

 しかし、ひとくちに異世界ファンタジーといっても、その内訳は多種多様だ。

 例えば、チート能力を持った主人公が教師となって落ちこぼれ生徒を教育する「教官もの」の作品が昨年頃からジワジワと増えている。『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』(羊太郎/富士見ファンタジア文庫)や、今年アニメ化された『空戦魔導士候補生の教官』(諸星 悠/富士見ファンタジア文庫)は、その流れを汲んだ作品だ。

 また異世界での食をテーマにした『異世界食堂』(犬塚惇平/ヒーロー文庫)のような「グルメもの」、主人公が特定の職業に従事する『戦うパン屋と機械じかけの看板娘』(SOW/HJ文庫)のような「職業もの」もジャンルとして定着しつつある。

 ランキング以外でも編集部が厳選した267作品について、ライトノベルジャンル別ガイドにて詳しい作品内容が紹介されている。ここから自分好みの作品を探すのもよいだろう。

 またWEB小説投稿サイト「小説家になろう」で開催されたエリュシオンノベルコンテスト(現・ネット小説大賞)や、オーバーラップWEB小説大賞、モンスター文庫大賞などの提携新人賞からもデビュー作品が増えている。WEB上に公開されているので購入前に試し読みしてみるとよいだろう。

 今後は、このあたりの新作や新ジャンルに注目しておきたい。

 最後に『このライトノベルがすごい!2016』編集部からダ・ヴィンチ読者へ寄せられたコメントを紹介する。

●このライトノベルがすごい!編集部から
このライトノベルがすごい!2016』はもう12年もの間、ライトノベル全体を見渡して、それらを包括的に捉えてきました。作品ランキングをひとつの指標として、数多あるライトノベルとの新たな出会いを見つけてほしいと思っています。今年は特に“新作”を大きく取り上げました。次の時代を担う作品は何なのか、あなたの目で見つけ出してください。最近のライトノベル事情を知りたいという方は、ぜひご一読を!

文=愛咲優詩

■『このライトノベルがすごい!2016
発行:宝島社
価格:本体500円+税
発売日:好評発売中