「声出して笑った」『カイジ』の名物キャラ“利根川”が主人公のスピンオフ漫画にファン大満足

マンガ

公開日:2015/12/11


 実写映画化やTVアニメ化もされている、福本伸行のギャンブル漫画『賭博黙示録カイジ』(以下、『カイジ』)。作中に登場し、主人公・カイジと対峙して苦しめてきたキャラクター・利根川幸雄を主人公に据えた『中間管理録トネガワ』の1巻が、2015年12月4日(金)に発売された。悪役でありながら多くのファンを持つキャラクターだけに、1巻発売には「面白い」「超笑った」などの声が広く見られる。

 『アカギ ~闇に降り立った天才~』や『銀と金』など、濃厚なギャンブル漫画を得意とする漫画家・福本伸行が、1996年に『週刊ヤングマガジン』で連載を開始した『カイジ』。現在も『賭博堕天録カイジ ワンポーカー編』というタイトルで、帝愛グループの会長である兵藤和尊の息子・和也と生死をかけた戦いを繰り広げ続けている『カイジ』だが、その初期を盛り上げた敵と言えば、何と言っても利根川だ。

 借金一括返済のチャンスを与えるというギャンブル船・エスポワールに乗り込んだ、カイジを含む負債者の前に姿を現す、帝愛グループの最高幹部のひとり・利根川。何をさせられるかわからず騒ぐ負債者に向け、「F○ck You ぶち殺すぞ…………ゴミめら………!」と言い放ったほか、「勝ちもせず生きようとすることがそもそも論外なのだ」「金は命より重い…! そこの認識をごまかす輩は生涯地を這う…!」「一生迷ってろ…! そして失い続けるんだ…貴重な機会をっ!」「世間はお前らの母親ではないっ…! おまえらクズの決心をいつまでも待ったりはせん」など、手厳しいセリフをたびたび吐き、なぜか大きな人気を博した。

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 また、“皇帝・市民・奴隷”の3種を使用するカードゲーム「E(Emperor)カード」で、カイジとの直接対決に敗れてしまうが、焼けた鉄板の上で見せた“焼き土下座”という最後が、利根川人気を決定づけている。

 その利根川にスポットを当て、2015年6月発売の『月刊ヤングマガジン』で連載が開始された『中間管理録トネガワ』。協力に『カイジ』作者・福本、原作・萩原天晴、漫画:橋本智広&三好智樹で描かれる同作は、タイトルどおり、大勢の黒服を束ねる幹部と、帝愛グループ会長・兵藤に挟まれる中間管理職としての利根川の、苦悩や葛藤を描いた物語となっている。開始早々、「コンビニで声出して笑った」「軽いノリがいい」「利根川の下で働きたい」など、そのストーリーが高く評価され、さらに作画が福本でないにも関わらず、「原作そのまま」「本人が描いてると思って読んでた」「本人より上手い気がする」など、絵も受け入れられている。

 そんな『中間管理録トネガワ』の単行本1巻が遂に発売となった。これまで単行本が出るまで待っていたファンも多かったが、そうしたファンからも「1巻買ってきたけど、これ面白いな」「回りくどい例えとか意味のない間の取り方とか、実に上手い」「スピンオフだったから期待してなかったが、カイジ読者が読んだら爆笑必至。名作の予感」といった絶賛の声が上がっている。また、『月刊ヤングマガジン』読者からも、「巻末のエンブレムネタ最高」「描き下ろし笑った」「福本よりも面白いと思ったら、最後に本人がぶっこんできたな」「島耕作みたいに続けてほしい」などの声が見られる。

 利根川がパックの野菜ジュースを飲みながら「週刊でがんばっているカイジくんの労をねぎらって この利根川がスピンオフをしようというのだ……」と豪語する、悪魔的スピンオフ漫画『中間管理録トネガワ』。同日に発売された『賭博堕天録カイジ ワンポーカー編』9巻と併せ、読むしかない……

■『中間管理録トネガワ』1巻
協力:福本伸行
原作:萩原天晴
漫画:橋本智広/三好智樹
価格:565円(+税)
発売日:2015年12月4日(金)
出版社:講談社


■『賭博堕天録カイジ ワンポーカー編』9巻
著:福本伸行
価格:571円(+税)
発売日:2015年12月4日(金)
出版社:講談社